ピンチかチャンスか?メモリ関連日米株13選

💡この記事のポイント

✅グーグルの新技術などを背景にメモリ関連株が下落

✅メモリ需要はさらに増えると予想する専門家も

✅押し目買い候補となる日米のメモリ関連株をご紹介

🔎登場する主な銘柄

✅米国株:マイクロンウエスタン・デジタルシーゲート・テクノロジー
✅日本株:キオクシア日本マイクロニクスKOKUSAI ELECTRIC


目次

メモリ関連株が下落!3つの背景とは?

グーグルの新技術でメモリ需要はさらに増加する可能性

メモリの構造的な供給不足が続く見通し

マイクロン・テクノロジー<MU>

ウエスタン・デジタル<WDC>

シーゲート・テクノロジー・ホールディングス<STX>

アプライド・マテリアルズ<AMAT>

ラム・リサーチ<LRCX>

KLA<KLAC>

ASMLホールディング NYRS<ASML>

キオクシアホールディングス<285A>

日本マイクロニクス<6871>

KOKUSAI ELECTRIC<6525>

アドバンテスト<6857>

東京エレクトロン<8035>

SCREENホールディングス<7735>

ピンチかチャンスか?メモリ関連日米株13選

メモリ関連株が下落!3つの背景とは?

米メモリ大手のマイクロン・テクノロジー<MU>が、3月18日上場来高値471.34ドルから3月26日安値350ドルまで-25.74%下落し6日続落するなど、日米のメモリ関連株が調整しています。背景には中東情勢の緊迫化による投資家心理の悪化もありますが、以下の3つの要因も大きいようです。


第一に、マイクロンが発表した250億ドルもの巨額設備投資が、将来的な生産能力の増強による供給過剰を招き、同社の価格決定力を弱めるリスクとして意識されていることです。メモリ株は景気循環の影響を受けやすく、過去と同様のメモリ価格の下落が警戒されているようです。


第二に、中東情勢の悪化に伴ってヘリウム供給に支障が生じる懸念があることです。ヘリウムは半導体製造や大容量HDDに使われているため、製造コストの上昇が懸念されています。


そして最大の理由は、アルファベット<GOOGL>傘下のグーグルが発表した新技術「TurboQuant(ターボクアント)」です。AIのメモリ消費量を6分の1に圧縮する画期的な技術であり、物理メモリへの需要が減少するとの懸念がメモリ関連株の売りに拍車をかけました。


グーグルの新技術でメモリ需要はさらに増加する可能性

市場では、グーグルの新技術によってメモリ需要が減少すると受け止められたようです。しかし、一部の専門家は「ジェボンズのパラドックス」という経済原則を見落としていると指摘し、この下落を過剰反応と捉えています。これは、技術の進歩によって資源の利用効率が高まると、かえってその資源の消費総量が増えてしまうという現象のことです。


例えば、19世紀に蒸気機関が改良されて石炭の燃費が良くなった際、石炭の消費は減るどころか、あらゆる産業で蒸気機関が使われるようになり爆発的に増加しました。これと同じことがAIとメモリの関係でも起こると予想している専門家もいるようです。


メモリ消費量が6分の1になれば、AIを動かすコストも大幅に下がるため、これまでコストが高くためらっていた企業がAI市場に参入したり、身近な家電製品にまで高度なAIが手軽に搭載できるようになったりします。結果として社会全体でAIが爆発的に普及し、必要とされるメモリの総量がこれまで以上に大きく膨らむと考えられているようです。


メモリの構造的な供給不足が続く見通し

さらに、現在のメモリ不足は一時的なものではなく、製造の物理的な限界に伴う構造的な供給不足とされています。AIに必要なHBM(広帯域メモリ)は製造工程が複雑で、従来のメモリよりも多くの基板(ウエハー)を消費します。利益率の高いHBMを作るほど、一般向けのメモリを作る工場のスペースが圧迫され、市場全体で供給不足が続くことが懸念されているようです。実際、すでに主要メーカーの2026年分の生産枠は完売しており、需要は非常に底堅い状況です。


現在の状況は、これまで好調が伝えられ株価の上昇が続いていたメモリ株にとって転落へのピンチなのか、押し目買いのチャンスなのか。判断の分かれるところかと思いますが、それだけに注目度が高まっています。


そこで今回は、メモリ関連株と連動することの多いストレージ関連株やメモリに関連する半導体関連株なども含めてご紹介します。


マイクロン・テクノロジー<MU>

米国最大のメモリ専業メーカーです。AIサーバーに不可欠なHBM市場で韓国メーカーを猛追しており、次世代品の量産も開始しました。2026年分の生産枠はすでに完売しているほか、顧客と初の5年契約を結ぶなど収益の安定化を図る戦略も評価されているようです。


ウエスタン・デジタル<WDC>

HDD専業の世界的データストレージ企業です。AIデータセンター向けの安価で大容量なHDD需要が急増しており、2026年分の生産枠は完売しているとのことです。フラッシュメモリ事業を手がけるサンディスクの分離も、企業価値向上の好材料と受け止められているようです。


シーゲート・テクノロジー・ホールディングス<STX>

大容量HDDに特化したデータストレージの世界的リーダーです。次世代の高密度記録技術「HAMR」において業界をけん引しており、データセンターのスペースと消費電力の効率化に貢献できることから、ハイパースケーラー(巨大データセンターを運営する大企業)の運用環境でも使われています。


アプライド・マテリアルズ<AMAT>

成膜装置などを手がける世界最大の半導体製造装置メーカーです。AI向けメモリやロジック半導体の複雑な立体構造を形成するために、同社の最先端の材料工学ソリューションが重要な役割を担っており、巨額の設備投資サイクルの恩恵を広く受けやすい銘柄です。


ラム・リサーチ<LRCX>

半導体ウエハーを削る「エッチング」工程で世界をリードする米国の製造装置メーカーです。特に、NANDフラッシュメモリの3D化(多層化)において深く垂直に穴を掘る高度なエッチング技術に強みを有しており、ストレージ需要の拡大と関係が深い企業です。


KLA<KLAC>

半導体ウエハーの欠陥検査・計測装置で圧倒的な世界シェアを握る米国企業です。メモリの微細化やHBMの複雑なパッケージング工程において、不良品を減らし歩留まり(良品率)を管理・向上させるための検査ニーズが急増しており、安定した高い収益力を誇ります。


ASMLホールディング NYRS<ASML>

半導体ウエハーに極めて細かい回路を焼き付ける「極端紫外線(EUV)露光装置」を世界で唯一供給するオランダの企業です。最先端のDRAM製造においてもEUVの導入が本格化しており、メモリ業界を含めた半導体全体の技術革新を根底から支える重要な企業です。


キオクシアホールディングス<285A>

NANDフラッシュメモリで世界トップクラスのシェアを誇る日本を代表する半導体企業です。データセンター向けのエンタープライズSSDなどで強みを発揮しており、NAND生産能力が逼迫しているようです。市場の需給が引き締まる局面で恩恵を受ける銘柄です。


日本マイクロニクス<6871>

半導体のウエハー検査工程で使われる「プローブカード」で世界トップのシェアを持ちます。特にメモリ向けプローブカードに強みを持ち、HBMなどの微細化・積層化が進む次世代メモリの製造において、同社の高度な検査部材の需要が急増しています。AI向けメモリの需要拡大の恩恵を受けやすい銘柄です。


KOKUSAI ELECTRIC<6525>

半導体製造の前工程における成膜装置に特化した日本の装置メーカーです。一度に多数のウエハーを処理できる「バッチ式」装置で高い競争力があります。NANDフラッシュの3D化(多層化)やDRAMの微細化には、高品質な膜を効率よく形成する同社の装置が不可欠であり、メモリ需要の拡大は大きな追い風となります。


アドバンテスト<6857>

完成した半導体が正常に動作するかを確認する半導体の検査装置(テスタ)で世界トップクラスのシェアを誇ります。HBMの複雑な製造工程において厳格な検査が不可欠となっており、需要拡大が続いています。


東京エレクトロン<8035>

半導体製造の前工程(ウエハーへの回路形成など)において世界トップクラスのシェアを持っています。メモリ各社がHBMや次世代DRAM、多層3D NANDの生産ラインを新設・拡張する際、同社の最先端装置は避けて通れないインフラ的な側面があります。


SCREENホールディングス<7735>

半導体ウエハーの洗浄装置で世界トップシェアを誇る日本の製造装置メーカーです。HBMをはじめとする微細化・多層化が進む次世代メモリの製造では、歩留まり向上のために高度な洗浄プロセスが不可欠であり、継続的な需要拡大が期待されています。



記事作成日:2026年3月30日