高配当の優等生!「累進配当」関連の日本株12選

💡この記事のポイント

✅累進配当とは「減配を避け、配当の維持や増配を目指す」という株主還元方針

✅比較的安心して配当目的の投資ができるのが累進配当銘柄

✅累進配当関連の日本株をご紹介

🔎登場する主な銘柄

INPEXアサヒグループホールディングス武田薬品工業三井物産みずほフィナンシャルグループKDDI東京ガス

 

目次

エネルギー・資源関連

食品・医薬品・生活関連

総合商社

金融・リース・保険

通信・インフラ

初心者の方へ

高配当の優等生!「累進配当」関連の日本株12選

NISA利用者の拡大をきっかけに、「長く安心して持てる株が知りたい」「配当金を受け取りながら、じっくり資産形成をしていきたい」という声が増えているようです。

 

一方で、高配当株投資で気になるのが「減配(げんぱい)」です。これは、業績などの理由で企業が配当金を減らすことを意味します。せっかく配当を目的に投資しても、配当が減ってしまうとがっかりしてしまうかもしれません。

 

そこで注目されているキーワードの一つが「累進配当(るいしんはいとう)」です。

これは、企業が「減配をせず、配当を維持、または利益成長に合わせて増配を目指す」という方針のことを指します。

 

この記事では、株主還元への意識が高く、この「累進配当」やそれに近い考え方を掲げている日本株をご紹介します。長期保有の候補を検討する際のヒントとして、参考にしてみてください。

 

 

エネルギー・資源関連

INPEX<1605>

原油や天然ガスの開発・生産を手がける資源エネルギー大手です。

2025〜2027年度の中期経営計画期間において、一株当たり年間90円を起点とする累進配当を導入しています。あわせて、総還元性向50%以上を目指し、自己株式取得も組み合わせて株主還元を強化する方針です。

 

資源価格の影響を受けやすい事業ではありますが、配当の「起点」と総還元性向の目標を明示しているため、長期で見た配当の安定感を意識しやすい銘柄といえそうです。

 

ENEOSホールディングス<5020>

ガソリンスタンドでおなじみの、石油・エネルギー大手グループです。

中期経営計画期間(2025年度〜2027年度)において、一株当たり30円の配当を起点とする業績に応じた累進配当の導入を掲げています。さらに、3カ年平均で在庫影響を除いた当期利益の50%以上を配当と自社株買いで株主に還元する方針です。

 

エネルギー価格の変動リスクはあるものの、累進配当と高い総還元性向の目標を掲げている点は、配当を意識した長期投資と相性が良いと考えられます。

 

食品・医薬品・生活関連

アサヒグループホールディングス<2502>

ビールや清涼飲料を中心に、グローバルに事業を展開する食品・飲料大手です。

DOE(株主資本配当率)4%以上を目指した累進配当を掲げています。DOEとは、株主が出資した自己資本に対してどのくらい配当しているかを見る指標です。

 

飲料は日常的な消費に根ざした需要があり、景気に左右されにくい側面もあります。安定した需要と累進配当方針の組み合わせから、守りと安定配当の両方を意識した長期投資先として検討しやすい銘柄です。

 

武田薬品工業<4502>

国内最大級の製薬会社で、グローバルに医療用医薬品ビジネスを展開しています。

毎年の一株当たり年間配当金を増額または維持する累進配当を採用しています。年2回の配当を基本とし、資本効率の向上に向けて自己株式取得も適宜実施する方針です。

 

医薬品は人々の健康を支えるためのもので、景気にかかわらず一定の需要が見込まれる分野です。景気の波に左右されにくいビジネスと累進配当方針を組み合わせることで、防御力と配当の両立を意識した長期投資先として検討しやすいと考えられます。

 

セブン&アイ・ホールディングス<3382>

セブン−イレブンやイトーヨーカドーなどを擁する総合小売グループです。

持続的な利益成長に合わせて増配していく累進配当を導入しています。2023〜2025年度の累計で総還元性向50%以上を目標とし、フリーキャッシュフローや株価水準を見ながら、配当と自社株買いを組み合わせて機動的な株主還元を行う方針です。

 

日常的に利用されるコンビニ事業を中心に展開しているため、景気に左右されにくい需要も期待されます。身近な企業に長期投資をしながら累進配当のメリットを受け取りたい、という考え方とも相性が良さそうです。

 

総合商社

三井物産<8031>

エネルギー・金属・機械・化学品・生活産業などを手がける総合商社です。

中期経営計画2026で累進配当を導入しました。3年間累計の基礎営業キャッシュフローに対する株主還元比率をおおむね37%以上(実績ベースでは40%超を見込む水準)へ引き上げつつ、事業ポートフォリオを見直すことで配当原資の安定化も目指しています。

 

資源価格や為替の影響は受けやすい一方で、キャッシュフローを重視した経営と累進配当方針の組み合わせにより、長期的な配当水準の底上げを期待しやすい銘柄です。

 

三菱商事<8058>

日本を代表する総合商社で、資源・インフラ・コンシューマー関連など幅広く展開しています。

経営戦略2027においても累進配当方針を継続しています。一株当たり配当は長期的に右肩上がりの推移となっており、2025年度も増配見通しを示しています。自己株式取得も含めて、大型の株主還元策を継続している点も特徴です。

 

高収益な商社の代表格であり、累進配当方針と自社株買いによる株主還元を積極的に行っていることから、高配当銘柄として名前が挙がることも多いようです。

 

金融・リース・保険

みずほフィナンシャルグループ<8411>

みずほ銀行やみずほ証券などを傘下に持つメガバンクグループです。

株主還元方針として、累進的な一株当たりの増配と機動的な自己株式取得の組み合わせを掲げています。配当は毎期5円程度の増配を目安としており、総還元性向50%以上を目安に還元を行うとしています。

 

配当の増加ペースまで目安を示している点が特徴で、「計画的に増配していく」という姿勢が分かりやすい銘柄です。長期での配当成長を意識したい場合に、候補として検討しやすいといえます。

 

オリックス<8591>

リース、融資、不動産、環境エネルギーなど多角的に事業を展開する総合金融グループです。

業績を反映した安定的かつ継続的な配当を実施する方針です。2026年3月期の通期配当については、配当性向39%または一株当たり配当金120.01円のいずれか高い方を採用するとしています。自己株式取得も経営環境や財務状況などを踏まえて機動的に行う方針です。

 

配当の引き上げと自社株買いを組み合わせた株主還元を続けている銘柄として知られています。事業は分散されており、「安定的かつ継続的な配当」を掲げていることから、高配当と長期保有の組み合わせを意識したい投資家に人気があるようです。

 

東京海上ホールディングス<8766>

国内外で損害保険ビジネスを展開する大手保険グループです。

配当を株主還元の基本と位置づけ、利益成長に応じて配当を持続的に高める方針を掲げています。資本水準などを踏まえて自己株式取得も機動的に実施し、トータルでの株主還元を重視しています。

 

保険料収入などに支えられた安定した収益基盤を持ち、配当の持続的な引き上げを目指している点から、長期で配当成長を期待したい投資家にとって検討しやすい銘柄といえそうです。

 

通信・インフラ

KDDI<9433>

「au」ブランドで通信事業を展開し、金融やエネルギーなどにも広がる通信大手です。

配当性向40%超を掲げ、2002年度から23期連続増配を実現しています。今後も持続的な増配を目指す方針を明示しており、実質的に累進配当的なスタンスと言えそうです。

 

通信は生活インフラに近いサービスであり、キャッシュフローも比較的安定しています。長期で保有しながらコツコツと配当を受け取るイメージを持ちやすい銘柄です。

 

東京瓦斯東京ガス)<9531>

首都圏を中心に都市ガスや電力を供給するエネルギーインフラ企業です。

中長期的な一株当たり利益の成長に合わせた増配を株主還元の中核に位置づけています。累進配当により、成長の成果を安定的に株主へ還元していく方針を明示しています。

 

ガスや電力といった生活インフラは、景気にかかわらず一定の需要が見込まれます。累進配当方針と組み合わせることで、「安定した配当を長く受け取りたい」というニーズに応えやすい銘柄といえそうです。

 

初心者の方へ

累進配当を掲げている企業は、それだけ自社の財務基盤や、将来の利益成長にある程度の自信を持っているとも考えられます。もちろん、経営環境の変化によって方針が見直される可能性はありますが、配当利回りの数字だけでなく、こうした「配当方針」そのものに目を向けてみることで、長期投資の安心感が変わってくる場面もありそうです。

 

NISAを活用してじっくりと資産形成を進める際には、今回ご紹介したような配当方針を持つ銘柄も、判断材料の一つとしてチェックしてみてはいかがでしょうか。

※ご紹介した配当方針は記事作成時点(2025年11月)の情報を元にしています。企業の業績や経営方針の変更により内容が見直される場合がありますので、実際の投資にあたっては、各社の最新のIR資料や公式サイトをご確認ください。

 

 

記事作成日:2025年11月28日

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