循環物色で注目のAI/半導体関連以外の日米株12選

💡この記事のポイント

✅AI/半導体関連株が調整し乱高下

✅循環物色でAI/半導体以外の銘柄にも注目

🔎登場する主な銘柄

✅米国株:ホームデポドラフトキングスTJXカンパニーズ

✅日本株:旭化成三菱重工業阪急阪神ホールディングス

 

目次

AI一極集中相場に変化の兆し

ホームデポ<HD>

ドラフトキングス<DKNG>

ダラー・ツリー<DLTR>

ラルフローレン<RL>

TJXカンパニーズ<TJX>

キューリグ・ドクター・ペッパー<KDP>

キリンホールディングス<2503>

旭化成<3407>

三菱重工業<7011>

名村造船所<7014>

T&Dホールディングス<8795>

阪急阪神ホールディングス<9042>

循環物色で注目のAI/半導体関連以外の日米株12選

AI一極集中相場に変化の兆し

2025年から2026年にかけての世界株式市場は、AIと半導体関連銘柄が相場をけん引してきました。米国ではエヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>、日本ではアドバンテスト<6857>やキオクシアホールディングス<285A>などに資金が集中し、多くの投資家がAI関連株の成長期待に賭ける展開が続いています。

 

もっとも、どんなテーマにも過熱はつきものです。実際に6月9日の米国市場ではフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が1.9%下落し、ナスダック総合指数も反落しました。AIインフラ関連や半導体株に利益確定売りが広がり、これまで相場をけん引してきた主役銘柄に調整圧力が強まっています。10日の東京市場でもソフトバンクグループ<9984>やフジクラ<5803>などAI関連銘柄に売りが広がり、日経平均は一時1,600円超下落しました。市場ではAI関連株の過熱感や持ち高調整を意識する声が増えています。

 

一方で、9日の米国市場ではナイキ<NKE>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>など景気敏感株やディフェンシブ株が買われました。10日の東京市場でもニチレイ<2871>、かんぽ生命保険<7181>、FOOD&LIFE COMPANIES<3563>、三菱地所<8802>などが買われました。市場関係者からは「AI/半導体株に集中していた資金が出遅れ銘柄へ向かいはじめた」との見方も聞こえています。

 

もちろん、AIが今後も重要な成長テーマであることは変わりません。しかし、相場全体で見れば資金が一つのテーマに集中し続けることもありません。過熱した分野から割安な分野へ資金が循環するのは自然な流れです。

 

そこで今回は、AI相場の影響を比較的受けにくく、業績が好調な銘柄や、調整によって投資妙味が高まっている押し目銘柄を中心に、日米株をご紹介します。

 

 

ホームデポ<HD>

世界最大級の住宅リフォーム用資材・サービスの小売チェーンです。米国市場でAI関連株への売りが膨らむなか、これまで出遅れていた景気敏感株や消費関連株に資金の一部を移す動きが見られ、同社にも買いが向かったようです。2023年以来の安値水準からのリバウンドの動きが注目されます。

 

 

ドラフトキングス<DKNG>

オンラインでのスポーツ賭博やデジタルスポーツエンターテインメントを提供する米国の企業です。2025年12月に参入した予測市場サービスにおいて、5月の年換算顧客取引量が前月比で+24%増加したことを公表し、6月9日に急騰しました。新規部門が堅調に成長しているとの見方から、買いを集めたようです。3月30日年初来安値20.46ドルからの回復傾向が注目されます。

 

 

ダラー・ツリー<DLTR>

米国やカナダで1ドルショップを展開する大手ディスカウントストアです。2026年2-4月期決算では、複数の価格帯の商品を販売する形式の店舗が拡大したことで客単価が伸び、売上高が市場予想を上回りました。2027年1月期今期の収益見通しも上方修正しており、物価高が続くなかで幅広い所得層から支持を得ているようです。5月13日年初来安値85.88ドルから110ドル台まで反発以降はもみ合いとなっています。

 

 

ラルフローレン<RL>

高級アパレルブランドをグローバルに展開する米国の企業です。2026年1-3月期決算では、アジアや欧州での堅調な売り上げ成長が寄与し、売上高などが市場予想を上回りました。2027年3月期今期の売上高も増加を見込んでいるほか、四半期配当を増額する方針を示したことも、投資家から好感されているようです。株価はここ数年、堅調な動きが続いています。

 

 

TJXカンパニーズ<TJX>

ブランド品を割引価格で販売するオフプライス小売店を運営する米国の企業です。2026年2-4月期の決算が好調だったほか、2027年1月期今期の収益見通しを引き上げました。インフレで消費者の節約志向が高まるなかでも底堅い需要があり、自社株買いの規模拡大を発表したことも評価されているようです。株価はここ数年、堅調な動きが続いています。

 

 

キューリグ・ドクター・ペッパー<KDP>

米国やカナダを中心に、多様な飲料製品を製造・販売している大手飲料メーカーです。2026年1-3月期決算では、売上高が前年同期比で9.4%増加し、一株当たり利益とともに市場予想を上回る堅調な結果となりました。景気動向に左右されにくい生活必需品セクターとして、安定した需要が見込める特性があるようです。4月6日年初来安値24.88ドルから反転し、6月9日年初来高値31.6ドルまで上昇しています。

 

 

キリンホールディングス<2503>

日本のビール・飲料大手で、医薬やヘルスサイエンス事業も多角的に展開しています。2026年1-3月期の連結決算は、子会社の医薬事業の好調や国内での価格改定効果などが寄与し、純利益が前年同期比11%増となりました。酒類だけでなく複数の事業領域を持つことで、手堅い収益基盤を築いているようです。株価は2025年8月まで数年横ばいが続いていましたが、以降は今年5月20日年初来高値2,773円まで堅調な動きが続いています。

 

 

旭化成<3407>

繊維や住宅、医療から電子部品まで幅広く手がける日本の総合化学メーカーです。2027年3月期今期の連結業績は、半導体パッケージに用いる絶縁材料やヘルスケア事業での医薬品販売が好調に推移し、本業のもうけを示す営業利益が3期連続の最高益になる見通しとのことです。最先端半導体材料の引き合いが強い一方で、多角化された安定感があるため、AI一辺倒の相場から資金が循環する際の受け皿として見る向きもあるようです。株価は2025年7月まで数年横ばいが続いていましたが、以降は今年3月2日年初来高値1,889円まで上昇。その後上昇一服となりましたが、直近は1,800円前後まで回復しています。

 

 

三菱重工業<7011>

防衛、航空、エネルギーなど幅広いインフラを支える日本を代表する総合重機メーカーです。足元では投資家の関心がAIや半導体に集中したことで防衛関連への物色意欲が後退し、6月2日年初来安値3,415円まで下落しました。一方で、防衛・航空宇宙・エネルギー分野の中長期的な成長期待は根強く、調整局面を押し目買いの機会として注目する見方もあるようです。

 

 

名村造船所<7014>

大型タンカーや液化ガス運搬船などを製造する中堅の造船企業です。2026年3月期前期の最終利益が約215億円の黒字となったほか、2027年3月期今期も引き続き売上高1,700億円、最終利益220億円への増収増益を見込んでいます。株価は2月18日上場来高値6,050円まで上昇後は調整が続き、6月2日年初来安値3,325円まで下落。下げ止まりとなるかが注目されます。

 

 

T&Dホールディングス<8795>

太陽生命や大同生命などを傘下に持つ、日本の生命保険金融グループです。足元では米投資ファンドのアポロが太陽生命などの買収を検討していたと報じられました。実現には至りませんでしたが、外資による日本市場でのシェア拡大を目指す動きとして、業界再編や資本効率向上への思惑から、6月9日上場来高値4,981円まで上昇しました。

 

 

阪急阪神ホールディングス<9042>

関西を基盤とする大手私鉄グループで、不動産やエンターテインメント事業にも強みを持っています。大阪梅田駅周辺において、駅ビルや老舗ホテルの一体再開発など、2030年代以降に向けた街のシンボルとなる大規模な再開発計画を掲げています。沿線価値の長期的な向上など、息の長い成長を期待したい銘柄です。株価は2025年12月以降は上下しつつも持ち直し気味で、5月18日年初来高値5,030円まで上昇。その後は上昇一服も、足元はリバウンドの気配もうかがわれます。

 

 

記事作成日:2026年6月10日