導入進む電子契約サービス
日本では契約書等の書類に印鑑を押す習慣があります。しかし、印鑑を押すことで業務が滞る状況も散見されたため、新型コロナウィルス感染症の流行を機に、紙に印鑑を押す習慣を見直す動きが高まりました。中でも、近年はインターネットを使った電子契約サービスが導入されるようになってきています。
実際に国内の電子契約サービス市場は2021年に前年比53.1%増も伸びており、しばらくは2ケタ成長が続くと見られています。
そこで今回は、多くのビジネス関係者も利用している電子契約サービスを提供する日米2銘柄をご紹介します。
ドキュサイン<DOCU>
企業紹介
電子署名サービス「DocuSign(ドキュサイン)」を世界各国で提供している。
注目ポイント
「DocuSign」は契約書の作成や編集、送信といった作業をオンライン上で行うことができ、クラウド上に保存することができる便利なサービスです。利用料金はプランに応じて支払うサブスクリプション形式となっています。
様々なビジネスで契約書は必要ですから、ビジネスのオンライン化が進むにつれて売上は年々増加傾向にあり、純利益は2024年1月期に黒字化を達成しています。
株価動向
株価は2023年頃から50ドル前後でもみ合いが続いています。6月6日発表の決算では、2-4月期は市場予想を上回り好調だったものの、5-7月期見通しが市場予想並みとなったことで翌日に48.70ドルまで売られましたが、足もとは54ドル台まで反発しています。
弁護士ドットコム<6027>
企業紹介
電子契約サービス「クラウドサイン」を提供。弁護士向けの営業支援や法律相談サイト等も展開している。
注目ポイント
「クラウドサイン」は国内企業の提供サービスということもあって、サポートの面でも安心です。さらに、一般消費者向けに法律が身近になるような法律相談ポータルサイトの運営や情報発信を行っている他、弁護士向けに、営業支援や業務システム等のサービスも提供しています。
業績は好調で、2024年3月期は売上高が30.0%増、純利益が16.8%増となりました。2025年3月期もそれぞれ30.2%増、19.4%増の見通しで高成長が続く見込みです。
株価動向
株価は2023年9月に5,800円の高値をつけた後、株価は下落が続き、2024年5月30日につけた安値2,466円まで値下がりしました。その後は反発傾向となり、7月2日には証券会社が目標株価6,200円とする強気の格付けを発表したことから、さらに株価が押し上げられています。このまま上昇基調が続くか注目したいところです。
記事作成日:2024年7月3日
ファイナンシャルプランナー
横山利香
短大卒業後、金融専門出版社やビジネス書出版社で雑誌の記者、書籍の編集者を経て、ファイナンシャルプランナー、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)として独立。株式や不動産、外貨、投資信託など、資産運用をテーマとした執筆や講演活動、投資塾などを行う。株式や不動産への投資を中心に、為替などさまざまな金融商品への投資を行う。大学生の子どもがいる。