今年も年末が近づいてきました。
会社員の方は、「年末調整」の季節がやってきます。
その時に備えて、ぜひ大切にとっておきたい「書類」があるのです。
いずれも10〜11月ごろに手元に届くものばかり。
ふいに勤務先から「年末調整を…」と言われて慌てることのないようにチェックしましょう!
年末調整で使う3つの書類とは?
しっかりチェックしたいのが、こちらの3つの書類です。
1.「保険関係」の書類
個人で加入している保険はありますか?
生命保険や医療保険、地震保険、個人年金保険などに加入していれば、そろそろ書類(保険料控除証明書)が届くころです。年末調整に必要なので、まとめて保管しておきましょう。
2.「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の書類
よく忘れがちなのが、iDeCoです。所得控除といって、税金が軽くなる恩恵を受けるためには、年末調整(または確定申告)が必要です。その手続きで使用する書類が「小規模企業共済等払込証明書」です。
特に最近iDeCoを始めた人は、忘れないようにしましょう。
3.「住宅ローン」の書類
住宅ローン控除を受けている人は、初年度は確定申告をする必要がありますが、2年目以降は、勤務先の年末調整で申告することができます。
特に住宅ローン控除の2年目の人は、うっかり忘れがちです。金融機関から送られてくる書類(住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書)をしっかり保管しておきましょう。
もし書類を紛失したら、どうすればいい?
いずれの書類も、クリアファイルなどにまとめておくことをおすすめします。
ただし、はがきや封書で届くので、「よくわからず、処分してしまった!」というケースもあるでしょう。また「保管しているはずだけど見つからない」という場合もあります。
でも、大丈夫。基本的には再発行が可能です。急いで再発行の手続きをしましょう。
年末調整に間に合わなかったら?
再発行には時間がかかるため、勤務先の年末調整には間に合わないかもしれません。
その場合は、「確定申告」をすればOK。手続き期間は毎年2月16日〜3月15日です。2023年分は、2024年2月16日〜3月15日の間に確定申告をしましょう。
税務署に行かなくても、国税庁のホームページから自宅にいながら申告手続きができます。印刷して郵送することも可能です。
ふるさと納税「ワンストップ特例制度」利用者は要注意!
ただし、ふるさと納税で「ワンストップ特例制度」(確定申告をせずに、自治体との書類のやりとりで完結する方法)を選んだ人は要注意です。
ワンストップ特例制度は、“確定申告をしない人向け”です。もし確定申告をすることになったら、ワンストップ特例制度の情報が消えてしまいますので、確定申告でふるさと納税についても必ず申告しましょう。
今回は、年末調整に向けて書類の準備についてお伝えしました。会社員の方が毎年行う年末調整、いざというときにバタバタしないように備えておきたいですね。
記事作成日:2023年10月13日
ファイナンシャルプランナー
西山美紀
出版社勤務後、2005年に独立し、FP資格を取得。生き方、マネーなどをテーマに、単に貯蓄額を増やすのではなく、日々にうるおいをもたらすお金の使い方・貯め方・増やし方を女性誌やWEBで発信。監修・講演等も。著書に『お金の増やし方』(主婦の友社)等。