マグニフィセント・セブンは買い時か?

💡この記事のポイント

✅トランプ関税でマグニフィセント・セブンは大幅下落

✅業績はおおむね堅調で、割高感は薄れてきた

✅関税問題が落ち着けば、リバウンドも期待できそう

🔎登場する銘柄

アルファベットアップルメタアマゾンマイクロソフトテスラエヌビディア

 

目次

M7の株価は下落中も業績は好調

アルファベット<GOOGL>

アップル<AAPL>

メタ・プラットフォームズ<META>

アマゾン・ドット・コム<AMZN>

マイクロソフト<MSFT>

テスラ<TSLA>

エヌビディア<NVDA>

マグニフィセント・セブンは買い時か?

M7の株価は下落中も業績は好調

トランプ関税をきっかけに、米国株式市場は大きく下落しています。4月3日には、貿易相手国に対する関税を引き上げる「相互関税」の詳細を発表し、世界中の株式市場が急落に見舞われています。米国企業を代表するマグニフィセント・セブン(M7/壮大な7社)と呼ばれるハイテク企業7社の株式も例外ではなく、大きく下落しました。


年明け以降、M7の株価が下落する一方で、堅調に推移しているのが、セブン・タイタンズ(7社の巨人)と呼ばれる中国のハイテク企業7社です。中国企業は中国政府による景気刺激策の発表からディープシークの台頭で勢いに乗っています。


あるアナリストは、「関税により米国のハイテク業界は10年後退するだろうと我々は考えているが、中国が明らかに勝者となるだろう…そして、議論の余地はない」とまで述べています。


しかし、M7の業績をあらためて確認すると、テスラ<TSLA>を除けば好調に推移しています。世界の株式市場が落ち着きを取り戻せば、再びM7に注目が集まる可能性もありそうです。足元では割安感も目立ってきており、今後のリバウンドに注目です。


アルファベット<GOOGL>

ネット上での検索サービス(Google)のほか、アンドロイドOSやウェブブラウザなどを展開。

 

2月に発表した2024年12月期前期決算は、売上高が前々期比13.9%の3,500億ドル、営業利益は同33.3%増の1,123億ドルと増収増益でした。

3月18日には、クラウド・セキュリティ・プラットフォームのWizを330億ドル(約4兆9,200億円)で買収すると発表。競争激しいクラウドコンピューティング市場での巻き返しを狙います。

 

高すぎる期待で決算発表直後から売られているものの、本業の好調には変わりがなく、様々な規制緩和の恩恵も考えられることから、関税による混乱が落ち着けばリバウンドが期待できる銘柄と言えそうです。

 

株価は2月4日上場来高値207.05ドルから4月7日年初来安値140.53ドルへ下落。2024年2月頃の株価水準となりました。年初から4月7日安値までの下落率は-26.29%。

 

予想PER(株価収益率)は16.46倍、PBR(株価純資産倍率)は5.51倍。

 

アップル<AAPL>

モバイル通信機器、メディア機器、パソコンなどの製造・販売を手がけています。

 

1月に発表した2024年10-12月期決算は、売上高が前年同期比4.0%増の1,243億ドル、営業利益は同6.1%増の428億ドルと好調でした。

2月には、今後4年間で米国に5,000億ドル以上投資する計画を発表。2万人を新規雇用し、AI(人工知能)サーバーの製造を行い、米国での事業拡大を狙います。

 

相互関税の詳細が発表された翌日に急落。ただ、業績は良好なため、関税の落ち着きや下げ止まりを確認できればリバウンドも期待できそう。

 

株価は2024年12月上場来高値260.1ドルから今年4月7日安値174.62ドルまで下落しています。年初から4月7日安値までの下落率は-29.85%。

 

予想PER(株価収益率)は24.89倍、PBR(株価純資産倍率)は40.88倍。

 

メタ・プラットフォームズ<META>

SNSである「Facebook」や「Instagram」などの運営のほか、VR(仮想現実)やMR(複合現実)、AR(拡張現実)関連製品の研究・開発も手がけています。

 

1月に発表した2024年12月期前期決算は、売上高が前々期比21.9%増の1,645億ドル、営業利益は同48.4%増の693億ドルと増収増益となりました。

同社は2025年にAI開発を進めるため、大型データセンターの建設に600~650億ドルの投資を計画しています。

 

ただ、AIへの積極投資は、関税引き上げによる物価高や消費減速が見込まれる中では利益を圧迫するとしてアナリストの目標株価引き下げもありました。やはり関税問題の収束や半導体やAIの先行きに明るさが見えてくれば大きな反発も期待できるかもしれません。

 

年初から上昇が続いた株価は、2月14日上場来高値740.91ドルでピークを打ちました。そこから下げ相場が続き、4月7日に481.9ドルまで下落し年初来安値を更新しました。年初から4月7日安値までの下落率はM7の中でもっとも小さい-18.28%で下げ渋っているとも言えそうです。

 

予想PER(株価収益率)は20.59倍、PBR(株価純資産倍率)は7.16倍。

 

アマゾン・ドット・コム<AMZN>

ネットでの小売販売のほか、電子書籍リーダーやタブレット端末などの電子デバイスの製造、販売を展開。

 

2月に発表した2024年12月期前期決算は、売上高が前々期比11.1%増の6,379億ドル、営業利益は同86.1%増の685億ドルと大幅な営業増益となりました。

3月には、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)が金融情報サービスのフィッチグループと複数年にわたる戦略的提携契約を拡大し、フィッチのグローバル事業全体で生成AI機能を活用することを発表しています。

 

期待値が高く2月7日の決算発表で下落しましたが、AWSやネット販売自体は好調なだけに、関税の影響が落ち着けば大きく反発する可能性もありそうです。

 

2月4日上場来高値242.52ドルから右肩下がりの下落が続き、「相互関税」の詳細が明らかになった翌日に急落。4月7日年初来安値161.38ドルまで下落しています。年初から4月7日安値までの下落率は-27.32%。

 

予想PER(株価収益率)は27.67倍、PBR(株価純資産倍率)は6.49倍。

 

マイクロソフト<MSFT>

ソフトウェア製品の開発やライセンス供与、タブレット端末の製造、クラウドサービスなどを手がけています。

 

1月に発表した2024年10-12月期決算は、売上高が前年同期比12.3%増の696億ドル、営業利益は同17.1%増の316億ドルと好調でした。

3月18日には、半導体大手のエヌビディア<NVDA>とAI開発とパフォーマンスを加速する複数のプロジェクトを発表しています。

 

投資するオープンAIだけでなく自社でもAI開発を進め、WindowのOSやOfficeのソフトだけでなく、AIでもデファクトスタンダードを狙っているだけに、引き続き世界の主役として君臨する可能性もあり、関税問題の収束後は再浮上も期待できそうです。

 

直近の決算発表は良好でしたが、株価は決算発表直後から下落がはじまり、下値模索が続いています。2024年7月上場来高値468.35ドルから今年4月7日年初来安値344.79ドルまで下落。年初からの下落率は-18.97で、メタと同等に下げ渋っているとも言えそうです。

 

予想PER(株価収益率)は27.22倍、PBR(株価純資産倍率)は8.79倍。

 

テスラ<TSLA>

EV(電気自動車)や関連部品の設計・製造・販売などを手がけています。

 

1月に発表した2024年12月期前期決算は、売上高が前々期比0.9%増の976億ドル、営業利益は同20.4%減の70.7億ドルと増収減益でした。

1月には、フルモデルチェンジしたミッドサイズSUV「モデルY」を発表しています。また、3月25日には6月にテキサス州オースティンで自動運転サービスを始めると表明しています。

 

トランプ関連株の代表格として買われ、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の政治活動への拒否反応から売られましたが、EVや自動運転のロボタクシーやAIロボットの将来性を高く買うアナリストやファンも多く、マスク氏の米政府効率化省(DOGE)での活動や関税問題が落ち着いてくれば、反発も充分ありそうです。

 

株価は2024年12月上場来高値488.54ドルから4月7日年初来安値214.25ドルへ下落。年初から4月7日安値までの下落率は-45.08%でM7でもっとも大きく売られています。

 

予想PER(株価収益率)は100.61倍、PBR(株価純資産倍率)は10.28倍。

 

エヌビディア<NVDA>

コンピューターの画像処理に用いるGPU(画像処理半導体)の開発・製造などを手がけています。

 

2月に発表した2025年1月期前期決算は、売上高が前々期比2.1倍の1,304億ドル、営業利益は同2.5倍の814億ドルと大幅に増加しました。

3月18日の開発者会議では、AI自動運転ゼネラル・モーターズ<GM>との提携を発表。また、量子コンピューティングを進歩させるための最先端技術を提供するために、ボストンを拠点とする研究センターを設立することも発表しています。

 

高すぎる期待とDeepSeekショック米中の規制強化などから年初から弱い動きが続いていますが、一方でAIの雄であることは変わらず関税の影響を受けにくいという見方もあり、もっともリバウンドが期待されている銘柄と言っても過言ではないでしょう。

 

株価は1月7日上場来高値153.13ドルから4月7日年初来安値86.62ドルへ下落。年初から4月7日安値までの下落率は-36.31%でテスラに次ぎ大きく売られています。

 

予想PER(株価収益率)は21.53倍、PBR(株価純資産倍率)は30.12倍。

 

記事作成日:2025年4月8日

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