過去5年でテンバガー達成の日本株は11銘柄
株価が10倍になった株や、なりそうな株のことを英語で「テンバガー(10倍株)」と言います。これは野球で塁打のことをバガーと呼び、一試合で10塁打(テンバガー)するくらい上がった株という意味とのこと。
いま、テンバガーの代表と言えば、米国半導体大手のエヌビディア<NVDA>でしょう。エヌビディアの株価は過去5年でおよそ30倍以上の水準となっています。
実は日本でも株価が10倍以上になったテンバガー銘柄があります。例えば、時価総額1,000億円以上の銘柄において、ここ5年間(2024年6月17日現在)で株価が10倍以上になっている銘柄は11銘柄あるのです。
次のテンバガーを探すポイントは?
テンバガー銘柄を見つけて投資したい!これは誰もが思うことでしょう。実際、どんな銘柄が株価10倍になりそうでしょうか?
テンバガー銘柄を探す上では、その銘柄が成長市場や成長分野に関わっているのかどうかが最大のポイントになると考えられます。上記10倍以上になった銘柄の多くが半導体関連株でした。そうした成長市場に関わっている銘柄の中から探っていくことが最も近道でしょう。
今後の技術革新によってまったく新たな成長市場が生まれてくる可能性もありますが、少なくとも現段階で今後の成長が期待できる市場としては、AI(半導体含む)、脱炭素、宇宙開発、ヘルスケアなどが挙げられそうです。
半導体では、生成AI分野で強みを持つ銘柄に今後の一段の業績拡大余地が大きいと見られます。脱炭素では、市場の本格拡大時期が近いとみられるEV(電気自動車)関連銘柄などに業績急拡大局面の到来が予想されます。ヘルスケアでは、バイオ医薬品のほかに、日本固有の事業環境にある介護分野などで飛躍する銘柄が現れてくる可能性があるでしょう。
日本株の参考4銘柄
ディスコ<6146>
半導体製造装置大手企業の一角。半導体チップをシリコンウエハー上から切り出すダイシング装置、ウエハーを研削・研磨加工するグラインディング装置で世界トップ企業。とりわけ、AI半導体に使用されているHBM(高帯域幅メモリ)向け装置では高いシェアを誇っている。半導体製造装置メーカーの中では、生成AI市場拡大でメリットを最も享受し得る銘柄と位置付けられている。
三井ハイテック<6966>
モーターコアと電子部品のリードフレームが主力製品。モーターコアは電気自動車やハイブリッド車の性能を左右するモーターの中核部品であり、世界シェアNo.1と推定されている。足元の業績拡大のけん引役にもなっている。トヨタ自動車向けの販売比率が高い。供給体制強化に向けてメキシコで新工場を建設。2025年1月に完成予定で同年9月量産化を目指す。今後もトヨタの電動車販売拡大に伴う業績成長が想定される。
Appier Group<4180>
顧客企業のウェブサイト利用者の嗜好や行動をAIで分析し、集客効果を高めるためのマーケティング施策を提案するソフトウェアを提供している。台湾に開発拠点を置く。2021年5月には、アジアのBotBonnie社を買収し、会話型マーケティングの分野に参入。23年4月には、生成AIを法人向けマーケティングソリューションへ搭載完了。国内では数少ないピュアなAI関連企業と位置付けられる。
三菱重工業<7011>
総合重機の最大手企業。原子力、航空機など事業領域は幅広い。2024年3月期の「航空・防衛・宇宙」事業は売上構成比の約17%を占め、受注高は急拡大している。2027年3月期までの中期計画では防衛事業を成長分野と位置付け。2007年からH-IIAロケットによる打上げ輸送サービスを開始しているほか、ロケットエンジン、宇宙ステーション関連機器なども扱い、国内では宇宙関連のリーディングカンパニーでもる。
米国株の参考2銘柄
テスラ<TSLA>
EVメーカーとして最大手企業。2023年のEV世界販売台数は約180万台で、世界シェアは19.3%と推定される。とりわけ、廉価版SUVである「モデルY」は車種別で圧倒的なトップシェア誇る。2022年12月には電動トラック「テスラ・セミ」、2023年11月には電動ピックアップトラック「サイバートラック」の生産・納入も相次ぎ開始。運転支援機能「フルセルフドライビング(FSD)」の中国での実証実験も開始し自動運転の将来性にも期待されている。CEO(最高経営責任者)のイーロン・マスク氏は宇宙開発企業「スペースX」のCEOでもある。
エアビーアンドビー<ABNB>
民泊プラットフォームの運営企業。2023年末時点で登録者数は500万人を超え、世界220以上の国・地域、10万超の都市で展開している。キャッシュフローの創出力など強み。サービスカテゴリー内でのシェアは高いものの、旅行・宿泊市場全体の規模と比較すると需要獲得余地が大きい点は魅力。今後も地元企業との提携など活発化で宿泊プラン・施設の多様化が図れる見込み。
記事作成日:2024年6月17日