国内では物価の上昇によって支出が増える一方、低金利の状況が続き、お金が増えないと感じている人も多いことでしょう。収入を増やしたいと考えている人にオススメしたいのが、高配当株ファンドです。高配当株ファンドは定期的に分配金を支払っているため、自分が働かなくても収入を増やすことができるようになります。
そこで今回は、「NISA(少額投資非課税制度)で買いたい高配当株ファンド」を買う前に知っておきたい基本と、参考ファンドをご紹介します。
そもそも配当金とは
そもそも配当金とは、企業が株主へ利益を還元する方法の一つです。配当金をどれだけ支払うかは、企業の業績や経営方針で決まります。業績が好調な企業は株主に配当金を定期的に支払ったり、配当金を増やしたり(増配)します。一方で、業績が低迷した企業は配当金を減らしたり(減配)、配当金の支払いをやめる(無配)企業もあります。
また、配当金額と株価は、企業によっても異なりますし、日々変動して比較することが難しいです。投資金額に対して配当金が多いか少ないかは、株価に対する配当金の割合である、配当利回りで比較することができます。
高配当株ファンドの魅力
配当金などの利益は、株を直接買わなくても高配当株ファンドを通じて受け取ることもできます。投資信託なら初心者でも買いやすいので、どんな魅力があるのか見てみましょう。
①運用益を分配金として受け取れる
配当金を支払っている企業は世界中に数多くあります。中でも、たくさん配当金を支払う企業の株式のことを高配当株と呼んでいて、投資家から人気を集めています。
高配当株ファンドは、このように配当金をたくさん払っていたり、毎年増配したりする企業を見極めて投資し、分配金として運用益または元本の一部を受け取れるものもあります。
②自動的に高配当株に投資できる
配当金は企業の業績によって、増えることもあれば減ることもあります。配当金を支払っている多くの企業の中から、高配当をこれからも維持できる企業なのか、それとも配当金が減ってしまう可能性がある企業なのかを、自分で見極めることは難しいと考える人もいることでしょう。
その点、高配当株ファンドでは、配当金を支払っている企業の中から配当動向や企業業績を見極めて、高配当を維持できそうな企業を選び、かつ銘柄も入れ替えしながら投資を行っています。自分で様々な企業を調べる手間をかけずに自動的に高配当株に投資できるのが高配当株ファンドのメリットでしょう。
③分配金を受け取るか再投資するか選べる
投資信託の分配金は、受け取るか再投資に回すかを選べます。分配金を定期的に受け取った場合には、それを自由に使うことができます。
一方、再投資に回す場合は、投資金額に上乗せされることになりますので、投資元本が増えます。投資元本が増えて運用残高が大きくなっていけば、さらに大きなリターンを狙うこともできるでしょう。
NISAなら分配金にも税金がかからない!
通常は分配金も課税の対象となり、20.315%が源泉徴収されます。
しかし、NISAを活用して高配当株ファンドを購入すると、なんと分配金にも税金がかからないのです。分配金が1万円だった場合、税金でおよそ2,000円がかかりますが、NISAであれば1万円まるまるを受け取ることができるのでオトクです。高配当株ファンドを購入するならNISAを利用したいですね。
PayPay証券でもNISAで投資できる高配当株ファンドをご用意しているので、参考として3本の投資信託をご紹介します。
米国株式配当貴族 (年4回決算型)
騰落率
1ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | 3年 | 設定来 |
4.5% | 4.7% | 20.8% | 77.6% | 109.8% |
※データは2024年1月31日時点
S&P500構成銘柄のうち、配当(増配)重視で銘柄を絞った投資ができるファンドです。米国企業は株主還元意識が高いので、今後の増配にも期待できます。
フィデリティ・日本配当成長株・ファンド(分配重視型)
騰落率
1ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | 3年 | 設定来 |
7.8% | 11.7% | 37.0% | 69.8% | 170.2% |
※データは2024年1月31日時点
大手資産運用会社フィデリティ投信の調査力を活かしたファンドです。為替リスクがなく、今後の配当成長(増配)を期待できる国内大手企業に投資できるのがポイントです。
みずほ好配当日本株オープン
騰落率
1ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | 3年 | 設定来 |
6.2% | 14.2% | 33.7% | 81.3% | 250.3% |
※データは2024年1月31日時点
投資対象の配当利回りに加え、割安性にも着目しているファンドです。東証のPBR改善要請は今後も続く予定ですので、長期的に割安銘柄の株価上昇メリットを受けられるかもしれません。
記事作成日:2024年2月14日
ファイナンシャルプランナー
横山利香 短大卒業後、金融専門出版社やビジネス書出版社で雑誌の記者、書籍の編集者を経て、ファイナンシャルプランナー、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)として独立。株式や不動産、外貨、投資信託など、資産運用をテーマとした執筆や講演活動、投資塾などを行う。株式や不動産への投資を中心に、為替などさまざまな金融商品への投資を行う。大学生の子どもがいる。