米国の一大消費イベントである「クリスマス商戦」および「年末商戦」がいよいよスタート!米国では11月の第4木曜日(2023年は11月23日)の感謝祭の翌日からクリスマス商戦がスタートします。
感謝祭の翌日の金曜日は「ブラックフライデー」と呼ばれるセールが多くの業界で実施されます。そして、週明けの月曜日は「サイバーマンデー」と呼ばれ、ネット通販などで大々的なセールが行われます。
11月2日にNRF(全米小売連盟)が公表した11~12月の小売売上高(自動車・ガソリン・レストランを除く、インフレ調整前)見通しは、前年比3~4%増でした。これは、2022年11~12月の5.4%増と比較すると低い伸び率となっています。
ただ、新型コロナ感染拡大前の10年間の11~12月の小売売上高の伸び率の平均は前年比3.6%増だったので、NRFでは「伸び率が新型コロナ流行前に近い水準に戻る」と予測しています。
クリスマス・年末商戦の主な消費関連株としては、次のような銘柄があります。
アップル(AAPL)
言わずと知れたパソコン・携帯端末メーカーです。「iPhone」「iPad」「Mac」「AppleWatch」などはプレゼント商品としても好調です。9月には、新型スマートフォン「iPhone15」を発売しました。10~12月のiPhone販売についてですが、前年同期より販売週数が1週間少ないものの、今年は増加する見込みとしています。
アマゾン・ドットコム(AMZN)
インターネット通販の最大手です。家電から生活雑貨まで幅広い分野の商品を取り扱っています。通販以外では、2006年から新規事業のクラウドサービスを開始し、事業の柱の1つになりつつあります。10~12月期の売上高見通しは1,600億~1,670億ドルと予想しています。同社では、年末商戦を含む第4四半期の売上高と利益が急拡大すると予想しています。
コストコ・ホールセール(COST)
日本でもおなじみになってきた会員制の倉庫型店舗チェーンを展開しています。幅広い分野のナショナルブランド商品やプライベートブランド商品を高品質・低価格で会員に提供しています。第4・四半期の総売上高は9.5%増と好調です。クリスマス商戦を終えた12~2月期の決算も好結果が期待できそうです。
ビヨンドミート(BYND)
植物由来の人工肉の生産・販売を行っています。主力商品のハンバーガー用パティは、肉由来の製品と外観や味が変わらないことが特徴で、緑豆やえんどう豆などを主な材料としています。同社はマクドナルドなどと提携し、事業拡大を目指していますが、7~9月期決算では売上高が前年同期比8.7%減となるなど、厳しい状況に置かれています。売り上げの増加が見込めるクリスマス商戦で、どの程度売上高を回復できるかが注目されます。
ホーム・デポ(HD)
住宅リフォーム向け建設資材、家具、ガーデニング用品などを取り扱う大型小売店チェーンを運営しています。1店舗当たり3万~4万点の商品を揃えており、ホームセンター業界では世界首位です。8~10月の既存店売上高はインフレの影響を受け、前年同期比3.1%減と落ち込みましたが、11~1月期は回復を見込んでおり、通期予想は前期比3~4%減にとどまるとの見方をしています。
ナイキ(NKE)
自社でデザイン・開発したフットウェア、アパレル、アクセサリーの販売を行っています。主力ブランドの「ナイキ」のほか、スニーカーの「コンバース」などを扱っており、スポーツ用シューズ、ウエアの分野では世界最大規模です。直近の決算は6~8月期で、売上高は微増にとどまりましたが、値上げ効果で収益が大幅に伸びました。さらに、在庫が10%減少したことで、年末商戦を前に余剰在庫の圧縮が進んでおり、今後の売上高増加が期待できそうです。
ウォルマート(WMT)
米国を中心に大型ディスカウントストア「ウォルマート」をチェーン展開しています。低価格戦略「エブリデー・ロープライス」を掲げており、売上高は小売業界で世界トップ規模です。8~10月の既存店売上高は前年同期比4.9%増と好結果となりました。クリスマス・年末商戦(11~1月期)を踏まえた通年の既存店売上高を5.0~5.5%増に引き上げており、好調が続くと予想しています。
記事作成日:2023年11月28日