企業価値4,000億円到達!国産生成AI開発ベンチャー「サカナAI」関連の日米株20選

💡この記事のポイント

✅日本の生成AIベンチャー・サカナAIの企業価値が約4,000億円に到達

✅未上場スタートアップの成長は出資企業などに大きな恩恵をもたらす

✅サカナAIの関連銘柄選をご紹介

🔎登場する主な銘柄

NTTソニーグループ三菱UFJフィナンシャル・グループエヌビディアアルファベット

 

目次

サカナAIが国内未上場で過去最高水準の企業価値に

NTT<9432>

KDDI<9433>

ソニーグループ<6758>

エヌビディア<NVDA>

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>

三井住友フィナンシャルグループ<8316>

みずほフィナンシャルグループ<8411>

日本電気(NEC)<6701>

富士通<6702>

SBIホールディングス<8473>

野村ホールディングス<8604>

第一生命ホールディングス<8750>

東京海上ホールディングス<8766>

伊藤忠商事<8001>

ANAホールディングス<9202>

大和証券グループ本社<8601>

アルファベット<GOOGL>

アマゾン・ドット・コム<AMZN>

メタ・プラットフォームズ<META>

メルカリ<4385>

用語解説:スタートアップの「投資ラウンド」とは

企業価値4,000億円到達!国産生成AI開発ベンチャー「サカナAI」関連の日米株20選

サカナAIが国内未上場で過去最高水準の企業価値に

生成AI(人工知能)の研究・開発を行う「Sakana AI(サカナAI)」が、第三者割当増資で約200億円を調達したことで企業価値が約4,000億円となり、国内の未上場スタートアップとして過去最高水準に到達したと報じられました。

 

サカナAIは、元Googleの研究者であるデイビット・ハ氏とリオン・ジョーンズ氏、外務省やメルカリを歴任した伊藤錬氏が創業した東京発のAIベンチャーです。日本の文化や慣習を重視し、日本社会の課題解決に貢献していくことを第一の使命とし、日本に根差し、日本からグローバルな市場に展開していく会社を目指しています。

 

同社では、研究プロセスの自動化を目指す研究用AIエージェント「AI Scientist」や、複数の既存AIモデルの長所を進化的に組み合わせる「Evolutionary Model Merge(進化的モデルマージ)」といった独自技術を公開し、研究と社会実装の両面で存在感を高めています。

 

対話型AI「チャットGPT」を手がけるオープンAIの初期投資家として知られている米国のベンチャーキャピタル・KHOSLA VENTURESも同社に出資しており、オープンAIの成長がマイクロソフト<MSFT>やソフトバンクグループ<9984>といった出資企業に恩恵をもたらしているように、今後サカナAIが成長することで出資企業や関連企業への恩恵が期待されます。

 

そこで今回は、日米のサカナAI関連銘柄をご紹介します。

 

 

NTT<9432>

国内通信事業最大手。固定・移動通信と研究開発に強み。

AIコンステレーション研究で連携するほか、傘下のNTTドコモ・ベンチャーズを通じて、初期のシードラウンドから出資しています(本記事最後に資金調達の段階について解説しました)。自社開発の大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi」との組み合わせや、次世代の通信基盤「IOWN(アイオン)」構想への活用など、AIの社会実装推進が期待されます。

 

KDDI<9433>

総合通信会社で金融事業やエネルギー事業も展開。2024年5月にはローソンを持分法適用会社化。

「KDDI Open Innovation Fund」を通じてシードラウンドから出資しています。5Gやエッジと生成AIの連携、CS自動化やネットワーク運用効率化での効果が期待されます。

 

ソニーグループ<6758>

AV機器世界大手。映画やゲーム、音楽、金融など幅広く展開。

シードラウンドから出資しています。コンテンツの制作効率化や、新しい体験の創出によるIP価値の拡張が期待されます。得意の画像センサーや「PlayStation」など既存事業との連携にも注目です。

 

エヌビディア<NVDA>

GPU(画像処理装置)メーカーで世界最大手メーカー。

シリーズAから出資しています。AIの研究開発に不可欠な半導体や最適化のノウハウを提供し開発を支援しています。日本のAI実装網との相乗効果も期待されます。

 

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>

3大メガバンクの一角で傘下に銀行、信託、証券、カードなど幅広い金融サービス事業。

傘下の三菱UFJ銀行と複数年の包括パートナーシップ締結したほか、シリーズAならびにBから出資しています。銀行業務に特化したAIを共同開発し、与信や事務作業、顧客対応の効率化・高度化を段階的に実装していく方針で、生産性の改善やグループへの横展開による拡大が期待されます。

 

三井住友フィナンシャルグループ<8316>

3大メガバンクの一角で法人・個人・市場部門をグローバルに展開。

傘下の三井住友銀行を通じてシリーズAから出資しています。与信審査、事務、営業支援への生成AI実装の加速や、行内データの研究・活用による業務改善が期待されます。

 

みずほフィナンシャルグループ<8411>

3大メガバンクの一角で法人・個人向けに幅広い金融サービスを提供。

シリーズAから出資しています。文書生成や顧客対応の自動化、与信高度化による生産性の改善が期待されます。

 

日本電気NEC)<6701>

通信インフラで国内首位。顔認証技術の販売を推進、防衛領域も展開。

シリーズAから出資しています。監視・セキュリティ、社会インフラ領域にAIを重ねることで案件単価や保守収益の向上につなげる余地があります。

 

富士通<6702>

サーバー、ITシステムの国内トップ。基幹系から運用まで垂直統合。

シリーズAから出資しています。企業の基幹システムと生成AIを組み合わせたサービスの導入支援などで継続的な収益化や、データ利活用支援といったサービスと合わせた横展開のしやすさにも注目です。

 

SBIホールディングス<8473>

ネット証券・銀行・保険など総合金融企業。国内外のベンチャー企業への投資、暗号資産、健康食品・医薬品なども展開。

シリーズAから出資しています。与信・リスク管理、顧客への提案の自動化・高度化により、顧客生涯価値(LTV)の向上が期待され、グループ内の周辺子会社への技術展開も見込まれます。

 

野村ホールディングス<8604>

国内最大級の証券グループ。異業種提携、コンサルを重視。

シリーズAから出資しています。調査レポートの作成や営業支援の高度化による生産性の改善のほか、グループ内のデータ統合と合わせることで、効果拡大が期待されます。

 

第一生命ホールディングス<8750>

国内生命保険の大手。豪州や北米での海外生命保険事業なども展開。

シリーズAから出資しています。保険金の査定や保全、文書照会などに生成AIを活用することで、サービス品質の向上とコスト削減の両立が期待されます。

 

東京海上ホールディングス<8766>

損害保険の国内最大手。生命保険や海外保健事業などを展開。

シリーズAから出資しています。事故対応や保険金支払い、引受業務の高度化により、顧客体験(CX)の向上と損害率の改善が期待されます。

 

伊藤忠商事<8001>

非資源分野に強みを持つ総合商社。傘下にコンビニ大手のファミリーマート。

シリーズAから出資しています。需要予測や在庫の最適化、与信管理のAI化など、商社の幅広い事業領域での価値創出が期待されます。

 

ANAホールディングス<9202>

国内線、国際線ともに首位。LCCの「Peach(ピーチ)」などを傘下にもち、スカイマークへも出資。

シリーズAから出資しています。需要や価格の予測、整備ログの解析、顧客応対の自動化など、蓄積されたデータを活用し、コスト削減と顧客満足度の向上が期待されます。

 

大和証券グループ本社<8601>

国内大手の総合証券グループ。資産運用やネット銀行などを展開。

傘下の大和証券と長期的な戦略的技術パートナーシップを締結。総資産コンサルティングの高度化に向け、専用プラットフォームの共同開発・実装を進める方針で、顧客一人ひとりに合わせた提案の精度向上や、コンサルタントの生産性改善が期待されます。

 

アルファベット<GOOGL>

インターネット上の検索サービス「Google」のほか、YouTube、Android、Chrome等を展開している持ち株会社。AIを導入したインフラやプラットフォームなどを提供。

Google for Startups Cloud ProgramでGoogle Cloud上のNVIDIA GPU等を活用しています。創業陣が傘下のGoogleの元研究者であることから、技術・人材面の間接波及も見込まれます。

 

アマゾン・ドット・コム<AMZN>

ネット通販世界最大手。米国をはじめ日本や英国など世界中で事業展開。企業向けクラウドコンピューティングプラットフォームのアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)も世界シェア1位。

スタートアップ企業向けの支援プログラム「AWS Activate」により、研究・開発基盤となるインフラをAWSが支援しています。

 

メタ・プラットフォームズ<META>

マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が創業。「Facebook」や「Instagram」等の運営に加え、AR・VRのような没入型体験サービスによるメタバースの研究開発に取り組む。

メタが開発したオープンソースのLLM「Llama 3」をベースに、複数の画像について質疑応答できる日本語の視覚言語モデル(VLM)「Llama-3-EvoVLM-JP-v2」を公開しています。

 

メルカリ<4385>

フリーマーケットアプリ「メルカリ」を運営、スマホ決済等の連携事業も。関連会社にメルペイ、鹿島アントラーズ・エフ・シーなど。

共同創業者が執行役員(グローバル事業)を務めた経歴があり、今後の人材・コミュニティ経由の知見共有などの間接効果が期待されます。

 

用語解説:スタートアップの「投資ラウンド」とは

スタートアップ企業は、事業の成長段階(ステージ)に合わせて、投資家から資金を調達します。この資金調達の段階を「投資ラウンド」と呼びます。企業が成長するにつれて、調達の目的や規模が変わっていきます。

 

・プレシード / シードラウンド

事業の「種(シード)」の時期、つまりアイデアや構想段階、または製品・サービスの開発段階で行う、ごく初期の資金調達です。投資家は創業者やエンジェル(起業家/経営者の個人投資)、ベンチャーキャピタルなど。

 

・シリーズA

一般的にビジネスが本格的に始まり、製品やサービスを市場に出し、顧客を獲得していく段階での資金調達です。「A」はアルファベットの最初の文字であることから、本格的な調達の第1回目という意味合いがあります。

 

・シリーズB

一般的にビジネスが軌道に乗り、さらに事業を拡大させるための資金調達です。人材の採用やマーケティングを強化する時期にあたります。

 

・シリーズC以降

一般的に事業が安定成長期に入り、黒字化の達成や海外展開・新規事業など、さらなる成長を目指すための資金調達です。この段階になると、IPO(株式上場)やM&A(合併・買収)を具体的に視野に入れる企業も多くなります。

 

一般的に、シードからA、B、Cへとラウンドが進むにつれて、企業の評価額(価値)も上がっていく傾向があります。

 

 

記事作成日:2025年11月17日

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