アニメ、映画、テレビ、テーマパークを展開する総合エンタメ企業
ウォルト・ディズニーは、世界的な総合エンターテインメント企業です。1923年にディズニー兄弟が始めたアニメ制作の「ディズニー・ブラザーズ・カートゥーン・スタジオ」が始まりです。1928年には、現在、世界で愛されているミッキーマウスが初めて登場しました。
その後、漫画、絵本、アニメーションなどで順調に事業を拡大し、テレビ番組の放送も開始しました。1971年には最初のディズニーランドである「ウォルト・ディズニー・ワールド」が開業、現在では、アニメ・映画製作、テーマパーク運営、メディア運営などの事業を多角的に展開しています。
M&A(企業の合併・買収)にも積極的で、過去には米国3大ネットワークの一角であったABCを買収し、10のテレビ局、21のラジオ局、7つの日刊紙、4つのケーブルネットワークの所有権に加えて、国内トップのテレビネットワークを手に入れました。
2000年以降はピクサー・アニメーション・スタジオ、マーベル・エンターテインメント、21世紀フォックスを買収して傘下に収めました。また、動画配信サービスの「Disney+」も展開しています。
「Disney+」の契約者数は約700万人増加
2023年11月8日に発表した第4四半期決算の売上高は、テレビ事業ABCの広告収入が低迷したものの、上海と香港のテーマパークの入場者増が寄与し、前年同期比5%増の212億ドルとなり、1株当たり利益も0.82ドルと前年同期の0.30ドルを大きく上回りました。
部門別では、テレビ局や映画製作、動画配信を含むエンターテインメントが前年の6億800万ドルの損失から2億3,600万ドルの黒字に転換、スポーツ関連が前年同期比14%増の9億8,100万ドルに、テーマパークやリゾートなどエクスペリエンス部門が同31%増の17億5,900万ドルと好調でした。動画配信サービス「Disney+」の契約者数は約700万人増加し、「Disney+」と「Disney+・ホットスター」を合わせた契約者数は1億5,020万人に増加しました。
積極的にコスト削減を進めてきたボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)は発表文で、過去1年間の大きな進展が業績に反映されたと説明しており、「修正の時期を脱して事業再構築に着手することが可能になった」と強調しました。同社は、年間で75億ドルのコスト削減を達成できる見込みだとしています。
「Hulu」の取得や「スター・ウォーズ」のクランクインも
2023年11月には、動画配信サービス「Hulu」の未保有株33%を米ケーブルテレビ大手コムキャストから取得する手続きを開始しています。これによって、ディズニーはHuluの全株式を取得し、動画配信サービス「Disney+」に組み入れることが可能になります。
また、映画「スター・ウォーズ」シリーズの新作「ザ・マンダロリアン&グローグー 」が2024年中にクランクインすると発表しています。さらに、テーマパーク事業への設備投資を今後10年間に計約600億ドルと、ほぼ倍増させることも発表しており、ウォルト・ディズニーは今後、ますます様々なエンターテインメントを世界に提供してくれそうです。
記事作成日:2024年1月25日