この記事でわかること
・バリュー株(割安株)への投資が得意なバフェット氏
・バークシャー・ハサウェイ社は日本の大手総合商社5社に投資している
・5社の株価は上昇しているが、配当利回りから見るといまだ魅力的
いまだ割安に放置されている日本の商社株
割安に放置されている日本の商社株
米国のバークシャー・ハサウェイ社(BRKB)が、日本の大手総合商社株に積極的に投資しています。バークシャー・ハサウェイは、米国の著名投資家であるウォーレン・バフェット氏が率いる投資ファンド。その投資先や運用手法は世界中の投資家から注目されています。
ハサウェイ社による日本の大手総合商社への投資が明らかになったのは2020年8月でした。そして、2022年11月には、それらの株をさらに買い増していることが判明したのです。
バフェット氏が得意とするのがバリュー株(割安株)への投資です。バリュー株とは、企業価値に比べて、株価が割安に放置されている銘柄を指します。簡単に言うと、会社の実力を投資家が過小評価している銘柄とも言えます。会社の実力が適正に判断されるようになれば、株価の水準も適正な価格へと上昇が見込めるというわけです。
住友商事の配当利回りは定期預金の2,500倍!
住友商事の配当利回りは定期預金の2,500倍!
買い増しが明らかになってから、投資対象となっている5銘柄の株価はそろって上昇していますが、配当利回りを見ると、ほかの上場銘柄と比較してもいまだ魅力的です。2022年11月29日現在、5社すべてが配当利回り3%以上で、中には住友商事のように5%を超えている銘柄もあります。
配当利回りとは、その銘柄を保有することでもらえる配当金を年利回りに換算したものです。たとえば、住友商事であれば、株価2,260円に対して1年間の配当金は115円(2022年11月29日現在)。配当利回りに換算すると、約5.1%(115円÷2,260円)となります。メガバンクの定期預金に預けても、利率は0.002%の超低金利時代ですので、その魅力は理解していただけるのではないでしょうか。
ハサウェイ社は、たくさんの米国企業へも投資しています。なかでも、アップル(AAPL)やバンク・オブ・アメリカ(BAC)には多額の資金を投資しています。ハサウェイ社が投資している米国株は多くのメディアでも記事になっており、インターネットでも閲覧することができます。それらを真似てみるのも投資妙味がありそうですし、さまざまな視点から自分なりのバリュー株を発掘できれば、投資のスキルもステップアップできそうです。
三菱商事 | 8058
日本の大手総合商社で売り上げトップ。23年3月期は、市況の追い風をとらえた金属資源、天然ガスに加え、自動車・モビリティ、電力ソリューション、総合素材などの分野で増益を見込んでいる。11月下旬現在、株価は2022年の高値圏で推移、配当利回りは3%台。
伊藤忠商事 | 8001
大手総合商社で売り上げ2位。23年3月期の中間期決算では通期の業績見通しを上方修正した。ただ、会社側は「引き続き、保守的な経営環境見通しを継続する必要がある」としており、さらなる業績の上振れ期待も。株価は11月に2022年の最高値を更新、配当利回りは3%台。
住友商事 | 8053
日本の総合商社の中では売り上げ6位。23年3月期の中間決算では、当期利益の通期見通しを従来の3,700億円から5,500億円に上方修正した。これを受けて、株価は11月24日に年初来高値を更新した。にもかかわらず配当利回りは5%台と高く、いまだに割安感がある。
アップル | AAPL
iPhoneに代表される米国の大手IT機器メーカー。22年10月に発表した第4四半期決算では、同期間(7〜9月期)としては過去最高となる売り上げを記録。ただ、7〜9月期ではiPhoneの売り上げは市場予想を下回る一方、ノートパソコンが好調に推移している。
バンク・オブ・アメリカ | BAC
世界最大級の金融機関。22年10月に発表した第3四半期決算は9%の減益となったものの、米国の利上げによる金利収入の増加が明かになった。2022年1月の高値には届かないが、足元では株価の巻き返し傾向が顕著となっている。
記事作成日:2022年12月1日