「保険に入るべきなのかな…」と迷うことはありませんか?
いったい、どのように考えたらよいのでしょうか。
考え方の4つのポイントについて、お伝えしましょう。
1.保険が必要な状況は人それぞれ
保険に入るかどうか迷ったときに、「みんなも入っているから」「たくさん入ったほうが安心だから」と考えることはありませんか?
これは、間違いです。
「保険」は、何か困ったことが起きたときに備えるもの。その困る状況は、個人によって異なるため、周りの人と同じとは限らないのです。
「自分の場合はどうかな」「うちの家族はどうかな」と、自分のケースについて考えたうえで検討する必要があります。
2.万一の時に「困る人がいるか」を考える
まず、亡くなった際に保険金が出る「死亡保険」について考えてみましょう。
死亡保険が必要かどうかのポイントは、「自分が万一亡くなった場合に、困る人がいるか」です。
例えば、子どもが生まれたばかりであれば、今後の生活費や教育費などのお金がかかりますので、必要性は高くなります。
でも、その際に貯蓄がたくさんあったり、パートナーの収入でまかなえたりするほか、死亡退職金や遺族年金などで足りるようであれば、保険の必要性は下がります。
一方で、独身の方や、子どもが独立して生活費も教育費もかからない方の場合、万一のときにお金を残す必要がなければ保険は不要になります。
「万一のときに、誰か困る人がいるかな?」「そのときにお金は足りるかな?」と考えてみましょう。
3.医療保険は「高額療養費制度」もチェック
「医療保険」は、病気やケガをしたときに、手術や入院、通院などに応じて給付金が出る保険です。
ただし、頭に入れておきたいことは、日本では健康保険の「高額療養費制度」という素晴しいサポートがあること。一般的な収入の方なら、多額の医療費がかかっても1カ月あたり9万円ほどの自己負担額で済みます。
よって、数十万円の貯蓄があれば、医療費はある程度まかなえるでしょう。
でも、入院で個室に入りたい場合は大きなお金が必要ですし、そもそも貯蓄が全くない方は、医療保険を検討したほうがよいかもしれません。
また、「いざというときの安心感が欲しい」という方は、検討してもよいでしょう。
ただし、毎月の保険料がかさみすぎないように要注意。掛け捨てで、特約があまりないシンプルな保障のタイプを選んで、月々の保険料負担を抑えるのが望ましいと思います。
4.「貯蓄」や「投資」で備える手も
何かあったときは、「保険」だけでなく、「貯蓄」も大きな助けとなります。
保険からお金を受け取る場合は、病気やケガ、死亡など、一定の条件に当てはまる必要がありますが、貯蓄であれば、いつでも、どんなものにも使えるからです。
ただし、若いうちは、保険に入りすぎると、月々に使えるお金が減り、貯蓄にまわせなくなったり、お金を使ったさまざまな経験を得られなくなったりすることに要注意。
日々のムダな支出を減らして預貯金を増やしていくと同時に、余裕資金を投資にまわして資産を増やしていくことも、さまざまなリスクヘッジになりますよ。
預貯金、保険、投資など、さまざまな方法の「合わせ技」で検討しましょう。
記事作成日:2024年1月5日
ファイナンシャルプランナー
西山美紀
出版社勤務後、2005年に独立し、FP資格を取得。生き方、マネーなどをテーマに、単に貯蓄額を増やすのではなく、日々にうるおいをもたらすお金の使い方・貯め方・増やし方を女性誌やWEBで発信。監修・講演等も。著書に『お金の増やし方』(主婦の友社)等。