インドの総人口は4月末までに14億2,577万人余に達し、中国を追い越して世界最大の人口大国になったとみられていますが、一人当たりGDPは2,389ドル(2022年:世銀資料)と、いまだ発展途上の段階にあります。
公益財団法人国際通貨研究所が2023年1月に発表した「人口動態からみたインドの成長性」によると、「2050 年近くまで生産年齢人口(15 歳~64 歳)の増加が続く(同研究所資料より引用)」とあり、労働供給力は極めて豊富な状況であることや、モディ首相が外国資本の誘致を積極的に進めていることから、積極的にインド展開を行う企業は今後注目に値するでしょう。
今回は、注目のインド関連株などを6つご紹介します。
スズキ(7269)
国内軽自動車ではダイハツとシェアを二分。2輪車でも国内第3位。1982年にインドの「マルチ・ウドヨグ」に出資し、2002年には子会社化。販売台数で日本を上回るインド市場において、現在4割超のシェアを握る。同社のグローバル販売台数の5割強がインド市場。
ソニーグループ(6758)
家電や電子部品のほか、ゲーム、映画、音楽、金融など事業領域多彩。1984年設立のインド現地法人は26チャンネルを運営し、視聴者は7億人、現在地元大手との経営統合を進め、統合会社はシェア25%に。インドエンタメ市場は2030年には2022年比倍増と試算されている。
ユニ・チャーム(8113)
ベビー用や大人用紙おむつ、生理用品など衛生用品の大手。ペットケア製品も手掛ける。ベビー用紙おむつではインドでシェア2位と推定。インドの現地ニーズに合わせた商品開発に特徴、インドでは初潮教育プログラムなども実施。インドでは生理用品の使用比率が依然低水準。
アップル(AAPL)
「iPhone」や「iPad」などの携帯情報端末、PCなどを生産・販売するテクノロジー企業。売上高は未公表だが、インド市場に最も注力中。2022年にはインドでの生産を3倍に増やし、生産全体の7%を占める。主要サプライヤーの鴻海も2つの部品工場を建設する計画。
テスラ(TSLA)
電気自動車(EV)の世界トップ企業。インドのモディ首相が同社に多額の投資を働きかけており、イーロン・マスクCEOも早期のインド進出を目指す考えを示している。自動車とバッテリーの生産拠点を設ける計画のもよう。また、商業宇宙分野での協調なども模索されている。
iシェアーズMSCIエマージング(EEM)
MSCI エマージング・マーケッツ・インデックスのパフォーマンスに連動する投資成果を目指すETF(上場投資信託)。新興国市場の大型・中型株を保有し、インドのウェイトは14%超。リライアンス、ICICI銀行など組み入れ上位10銘柄のうち4銘柄がインド株(8月1日現在)。
記事作成日:2023年8月3日