米雇用統計悪化で注目!景気後退局面でも期待できる米国株

💡この記事のポイント

✅7月の米雇用統計が市場予想を下回り、景気減速への懸念が浮上

✅不透明な経済状況でも影響を受けにくい、または恩恵を受けやすい銘柄に注目

✅高配当やディフェンシブ、AI関連など、複数の視点から米国株をご紹介

🔎登場する主な銘柄

プロクター・アンド・ギャンブルマイクロソフトマクドナルド

 

目次

景気減速懸念で投資家心理を支える「利下げ期待」

ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>

プロクター・アンド・ギャンブル<PG>

マイクロソフト<MSFT>

ブラックロック<BLK>

コカ・コーラ<KO>

マクドナルド<MCD>

コストコ・ホールセール<COST>

シェブロン<CVX>

ダラー・ゼネラル<DG>

エーティー・アンド・ティー<T>

米雇用統計悪化で注目!景気後退局面でも期待できる米国株

景気減速懸念で投資家心理を支える「利下げ期待」

米労働統計局が発表した7月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数の伸びが市場予想を大きく下回り、失業率も上昇しました。この結果を受けて、米国の景気減速への懸念が強まっています。しかし、一方で、雇用の鈍化はインフレ圧力の緩和につながるとの見方から、年内の利下げ観測が再び高まり、株式市場では売りと買いが交錯する展開となりました。

 

また、トランプ大統領は「共和党と私を悪く見せるために(数値を)操作している」として、エリカ・マッケンターファー米労働統計局長を解任する事態に発展し、後任人事や次回8月の雇用統計(9月5日発表予定)がどうなるか、さまざまな憶測が飛び交っています。

 

このような経済の先行きが不透明な状況では、景気変動の影響を受けにくい銘柄や、逆に経済環境の変化を追い風にできる銘柄が人気化することがあります。そこで今回は、そうした視点から注目を集めそうな米国株10銘柄をご紹介します。

 

 

ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>

ヘルスケア分野における世界的な大手企業です。医療機器、医薬品、消費者向け健康製品など、幅広い事業を展開しています。経済の先行きが不透明な局面でも、安定した需要が見込めるディフェンシブ株として知られています。また、60年以上連続増配を続けており、予想配当利回り3.02%も魅力の一つです。

 

2025年4-6月期決算では、医薬品部門や医療機器部門が堅調な伸びを見せています。

 

株価はここ数年、およそ145~165ドル程度で推移しています。ここにきて170ドルを上回ってきました。

 

プロクター・アンド・ギャンブル<PG>

洗剤や紙おむつ、シャンプーなど日用品の製造・販売を手掛ける世界最大級の消費財メーカーです。生活必需品は景気の影響を受けにくいため、ジョンソン・エンド・ジョンソンと同様にディフェンシブ株として安定したパフォーマンスを期待できる可能性があります。

 

2025年4-6月期決算は、増収・営業増益でした。配当に関しても60年以上の連続増配の実績があり、長期保有の魅力がある銘柄と言えそうです。

 

株価はここのところ下落傾向で、年初来安値を更新しています。

 

マイクロソフト<MSFT>

ソフトウェア、クラウドサービス、タブレット端末などを手掛ける巨大テクノロジー企業です。景気減速の懸念が広がる中でも、同社の主力であるクラウドサービス「Azure」や、生成AI(人工知能)分野での取り組みは引き続き高い成長が期待されています。特に、AIの普及に伴うデータセンターへの投資は、景気動向に関わらず継続される可能性が高いと見られています。

 

2025年4-6月期決算では、売上高・営業利益ともが前年同期比で増加しています。AI事業への積極的な投資が、今後も成長の牽引役となりそうです。

 

株価は堅調で、7月末に上場来高値を更新しました。

 

ブラックロック<BLK>

世界最大級の資産運用会社です。ETF(上場投資信託)の「iシェアーズ」シリーズでも知られています。一般的に、金融セクターは景気動向に左右されやすい業種ですが、同社は世界の幅広い投資家から資金を集めており、またETFの需要は積み立て投資などで堅調なため、安定した収益基盤を持っていると言えそうです。また、AIを活用した資産運用アドバイスなど、テクノロジーを積極的に導入している点も注目されます。

 

2025年4-6月期決算では、運用資産が過去最高の12兆5,300億ドルまで達し業績が堅調であることを示し、株価は7月25日上場来高値1,130.66ドルまで上昇しています。

 

コカ・コーラ<KO>

世界中の消費者に愛される飲料ブランドです。生活に密着した製品であるため、景気動向に業績が左右されにくいディフェンシブ株の代表格と言えるでしょう。また、60年以上にわたり連続増配を続けており、安定的な配当収入を期待する投資家にとって魅力的な銘柄の一つです。

 

2025年4-6月期決算では、増収増益となり、売上高は市場予想を上回りました。インフレによる価格上昇にもかかわらず、消費者の需要は堅調に推移しているとのことです。

 

株価は春以降およそ68~72ドル程度で推移しています。

 

マクドナルド<MCD>

世界最大級のファストフードチェーンです。比較的安価な食事を提供しているため、景気が減速する局面では、消費者が外食の選択肢としてマクドナルドを選ぶ傾向が強まる可能性があります。これも、景気変動に強いディフェンシブな側面と言えそうです。

 

8月6日に2025年4-6月期の決算発表を控えていますが、2025年1-3月期決算では関税などの影響から減収減益となり、特に米国での既存店売上高が予想以上の減収となっていました。

 

株価は春以降およそ290~320ドル前後で推移しています。

 

コストコ・ホールセール<COST>

会員制倉庫型小売店を展開しています。高品質な商品を低価格で提供していることから、景気が後退する局面でも、まとめ買いによる節約志向の消費者に支持される可能性があります。また、会員費が安定的な収益源となっている点も強みです。

 

トランプ政権の関税政策によって節約志向が高まり、低価格の商品を求める消費者が増加したことなどが追い風となり、2025年2-4月期決算は増収増益となりました。また、値上げされた年会費も順調に推移しているようです。

 

株価は6月以降下落基調で、ようやく反転の兆しが見えはじめたようです。

 

シェブロン<CVX>

石油・天然ガスの探鉱から精製、販売までを手掛ける大手エネルギー企業です。景気後退局面では、原油価格は下落する傾向がありますが、地政学リスクの高まりや、OPECプラスによる協調減産などにより、原油価格が底堅く推移する可能性も指摘されています。

 

2025年4-6月期決算では、原油価格の下落を受けて減収減益となりましたが、利益は市場予想を上回ったようです。

 

株価は春以降おだやかに上昇しています。

 

ダラー・ゼネラル<DG>

米国を中心に低価格な商品を販売するディスカウントストアを多数展開しています。食料品や日用品、衣料品など、生活必需品が中心の品揃えです。インフレや景気後退の局面では、家計の負担を抑えたい消費者から支持を集める傾向があり、業績も底堅く推移することが期待されます。

 

8月28日に2025年5-7月期の決算発表を控えていますが、2025年2-4月期決算では既存店売上高が伸び増収増益となり、2026年1月期今期の業績予想見通しを上方修正しました。

 

株価は年初から上昇し、5月以降高値もみ合いの後、やや下落していましたが、反発の兆しを見せはじめたようです。

 

エーティー・アンド・ティー<T>

米国の大手通信事業者です。携帯電話やブロードバンド、ケーブルテレビなどのサービスを提供しており、景気に左右されにくい安定した収益基盤を持っています。株価が軟調な局面では予想配当利回り4%が株価を下支えする可能性があります。

 

2025年4-6月期決算では増収増益となり、携帯電話の契約者数が堅調に増加し、収益を押し上げています。

 

株価は堅調に推移しています。

 

※出所:QUICK(予想配当利回りは2025年8月4日時点)
※予想配当利回りは予想配当より算出しており、確定しているものではありません

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