💡この記事のポイント
✅株価指数「MSCI ACWI」の定期見直しが11月5日に発表
✅日本株は4銘柄が新規採用、3銘柄が除外に
✅指数連動のパッシブ運用資金の流入/流出による需給への影響に注目
🔎登場する主な銘柄
✅採用:キオクシアホールディングス、JX金属、荏原製作所、西武ホールディングス
✅除外:明治ホールディングス、日清食品ホールディングス、ヤクルト本社

✅株価指数「MSCI ACWI」の定期見直しが11月5日に発表
✅日本株は4銘柄が新規採用、3銘柄が除外に
✅指数連動のパッシブ運用資金の流入/流出による需給への影響に注目
✅採用:キオクシアホールディングス、JX金属、荏原製作所、西武ホールディングス
✅除外:明治ホールディングス、日清食品ホールディングス、ヤクルト本社
全世界株指数の銘柄入替で4銘柄採用/3銘柄除外
採用される銘柄
除外される銘柄
初心者向けミニ解説
2025年11月5日(日本時間6日)、株価指数を算出している米国のモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)は、代表的な全世界株指数「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)」の定期的な銘柄見直しを発表しました。
MSCI ACWIは、先進国や新興国の大型・中型株で構成され、世界の株式時価総額の約85%をカバーするとされています。この指数に連動するように運用される「パッシブ運用」の資金は巨額といわれており、銘柄の採用や除外は、個別銘柄の株の売買(需給)に大きな影響を与える可能性があるようです。
今回の見直しでは、日本株から4銘柄が新たに追加採用され、3銘柄が除外され日本株の組み入れ数は181銘柄となりました。日本株の組み入れ数が純増となるのは、2022年2月の見直し以来、3年9カ月ぶりとのことです。背景には、日本株高で時価総額が膨らんだ企業が多かったことがあるようです。
あるアナリストの試算によると、今回の入れ替えで日本株には約1,170億円の機械的な資金流入(パッシブファンドによる買い)が見込まれるとのことです。
今回の見直しは、2025年11月24日の取引終了後に指数へ反映されます。ただし、同日の東京市場は休場のため、実際の売買(リバランス)は、前営業日である11月21日の取引終了時点(終値)で実施される見通しです。
NAND型フラッシュメモリー大手です。メモリー市況の持ち直し観測や、データセンター・スマートフォン領域の中期需要がテーマとなるなか、指数採用に伴う海外パッシブ資金の流入期待が短期需給の追い風となりやすい局面です。今回のACWI採用の発表を受け、11月6日の市場では、パッシブ資金が流入することへの期待から一時+9.9%上昇する場面もありました。
ENEOSホールディングス<5020>傘下の非鉄金属・素材の中核企業で、銅やニッケルなどに加え、半導体関連材料も展開しています。設備投資サイクルの回復と指数採用による投資家層の拡大が重なれば、中期的な評価余地が意識されやすいと考えられます。また、 先端半導体向けの素材需要などが注目されているようです。
ポンプやコンプレッサーなどの産業機械、水・環境、精密・電子の三本柱を持つ企業です。グローバルなインフラ投資や製造業の設備投資の流れに敏感で、指数採用で海外投資家の認知度が高まりやすいタイミングといえそうです。
鉄道・ホテル・レジャーを擁する総合グループです。インバウンドや観光需要の回復基調を背景に、指数採用を機に海外マネーの需要が見込まれやすい場面です。イベント一巡後の値動きには注意しつつ、業績トレンドの確認が大切です。
乳製品・菓子などの総合食品企業です。指数除外は短期的に機械的な売り圧力を招きやすい一方、コスト環境や価格政策、需要動向の落ち着き具合によっては、中期的な見直し余地が意識される局面もあります。需給イベントと業績要因を切り分けて点検したい銘柄です。
即席麺のグローバル企業です。指数除外に伴う需給面の逆風は想定されますが、原材料や物流コストの動向、海外事業の収益性といった個別要因が中期の株価を左右しそうです。指数除外による需給が一巡したあとの基礎体力を確認したいところです。
乳酸菌飲料などを展開。指数除外で短期の売られやすさはあるものの、海外事業の伸長やブランド力など、個別テーマは引き続き注目です。消費環境や実質賃金の動向が、食品・飲料業界全体の企業価値評価に影響を与えやすい点にも注意が必要です。
◎パッシブ運用とインデックス運用は、ほとんどの場合、同じ意味で使われます。厳密な違いは以下の通りです。
パッシブ運用
市場の「平均点」を目指す「運用スタイル(考え方)」を指します。「アクティブ運用(市場平均超えを目指す)」の対義語です。
インデックス運用
日経平均やS&P 500といった特定の「指数(インデックス)」に連動させることを目指す「具体的な手法」を指します。
つまり、インデックス運用は、パッシブ運用という「考え方」を実現するための、最も代表的な「手法」です。現実には「パッシブ運用=インデックス運用」として使われることが大半です。
◎新規採用銘柄は発表〜実施まで買い需要が先行しやすく、実施後は上昇一服しやすい傾向です。除外銘柄はその逆となるケースもあります。あくまで一般的な経験則であり、これとは違う動きとなる可能性もあります。
記事作成日:2025年11月6日
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