皆さま、こんにちは。PayPay証券オウンドメディア「資産運用の1st STEP」編集長の臼田琢美です。今回は今もっとも切実に気になるご質問です。
Q<初心者>:大暴落していますが、この波乱相場どうすればいいですか?
世界中の株式市場が歴史的大暴落と言えるほどの下落に見舞われています。特に初心者の方は心配で仕方ないと思います。6月に以下の記事も出していますので、合わせてご参照ください。
はじめたばかりで下がってしまい、続けるべきかどうか悩んでいます
ここではカンタンに基本的な考え方とマーケットの見通しと対応策についてお話しします。
記録的急落だからこそ冷静な判断も必要
8月に入り日経平均は歴史的なレベルでの下げが続いています。8月5日の下落幅4,451円は1987年10月20日のブラックマンデーでの3,836円安を超えて過去最大、下落率12.4%はブラックマンデーの14.90%安に次いでワースト2位の記録的急落となりました。
これほど大きな下落は過去にもあまりないことが分かりますが、マーケットではこのような下落が時々起きるものです。またこのような時は、急激な反発も起こる乱高下相場になりがちです。上記の記事のように、どのようなスタンスでの投資を考えていたのかによって対処法は変わりますが、ここからは冷静な判断も必要です。
つみたて投資は継続を!
特に、つみたて投資を行っている場合は、このような大きな下落時こそ平均買いコストを低下させるチャンスでもあり、しっかりと続けていくことが大切です。過去、どれだけ大きな暴落でも市場全体はおおよそ数年で高値を回復しています。
34年間抜けなかった日経平均のバブル時高値38915.87円も今年ようやく抜けましたが、注目すべきはつみたて投資を継続していた場合です。
1989年から毎年年末の日経平均の株価で1万円ずつつみたて投資していた場合、その平均買いコストは15,625円で、投資元本35万円に対して2024年8月5日終値31,458.42円で評価すると704,674円と倍以上の投資成果となっています。7月11日の史上最高値42,224.02円で評価すると945,825円です。
これだけ長期間高値を更新できなかった日経平均でも、つみたて投資を続けることで結果的には大きなリターンに繋げることが可能なのがつみたて投資の魅力です。
こちらの記事も合わせてご参照ください。
不透明な要因がそれほど多くない暴落
ここからはマーケットの見通しについてお話しさせていただきます。
あくまで私見ですので参考までにしていただき、ご自身でよくお考えいただいた上でご判断ください。
今回の暴落は過去のものと比べても、とても分かりやすい理由があり、先行き不透明な要因がそれほど多くないと考えます。
下落理由は大きく分けて4点
・ここ1~2年だけでも株式市場は大きく上昇していた
・米国景気が予想以上に悪化してしまった
・円高ドル安が一気に進展してしまった
・売りが売りを呼ぶ展開
想定外と言えそうなのは米景気の悪化と下落率の大きさくらいで、大きく上昇していただけにある程度の調整局面は充分考えられましたし、日米金利差縮小から来る為替相場の反転は当然のことでした。
例えば、新型コロナウイルスによる経済の停滞や株価の下落は、かつて経験したことがほぼないようなものであり、この先どうなるのか想定できないものだったと思います。湾岸戦争やアメリカ同時多発テロといった不測の事態も、先行きが見通せない状態でした。
しかし、今回の暴落はこの先、米国が金利を下げ景気テコ入れしていくであろうことが分かりますし、円高ドル安の企業業績への影響は徐々に織り込まれていくはずです。下落理由4点はいずれ株価への影響は縮小していくことが考えられます。
また、これまでマーケットを牽引してきた半導体関連株は、実体を伴った業績好調による株価上昇であり、今後も生成AI(人工知能)など半導体需要は堅調に推移する見込みです。「買われすぎ」が解消すれば、再度上昇に転じる可能性は充分あると思います。
ここからの対処法
ここからの対応は、やはり投資方針によって変わります。
上記のようにつみたて投資であれば、基本的にはこれまで通り変わらずつみたてを続けていくのが良いと思います。
ただ、ファンドや銘柄の入れ替えは検討しても良いと思いますので、こちらの記事をご参照ください。
積極的にリバウンドを狙っていくのであれば、下げの大きい半導体関連株などを押し目買いの好機と見て買い下がっていく(株価が下がっている時に株式を買い増ししていく)のも一つです。
これだけ大きく下落すると高配当株の下値抵抗力や利回りの良さも大きな魅力です。
円高メリット株はこれから継続的に注目される可能性があります。
引き続き下落も想定して積極的に短期売買やリスクヘッジを考えているのならばCFD(差金決済取引)を利活用する手もあります。
CFD活用術③日本時間深夜に発表の米国重要経済指標にチャンス
しばらく金(ゴールド)などに資金を移して様子を見たいという考え方もあります。
もちろん、一旦売却して次のチャンスに備えるという考え方もあるでしょう。当面、マーケットは乱高下が続くと思いますが、他にも多くの銘柄やファンドに様々なチャンスがあると思います。ご自身の投資方針に基づいて対処していただければと思います。
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記事作成日:2024年8月5日