外国人観光客がハマる日本の魅力
2024年8月の訪⽇外客数は300万人弱で、7か月連続で同月の過去最高を記録するなどコロナ禍前と比べても、日本を訪れる外国人観光客が増加しています。
外国人観光客というと「爆買い」というイメージがあるかもしれませんが、最近は日本の文化や娯楽を楽しみたいと考えている人が増えているようで、テーマパークや美術館などを巡ったり、日本食を味わったりといった「コト消費」が人気を集めています。
そこで今回は、外国人観光客がハマっている「コト消費」に関連する日本株3銘柄をご紹介します。
オリエンタルランド<4661>
企業紹介
世界有数の入園者数を誇る東京ディズニーランド、東京ディズニーシーを運営。ホテルや商業施設を含めたリゾートを展開。
注目ポイント
国内の熱狂的なディズニーファンはもちろん、パークを訪れる外国人観光客の増加に加え、パーク内の宿泊施設の利用が増加したことなどもあって業績は拡大が続いています。
また、新たな事業として、国内でディズニークルーズを展開することが決まっていて、2028年度の就航を目指しています。
東京ディズニーリゾートにおける来園者の内、コロナ禍前2019年の海外来園者の比率は10%だったのが、2023年は12.7%と大きく増加しています。訪日客の「コト消費」の代表格と言えるでしょう。
株主優待の内容は、「東京ディズニーランド」または「東京ディズニーシー」どちらかのパークで利用可能な1デーパスポートの配布です。3月と9月を基準に、500株以上を保有している株主には3月に1枚、2,000株以上を保有している株主には3月と9月に各1枚というように、保有株数に応じて受け取れます。さらに、長期保有の株主は毎年追加で受け取れます。
好調な業績を受けて近年の配当金は増配傾向となっています。今期の配当金は14円、予想配当利回りは0.37%です(2024/09/25現在)。
株価動向
株価は1月17日高値5,765円から8月5日安値3,536円へ下落、その後8月22日高値4,126円まで戻した後は、ジリ安が続き9月25日安値3,772円まで下落しています。
西武ホールディングス<9024>
企業紹介
東京都と埼玉県における私鉄大手。日本最大級のホテルチェーンであるプリンスホテルや、ゴルフ場やスキー場、西武ライオンズ、西武ゆうえんち、横浜・八景島シーパラダイス、横浜アリーナ、観光バスやタクシーなどを手掛ける国内トップクラスのレジャー企業。
注目ポイント
インバウンド観光客の増加で、売上構成比で約46%を占めるホテルレジャー事業も、30%を占める都市交通/沿線事業も好調で、「コト消費」の恩恵を幅広く受けています。
2024年4-6月期の国内ホテル業の外国人客比率は35.6%で前年同期の28.6%から増加しています。上記のように幅広くレジャーや交通事業を行っている上に、新規ホテルの開業や新規プロジェクトも相次ぐことから、さらなるインバウンド需要の獲得も期待されます。
株主優待の内容は、100株以上の株主に保有株数に応じて、西武線・西武バス全線の切符がもらえたり、西武ライオンズの観戦チケットやレストラン、ゴルフ場、スキー場などの割引券などがもらえます。
好調な業績を反映し、配当金は前期から5円増配し30円の予定で、予想配当利回りは0.94%です(2024/09/25現在)。
株価動向
株価は2023年10月5日安値1,361円から今年9月18日高値3,855円まで上昇、その後は利食い売りに押され9月24日安値3,108円まで下落しました。
キッコーマン<2801>
企業紹介
しょうゆのシェアがトップクラスで、酒類、食品の製造販売も展開。「デルモンテ」のアジア・オセアニア地域の商標権を所有。
注目ポイント
日本を訪れる外国人に人気の日本食は、寿司やラーメン、天ぷら、すき焼きなど、しょうゆや出汁などの日本ならではの調味料が使われているものばかりです。
国内での売上も順調ですが、日本で体験した日本食を帰国後にも味わいたいということで、日本食レストランや家庭での利用も含めて、海外事業の売上も好調となっています。
株主優待は3月を基準に、半年以上継続保有した株主に、保有株数に応じた自社グループ商品が受け取れます。2025年3月からは、100株以上を保有している株主は1,000円相当、500株以上は2,000円相当、5,000株以上は4,000円相当などとなっています。
好調な業績を受けて近年の配当金は増配傾向となっています。今期の配当金は21円、予想配当利回りは1.26%です(2024/09/25現在)。
株価動向
株価は3月28日高値2,014円から8月5日安値1,400.5円まで下落、その後8月19日高値1,775円まで戻した後は、おおよそ1,550~1,700円程度でのもみ合いとなっています。
記事作成日:2024年9月25日
ファイナンシャルプランナー
横山利香
短大卒業後、金融専門出版社やビジネス書出版社で雑誌の記者、書籍の編集者を経て、ファイナンシャルプランナー、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)として独立。株式や不動産、外貨、投資信託など、資産運用をテーマとした執筆や講演活動、投資塾などを行う。株式や不動産への投資を中心に、為替などさまざまな金融商品への投資を行う。大学生の子どもがいる。