大型IPO・東京メトロ
今年もっとも注目される大型IPO(Initial Public Offering/新規公開株式)と言えば、以前から上場が噂されていた東京地下鉄(東京メトロ)でしょう。鉄道会社は円安が進行した影響などもあって外国人観光客が増加しているおかげで、鉄道利用者をはじめ、ホテルやレジャー施設などを利用する観光客が増加していて、売上増に貢献しています。
さらに、鉄道関連銘柄の魅力の一つとしては、鉄道や関連施設などを利用できる株主優待の提供や安定した配当金があげられるます。
そこで今回は、東京地下鉄を含む国内の鉄道関連の日本株3銘柄をご紹介します。
東京地下鉄<9023>
企業紹介
首都圏で地下鉄事業の運営や、不動産事業などを手掛ける。愛称は東京メトロ。
注目ポイント
上場が噂されていた東京地下鉄が2024年10月23日(水)、東京証券取引所のプライム市場に新規上場を果たします。2015年の日本郵政<6178>以来の政府保有株式のIPOですし、東証プライム市場に直接上場するのは2018年12月のソフトバンクグループ<9984>とソフトバンク<9434>以来となる大型IPOということもあって、投資家からの注目度も高いと言えます。
東京都を中心に地下鉄9路線が張り巡らされていて、現状は収益の大半が鉄道事業となっていますが、今後は都内の人気エリアを中心とした再開発にも注目でしょう。
株主優待は3、9月を基準に、200株以上の株主に保有株数に応じて、電車全線切符もしくは定期乗車証を配布の他、地下鉄博物館無料招待券やゴルフ練習場入場券などが受け取れる予定です。
今期の配当金は40円を予定しており、公開価格を元に算出した予想配当利回りは3.33%です。
株価動向
公開価格は上限の1,200円に決定され、公開価格を元にした時価総額はおよそ6,972億円を見込んでいます。有名企業の新規上場ですので、初値以降の株価動向に注目が集まります。
東日本旅客鉄道<9020>
企業紹介
首都圏や東日本を地盤とした国内最大の鉄道会社。エキナカ物販事業が成長中で「Suica」を手掛ける。
注目ポイント
行動制限が緩和されて以降、足元の業績は回復傾向が続いています。北陸新幹線の敦賀延伸開業などによる鉄道事業が好調なほか、エキナカ店舗での売り上げ増加や、外国人観光客の増加でホテル事業などが好調です。
株主優待は3月を基準に、300株以上を保有した株主に、保有株数に応じて料金割引となる優待券の他、同社の各種施設や店舗などで利用できるサービス券を配布しています。
今期の配当金は52円を予定しており、予想配当利回りは1.74%です。(2024/10/20現在)
株価動向
株価は今年2月6日に3,108.3円の高値をつけて以降下落が続き、8月5日安値2,353円まで値下がりしました。その後は上昇に転じ、10月には3,000円前後まで上昇しています。
西武ホールディングス<9024>
企業紹介
東京都、埼玉県における私鉄大手。日本最大級のホテルチェーンであるプリンスホテルや、西武ライオンズ、西武ゆうえんちなどを手掛ける国内トップクラスのレジャー企業。
注目ポイント
外国人観光客の増加などによって、国内ホテルが堅調に推移している他、軽井沢プリンスショッピングプラザなどリゾート地の商業施設が好調です。さらに、鉄道事業も好調に推移しています。
株主優待は3月、9月を基準に、100株以上の株主に保有株数に応じて、西武線・西武バス全線の切符の他、同社の各種施設や店舗などを割引で利用できる優待券、西武ライオンズの観戦チケットやゴルフ場、スキー場などの割引券などがもらえます。
今期の配当金は30円を予定しており、予想配当利回りは0.91%です。(2024/10/20現在)
株価動向
株価は今年8月5日安値2,202円から9月18日上場来高値3,855円へ上昇、足元はおおむね3,000〜3,500円程度で推移しています。
記事作成日:2024年10月21日
ファイナンシャルプランナー
横山利香
短大卒業後、金融専門出版社やビジネス書出版社で雑誌の記者、書籍の編集者を経て、ファイナンシャルプランナー、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)として独立。株式や不動産、外貨、投資信託など、資産運用をテーマとした執筆や講演活動、投資塾などを行う。株式や不動産への投資を中心に、為替などさまざまな金融商品への投資を行う。大学生の子どもがいる。