💡この記事のポイント
✅ 配当利回りだけでなく、配当方針や自社株買いも重要
✅ 増配姿勢や還元ルールが明確な企業は長期投資に選びやすい
✅ 株主還元余力が高そうな日米株をご紹介
🔎登場する主な銘柄
✅ 日本株:トヨタ自動車、KDDI、武田薬品工業
✅ 米国株:ペプシコ、シェブロン、オートマチック・データ・プロセッシング

✅ 配当利回りだけでなく、配当方針や自社株買いも重要
✅ 増配姿勢や還元ルールが明確な企業は長期投資に選びやすい
✅ 株主還元余力が高そうな日米株をご紹介
✅ 日本株:トヨタ自動車、KDDI、武田薬品工業
✅ 米国株:ペプシコ、シェブロン、オートマチック・データ・プロセッシング
トヨタ自動車<7203>
本田技研工業<7267>
日本たばこ産業<2914>
KDDI<9433>
武田薬品工業<4502>
ペプシコ<PEP>
フィリップ・モリス・インターナショナル<PM>
CMEグループ<CME>
シェブロン<CVX>
オートマチック・データ・プロセッシング<ADP>
初心者の方へ
高配当株を選ぶとき、つい配当利回りの数字に目が向きがちです。ただ、同じ3%台や4%台でも、その配当をどれだけ長く続けられるかは企業ごとにかなり違います。大切なのは、いま何円の配当を出しているかだけでなく、これからも配当や自社株買いを続けられる体力があるかどうかです。
そこで注目したいのが、株主還元余力です。ここでいう株主還元余力とは、安定した利益や営業キャッシュフローを土台に、配当を維持・増配したり、必要に応じて自社株買いを行ったりできる余地のことです。会社が配当方針をはっきり示しているか、配当性向や株主資本配当率(DOE)などの目安を公表しているか、自社株買いも視野に入れているか、といった点を見ると、その企業の還元姿勢が分かりやすくなります。
また、株主還元余力が高い銘柄の魅力は、単に「配当が多い」だけではありません。業績がぶれても還元方針が大きく崩れにくいことや、利益成長に合わせて増配が期待できること、配当と自社株買いを組み合わせて株主に報いる余地があるなどの魅力があります。特に長期投資では、目先の利回りよりも、こうした還元の継続性や方針の明確さが重要になってきます。
さらに、銘柄によってはアクティビスト(物言う株主)による株式の保有などを通じて、株主還元余力が実際に株主還元の実現に早く繋がる可能性もあります。それだけ株主還元余力が高い銘柄は、投資家にとって保有する魅力があると言えそうです。
そこで今回は、株主還元余力が高そうな日米株をご紹介します。
世界有数の自動車メーカーです。トヨタは、株主の利益向上を重要な経営方針の一つと位置づけ、配当については安定的・継続的に増配を行うよう努めるとしています。自動車産業は景気や為替の影響を受けますが、トヨタは世界規模の販売基盤と厚い事業基盤を持っています。予想配当利回りは3.19%。
二輪車、四輪車、金融サービスまで展開するグローバル企業です。ホンダは、連結配当性向30%を目安に安定的・継続的な配当を行うとしたうえで、2026年3月期前期以降は株主資本配当率(DOE)3%を目安とする方針を示しています。さらに、機動的な資本政策の実施などを目的に、自社株買いも適宜行うようです。予想配当利回りは5.55%。
たばこ事業を主力とし、海外売上比率も高い企業です。JTは、強固な財務基盤を維持しつつ、中長期の利益成長を実現することにより株主還元の向上を目指すとしています。また、配当性向75%を目安にする方針も示しています。還元の考え方が数字で示されているため、利益と配当のつながりをイメージしやすい銘柄と言えそうです。予想配当利回りは4.07%。
通信を軸に、金融やDX(デジタルトランスフォーメーション)、エネルギーなどへ事業を広げる総合通信大手です。KDDIは2002年度から23期連続増配を実現しており、配当性向40%超と利益成長の相乗効果で、今後も持続的な増配を目指すとしています。連続増配の実績に加え、会社が今後の増配姿勢をはっきり打ち出している点は注目したいところです。予想配当利回りは3.16%。
国内最大級の製薬会社です。武田薬品は、毎年の一株当たり年間配当金を増額または維持する累進配当の方針を採用しています。さらに、資本効率向上や株主還元の改善のため、適切な場合には自社株買いにも取り組むとしています。研究開発投資の大きい医薬品業界で、累進的な配当方針を掲げている点は、還元への強い意識の表れと言えそうです。予想配当利回りは3.76%。
飲料とスナック菓子を世界展開する生活必需品大手です。2026年6月の配当から、4%増配することを公表し、54年連続の年間増配になるとしています。長年にわたって配当を増やしてきた実績は、本業の安定感と還元余力の両方を示す材料です。生活に密着した商品を持つ企業らしい、息の長い還元が魅力です。予想配当利回りは3.76%。
世界的なたばこ企業です。2025年9月には、四半期配当を8.9%引き上げ、年率換算で5.88ドルにすると発表しました。また、公開企業となった2008年以降、毎年増配を続けています。成長投資を進めながら増配も続けている点は、株主還元余力の高さを考えるうえで重要なポイントです。予想配当利回りは3.52%。
米国を代表するデリバティブ取引所です。CMEグループは2026年2月に、2025年業績に基づく年次の変動配当として一株当たり6.15ドルを支払うと発表し、これは前年度の5.8ドルを上回りました。さらに、2026年1-3月期の通常配当も一株当たり1.3ドルとし、前回の1.25ドルから引き上げています。通常配当だけでなく、利益水準に応じた変動配当と自社株買いを組み合わせているのが特徴です。予想配当利回りは3.99%。
米国の大手エネルギー企業です。シェブロンは配当の成長、将来のキャッシュフロー成長に向けた再投資、強いバランスシートの維持、余剰資金の株主還元を重視しています。資源価格の変動を受ける業種ではありますが、還元の考え方そのものは明快です。余剰資金をどう配分するかを示している点は、配当金を目的の一つとして銘柄を選ぶ場合の参考になります。予想配当利回りは3.85%。
給与計算や人事関連サービスを手がけるBtoB企業です。2025年11月には、51年連続となる増配を発表しました。企業活動に欠かせないサービスを提供することで、安定した収益基盤を築いてきた会社です。長年にわたる増配の積み重ねは、事業の安定感と株主還元余力の両方を反映しているようです。予想配当利回りは3.12%。
株主還元余力を見るときは、会社がどんな方針で株主に報いるのかを確認することが大切です。たとえば、配当性向を示している企業、累進配当を掲げる企業、自社株買いを柔軟に使う企業では、同じ「還元重視」でも中身はかなり違います。方針が分かりやすい会社ほど、長期投資の対象銘柄として候補にしやすい面がありそうです。
今回ご紹介した10銘柄は、単に高配当というだけでなく、利益やキャッシュフローの安定性、増配の実績、自社株買いも含めた還元姿勢に注目しました。長く持つ候補を考えるなら、「いま何%か」だけではなく、「この先も還元を続けられそうか」「その方針が明確に示されているか」という視点もあわせて見ておきたいところです。
※ご紹介した予想配当利回りは、2026年5月7日終値時点の情報を元にしています。
記事作成日:2026年5月8日
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