AI投資や防衛など、決算で明暗分かれる日米株10選

💡この記事のポイント

✅AI投資では、収益化の進展や投資回収の見通しが重視される局面に

✅好決算でも、事前の期待や今後の見通しによって株価の反応が分かれる展開

✅防衛需要や受注拡大など、業績の先行きが見えやすい分野には買いも

🔎登場する主な銘柄

アルファベットテスラインテルロッキード・マーチンディスコ

 

目次

アルファベット<GOOGL>

テスラ<TSLA>

インテル<INTC>

テキサス・インスツルメンツ<TXN>

サービスナウ<NOW>

ロッキード・マーチン<LMT>

アールティーエックス<RTX>

アメリカン・エアラインズ・グループ<AAL>

ディスコ<6146>

中外製薬<4519>

AI投資や防衛など、決算で明暗分かれる日米株10選

2026年4-6月期の決算発表が本格化しています。米国の株式市場では、決算内容を受けて、銘柄ごとに明暗が分かれる展開となっています。

 

特に注目されているのが、巨大IT企業によるAIへの大型投資です。AIの成長には期待が集まる一方で、「投資額が大きすぎるのではないか」「使ったお金を本当に回収できるのか」といった「AI過剰投資」を懸念する見方も広がっているようです。

 

2026年7月23日の米国株式市場では、ナスダック総合指数が前日比-2.15%下落しました。決算を発表したアルファベット<GOOGL>とテスラ<TSLA>が大きく値下がりし、ほかのハイテク株や半導体株にも売りが広がりました。

 

両社の売上高は市場予想を上回りました。それでも、AIやデータセンター、自動運転などへの投資が増え、フリーキャッシュフローが赤字になったことが警戒されたようです。

 

フリーキャッシュフローとは、会社が本業で稼いだ現金から、設備などへの投資を差し引いた後に残るお金です。赤字になったからといって、すぐに業績が悪いとは限りません。ただ、AIに使った巨額のお金を、いつ、どのように利益へつなげるのか。投資家は、これまで以上に厳しくチェックするようになっているようです。

 

その一方で、今後の業績に強気な見通しを示した半導体企業や、世界情勢の緊張を背景に受注を伸ばした防衛関連企業などには買いが集まりました。

 

日本株市場でも、決算発表を受けての動きや、AI関連銘柄への不安からディフェンシブ銘柄への資金シフトなども見られるようです。

 

今回は、最新の決算などをきっかけに、株価の明暗が分かれた米国株や日本株をご紹介します。

 

 

アルファベット<GOOGL>

Google検索やYouTube、クラウドサービスを展開する巨大IT企業です。

2026年4-6月期は、AI需要を追い風にクラウド事業が大きく成長しました。ただし、AI向けデータセンターへの投資も急増し、フリーキャッシュフローは赤字となりました。

「AIで稼げているが、使うお金も大きい」という決算で、AI投資を利益に変えるまで時間がかかるとの見方から、23日の株価は前日比-7.13%下落しました。

 

 

テスラ<TSLA>

EV(電気自動車)だけでなく、自動運転やロボットにも力を入れる企業です。

2026年4-6月期は売上高が市場予想を上回りました。一方で、EV事業の利益率が低下し、AIや自動運転、人型ロボットへの投資も増えたため、フリーキャッシュフローは赤字となりました。

将来への期待は大きいものの、ロボタクシーや人型ロボットが実際に利益を生むまでには時間がかかりそうとの見方から、23日の株価は前日比-14.52%下落しました。

 

 

インテル<INTC>

パソコンやデータセンター向けのCPUをつくる大手半導体メーカーです。

2026年4-6月期は、AIサーバー向けの需要が伸び、売上高が前年同期比25%増となりました。2026年7-9月期の売上高見通しも市場予想を上回っています。

最終損益は赤字でしたが、本業の回復が評価され、23日の時間外取引で+4.36%上昇しました。AIに投資する側ではなく、必要な半導体を売る側の好調さが注目されたようです。

 

 

テキサス・インスツルメンツ<TXN>

自動車や工場、データセンターで使われる「アナログ半導体」を手がけています。電力や温度などを調整する、電子機器に欠かせない部品です。

2026年4-6月期は、産業向けやデータセンター向けの需要が伸び、増収増益となりました。

ただし、好決算への期待が事前に高まっていたため、23日の株価は前日比-3.12%下落しました。決算が良くても、予想以上のサプライズがなければ売られるケースもあります。

 

 

サービスナウ<NOW>

企業のIT業務を効率化するクラウドサービスを提供しています。仕事の流れを自動化するAI機能も強みです。

2026年4-6月期は、売上高や利益が市場予想を上回りました。今後1年間に売上高となる見込みの契約額も順調に増えています。

AI関連サービスへの需要は堅調でしたが、23日の株価は買いが続かず前日比-3.68%下落しました。成長期待が高い企業ほど、決算を見る目も厳しくなりやすいようです。

 

 

ロッキード・マーチン<LMT>

戦闘機やミサイル、防空システムなどを手がける米国の防衛大手です。

2026年4-6月期は、主要4事業がすべて増収となりました。まだ売上高になっていない契約を示す受注残高も、過去最高の約2,304億ドルに達しています。

今後の業績見通しも引き上げられ、23日の株価は前日比+10.54%上昇しました。将来の売上高につながる注文が多く積み上がっている点が評価されたようです。

 

 

アールティーエックス<RTX>

航空機エンジンや航空部品に加え、ミサイルや防空システムも手がける企業です。

2026年4-6月期は、防衛部門と民間航空部門の両方が伸び、売上高は前年同期比14%増となりました。受注残高も高い水準を維持しています。

通期の業績見通しを引き上げたことも好感され、23日の株価は前日比+7.32%上昇しました。防衛と民間航空の両方で需要が伸びている点が評価されたようです。

 

 

アメリカン・エアラインズ・グループ<AAL>

米国内線や国際線を運航する大手航空会社です。飛行機の燃料となる原油の価格が、業績に大きく影響します。

2026年4-6月期は過去最高の売上高を記録しました。一方、原油高で燃料費が増え、2026年7-9月期の特別項目を除く一株当たり損益は赤字になるとの見通しを示しています。

目の前の決算は良くても、次の四半期への不安が重く、23日の株価は前日比-8.35%下落しました。

 

 

ディスコ<6146>

半導体を「切る・削る・磨く」ための装置をつくる日本企業です。スマートフォンやAIサーバーに使われる半導体の製造を、裏側から支えています。

2026年4-6月期は、AI向けの高性能半導体に使われる装置が伸び、売上高は前年同期比27%増、純利益は同44%増となりました。

2026年7-9月期も過去最高の純利益を見込んでいます。ただし、会社予想は市場が期待していた金額を下回り、24日の株価は前引け時点で前日比-14.01%下落しました。

 

 

中外製薬<4519>

がんや免疫疾患などの治療薬を開発・販売する、日本の大手製薬会社です。

2026年7月24日の取引終了後に2026年1-6月期決算を発表する予定です。24日の日本株市場では、AI/半導体関連株が売られる一方で、ディフェンシブ銘柄の医薬品株が買われました。相場が不安定なときでも医薬品の需要は比較的変わりにくいと考えられ、資金が向かったようです。

ディフェンシブ銘柄への資金シフトと決算発表への期待も含め、24日の株価は前引け時点で前日比+3.43%上昇しました。

 

 

記事作成日:2026年7月24日