物価高でも食費は必ずかかる
物価が上昇していて、いろいろなモノの値段が高くなっていますので、少しでも節約をしようと考える方もいらっしゃるでしょう。旅行や洋服といった趣味に関連する支出を削って節約することは比較的簡単かもしれませんが、生活する上で欠かせない食費を削って節約することは難しいかもしれません。
食費は必ずかかるものだからこそ、楽しく好きな物を買い物して節約したいもの。私たちが普段から利用している飲食料品には、米国で誕生した物やサービスが数多くあります。
そこで今回は、私たちの日常生活に馴染みがある、米国の飲食関連株を3銘柄見ていきましょう。
コストコ・ホールセール<COST>
企業紹介
会員制倉庫型店舗やオンラインのスーパーとして、ナショナルブランドやプライベートブランド等の選ばれた商品を低価格で米国内外で提供。
注目ポイント
「COSTCO(コストコ)」は従来からあるスーパーマーケット等の陳列とは異なり、店舗内は倉庫のような陳列となっていて、オリジナリティ溢れる様々な品物を、大容量かつ低価格で販売している点が日本国内でも人気を集めています。
日本のみならず世界各国で、物価は上昇後も高止まりが続いていることもあって、生活必需品などの低価格販売が支持される傾向にあります。同社は売上高の伸びが鈍化している点は気掛かりではあるものの、2023年度第2四半期(12-2月)の純利益は前年同期比19%増と好調な業績が継続しています。
株価動向
株価は長期的な上昇基調が続いています。2023年度第2四半期決算では売上高が事前予想を下回ったことで材料出尽くしになって調整しましたが、株式市場の好調な地合いから再び上昇に転じています。足元は好調な業績へ期待が高まり、5月には約816.87ドルの史上最高値をつけるほどの上昇となっています。
コカ・コーラ<KO>
企業紹介
「Coca-Cola」ブランドをはじめ、炭酸飲料や水、お茶等の非炭酸飲料といった様々な飲食料品を展開。
注目ポイント
米国の著名投資家のウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ社<BRKB>がコカ・コーラ社の大株主であること、そして今でもコカ・コーラを飲んでいることはあまりにも有名な話です。コカ・コーラは世界中で親しまれているほか、飲食料品は生きていく上でも欠かせない物であることから、業績は物価上昇や景気低迷の影響を比較的受けにくいディフェンシブ銘柄の一つだと言えるでしょう。
さらに、株主還元策の一つとして同社は配当金を実施しています。62年連続で配当金を増やしており、代表的な連続増配銘柄の一つです。
株価動向
株価は2022年から60ドルを挟んでもみ合う動きが続いています。足元では為替によって業績が伸び悩むことへの懸念等が高まっているからか、2024年もレンジの範囲内での動きとなっています。
マクドナルド<MCD>
企業紹介
世界各国で絶大な人気を誇るファーストフード店「マクドナルド」のチェーン店を世界中で展開。
注目ポイント
「マクドナルド」はどこでも同じようなメニューを提供しているため、世界中で人気があります。物価上昇に合わせてメニューの値上げを行ったことで客足が遠のき、世界的に業績の伸びが鈍化している点は気掛かりですが、手頃な価格設定のメニューを投入するなど販売のてこ入れを行っています。
株主還元策の一つとして同社は配当金を実施しています。49年連続で配当金を増やしている代表的な連続増配銘柄です。ファーストフードという業態や常に一定の人気があることから、ディフェンシブ銘柄の一つだと言えるでしょう。
株価動向
株価は2023年10月の245.73ドルから2024年1月の302.39ドルまで上昇しました。その後は業績の伸びが鈍化していることが嫌気されたようで、5月には252.65ドルまで下落しているものの、長期的には上昇が続いています。
記事作成日:2024年5月29日
ファイナンシャルプランナー
横山利香
短大卒業後、金融専門出版社やビジネス書出版社で雑誌の記者、書籍の編集者を経て、ファイナンシャルプランナー、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)として独立。株式や不動産、外貨、投資信託など、資産運用をテーマとした執筆や講演活動、投資塾などを行う。株式や不動産への投資を中心に、為替などさまざまな金融商品への投資を行う。大学生の子どもがいる。