「もしバフェットなら?」長期保有で注目したい日本株10選

💡この記事のポイント

✅バフェット流で重視されるのは、長期的な競争力や高い収益力、経営の質など

✅バークシャーは日本の5大商社への投資を続け、東京海上HDとも戦略的に連携

✅「もしバフェットなら?」の視点で注目したい日本株をご紹介

🔎登場する主な銘柄

✅伊藤忠商事、東京海上ホールディングス、キーエンス、KDDI、花王

 

目次

バフェット氏の投資哲学

日本では商社などへ投資

足元の相場と「もしバフェットなら?」

伊藤忠商事<8001>

三菱商事<8058>

三井物産<8031>

東京海上ホールディングス<8766>

味の素<2802>

花王<4452>

オービック<4684>

キーエンス<6861>

KDDI<9433>

セコム<9735>

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「もしバフェットなら?」長期保有で注目したい日本株10選

著名投資家のウォーレン・バフェット氏が2026年9月、長年務めたバークシャー・ハサウェイ<BRK.B>の会長を退き、名誉会長に就任しました。第一線からは離れましたが、「どんな会社を長期で保有するのか」というバフェット氏の投資哲学は、今後も多くの投資家に影響を与えそうです。

 

 

バフェット氏の投資哲学

バフェット氏は過去の株主への手紙で、投資対象について

👉理解できる事業

👉良好な長期見通し

👉有能で信頼できる経営陣

👉魅力的な価格

といった考え方を示してきました。短期的な株価の上げ下げを予想するよりも、会社そのものの価値を見るという考え方です。

 

最近では、バフェット流の長期投資を参考に、長期保有する企業を選ぶ際に、

👉景気変動に強い

👉技術革新などによる破壊的な変化に負けにくい

👉優れた経営体制を持つ

といった条件も改めて注目されています。

 

 

日本では商社などへ投資

日本株でバフェット氏といえば、まず思い浮かぶのが総合商社でしょう。

 

バークシャーは、伊藤忠商事<8001>、丸紅<8002>、三菱商事<8058>、三井物産<8031>、住友商事<8053>の5大商社への投資を続けています。

 

さらに2026年3月には、東京海上ホールディングス<8766>とも資本関係を含む戦略的な提携に踏み込みました。東京海上HDは、同社とバークシャーには『長期視点』『分権型の経営』『資本規律』といった共通の価値観があると説明しています。

 

 

足元の相場と「もしバフェットなら?」

足元では短期的な材料も相場を動かしています。

 

米半導体メモリー大手のマイクロン・テクノロジー<MU>は9月30日に決算を発表し、2026年9-11月期の売上高を前年同期比4.5倍の615億ドル前後と予想しました。AI向けを中心にメモリー需要の強さが続くとの期待があり、日本でも半導体関連株への関心が高まっています。

 

為替市場では、円相場も一時の円高局面から戻っており、10月1日午前には一時1ドル=158円台となりました。

 

こうした決算やAI、為替などのニュースは株価を短期的に動かします。一方、バフェット流で考えるなら、「明日上がりそうな会社」よりも「10年後にも稼いでいそうな会社」という見方も大切になりそうです。

 

そこで今回は、「もしバフェットなら?」をテーマに、実際に出資している企業に加え、「長期的な競争優位」「収益力」「ブランド力」「継続的に収益を得やすいビジネス」など、バフェット氏が重視してきた考え方との共通点がありそうな日本株をご紹介します。

 

 

伊藤忠商事<8001>

総合商社の大手で、食料、住生活、情報・金融など幅広い分野に事業を展開しています。バークシャーが長期投資する5大商社の1社です。

 

伊藤忠商事は、資源だけではなく、食品や衣料、生活関連といった消費者に近い「非資源分野」に強みを持っています。景気や資源価格だけに収益を依存しにくい点が特徴です。

 

2026年3月期前期の連結純利益は9,003億円、ROE(自己資本利益率)は15%でした。2027年3月期今期は連結純利益9,500億円を計画しています。ROEは、株主から預かった資本を使って、どれだけ効率的に利益を生み出したかを見る指標です。

 

低効率な資産を入れ替えながら、より高い収益が期待できる事業へ資金を振り向ける姿勢も、資本の使い方を重視するバフェット流との共通点がありそうです。

 

 

三菱商事<8058>

エネルギー、金属資源、食品、モビリティ、電力など、多くの事業を世界で展開する総合商社です。こちらもバークシャーが長期保有する5大商社の1社です。

 

三菱商事の特徴は、ひとつの事業だけではなく、多数の事業から利益やキャッシュを生み出していることです。ある事業環境が悪化しても、別の事業が補うことが期待できます。

 

総合商社は資源価格などによって業績が変動するため、毎年安定して利益が伸びるわけではありません。一方、さまざまな事業から得た資金をどこへ再投資するのかという「資本配分」が重要です。

 

会社のお金をどこに振り向けるかという視点は、バフェット流で企業を見る際の重要なポイントになりそうです。

 

 

三井物産<8031>

金属資源、エネルギー、モビリティ、化学品、生活産業など、世界各地で幅広い事業を展開しています。三井物産もバークシャーが投資する5大商社の1社です。

 

2026年3月期前期の当期利益は8,340億円、基礎営業キャッシュ・フローは9,789億円でした。キャッシュ・フローとは、会社の事業活動などによる現金の出入りを表すものです。

 

バフェット氏は、単純な会計上の利益だけではなく、事業が長期間にわたって現金を生み出せるかを重視してきました。資源などから大きなキャッシュを生み、その資金を新たな成長投資や株主還元へ振り向けられるかが、三井物産を見るポイントのひとつとなりそうです。

 

 

東京海上ホールディングス<8766>

国内最大級の損害保険グループで、日本だけでなく海外でも保険事業を展開しています。

 

2026年3月には、バークシャー・ハサウェイグループとの戦略的提携を発表しました。提携は、バークシャーによる東京海上HDへの出資、再保険での協働、M&Aなどでの戦略的連携という3つが柱です。当初の株式取得比率は約2.5%とされています。

 

保険はバークシャー自身にとっても重要な事業です。保険料として集めた資金を運用できることに加え、長期間にわたり適切な価格でリスクを引き受ける経営力が問われます。実際にバークシャーが新たな日本企業との関係を深めたという意味でも、注目されそうです。

 

 

味の素<2802>

調味料や加工食品で知られる食品大手です。現在は食品だけではなく、アミノ酸技術を活用したヘルスケアや電子材料などにも事業を広げています。

 

食品事業では、長い年月をかけて築いたブランドや販売網を持っています。「味の素」のように消費者から認知され、繰り返し購入される商品を持つことは、長期的な競争力につながります。

 

さらに、半導体などに使われる電子材料も手がけています。

「強い消費者ブランド」と「高付加価値のBtoB事業」という2つの顔を持っている点も、長期的な成長を考えるうえで興味深いところです。

 

 

花王<4452>

洗剤、衛生用品、化粧品など、日常生活で使われる商品を幅広く展開する企業です。「アタック」「ハミング」「キュレル」など、多くの消費者向けブランドを持っています。

 

日用品は景気が悪化したからといって、まったく買わなくなる商品ではありません。また、気に入った商品を繰り返し購入する消費者も多いため、ブランドへの信頼が競争力につながりやすい分野です。

 

バフェット氏が過去に投資してきた企業には、コカ・コーラ<KO>など長年にわたり消費者に選ばれ続けるブランドを持つ会社も多くあります。

 

花王についても、景気に左右されにくい生活必需品、高いブランド認知度、繰り返し購入される商品という点は、バフェット流の企業を見る視点と共通するところがありそうです。

 

 

オービック<4684>

企業向けの基幹業務システムなどを手がけるIT企業です。会計、人事、販売管理など、企業活動に欠かせないシステムを提供しています。

 

一度導入した基幹システムは業務に深く組み込まれるため、別の会社の商品へ簡単に乗り換えにくい傾向があります。顧客との取引が長期化しやすい点は、事業の安定性につながりそうです。

 

2026年3月期前期の売上高は1,352億円、営業利益は888億円でした。大規模な工場などを必要とせず、高い利益率を維持できるビジネスモデルは、「多額の追加資本を必要とせず利益を生み出せる企業」というバフェット流の考え方と重なる部分がありそうです。

 

 

キーエンス<6861>

工場で使われるセンサーや測定機器、画像処理機器などを手がけています。製造業の自動化や省人化を支える企業で、顧客の生産性向上につながる高付加価値な製品を販売していることが特徴です。

 

2026年3月期前期の営業利益率は51%でした。2026年4-6月期も売上高3,466億円、営業利益1,871億円となっています。売上高の半分程度が営業利益として残る非常に高い収益性は、同社の競争力を示すポイントのひとつといえそうです。

 

バフェット氏は、高い収益性を長期間維持できる会社を重視してきました。ただし、どれだけ優れた会社であっても、株価が企業価値に比べて高すぎないかを見ることも重要になりそうです。

 

 

KDDI<9433>

「au」ブランドなどで知られる大手通信会社です。通信サービスは、毎月利用料金を受け取る継続課金型のビジネスです。スマートフォンやインターネットは生活インフラとなっており、景気が悪化しても利用を突然やめにくいサービスでもあります。

 

こうした収益の継続性は、長期投資を考えるうえでのポイントになりそうです。また、モバイル通信収入に加え、金融やデータセンターなどの成長分野も業績を支えています。

 

バフェット氏は「将来の利益を比較的想像しやすい事業」を好んできました。通信という生活に欠かせないサービスを基盤に、周辺分野へ事業を広げているKDDIも、そうした視点で見てみると興味深い企業です。

 

 

セコム<9735>

ホームセキュリティや法人向け警備サービスなどを手がける大手企業です。特徴のひとつが、契約者から毎月など継続的に料金を受け取るストック型のビジネスです。商品を1回販売して終わるのではなく、契約が続くことで収益が積み上がりやすくなります。

 

警備サービスでは「安心」や「信頼」が重要になるため、長年築いてきたブランドや全国のサービス網も競争力につながっていると考えられます。

 

「10年後も必要とされているサービスか」という視点では、バフェット流との共通点を考えやすい企業といえそうです。

 

 

初心者の方へ

今回の10社を見てみると、「バフェット流」は単純に株価が安い企業を探す投資法ではないことがわかります。

 

✅事業が理解しやすいか。

✅10年後にも商品やサービスへの需要がありそうか。

✅他社が簡単にはまねできない競争力を持っているか。

✅稼いだお金を経営陣が有効に使っているか。

✅優れた企業であっても、その価値に対して株価が高すぎないか。

 

バフェット氏は過去の株主への手紙で、

👉10年間保有するつもりがない株を、10分間だけ保有することも考えるべきではない

という趣旨の考えを示しています。

 

日々のニュースや株価を追うだけでなく、「この会社を10年間持つとしたらどうだろう?」と考えてみることも、銘柄選びのひとつの方法となりそうです。

 

なお、キーエンス、オービック、味の素、セコム、KDDI、花王について、バークシャー・ハサウェイが投資している、または投資を検討しているというものではありません。

 

 

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記事作成日:2026年10月1日