日本発の次世代技術「ペロブスカイト太陽電池」関連の日本株14選

💡この記事のポイント

✅高市首相は「ペロブスカイト太陽電池」を推進する方針

✅「薄い・軽い・曲げられる」次世代の太陽電池

✅注目のペロブスカイト関連の日本株をご紹介

🔎登場する主な銘柄

積水化学工業パナソニックレゾナックINPEX


目次

高市首相の誕生は「ペロブスカイト太陽電池」に追い風?

薄い・軽い・曲げられる「ペロブスカイト太陽電池」とは

積水化学工業<4204>

パナソニックホールディングス<6752>

レゾナック・ホールディングス<4004>

マクニカホールディングス<3132>

INPEX<1605>

ENEOSホールディングス<5020>

日産化学<4021>

AGC<5201>

富士フイルムホールディングス<4901>

アイシン<7259>

キヤノン<7751>

リコー<7752>

トヨタ自動車<7203>

三菱HCキャピタル<8593>

日本発の次世代技術「ペロブスカイト太陽電池」関連の日本株14選

高市首相の誕生は「ペロブスカイト太陽電池」に追い風?

2025年10月21日に誕生した高市早苗首相は、かねてよりエネルギー自給率の向上を重視する姿勢を示してきました。その一つとして、太陽光発電など再生可能エネルギーの比重を下げ、原子力発電を重視する姿勢を掲げています。特に太陽光発電については、国内の景観や環境への影響を考慮し、安価な外国製パネルを大量導入に頼るのではなく、日本が強みを持つ技術でエネルギー問題に取り組むべきだとして、既存の補助金制度を見直す方針を示しています。


こうした中、高市総裁が大きな期待を寄せているのが、日本発の次世代技術「ペロブスカイト(Perovskite)太陽電池」です。開発や普及を積極的に推進するとしており、今後のエネルギー政策の柱の一つになる可能性があります。


薄い・軽い・曲げられる「ペロブスカイト太陽電池」とは

ペロブスカイト太陽電池は、2009年に日本で開発された新しいタイプの太陽電池です。


現在主流のシリコン系太陽光パネルと比べて、「薄い・軽い・曲げられる」などのメリットがあります。その厚みはシリコンの100分の1ほどで、フィルムのように薄く軽量で柔軟性があるため、これまで設置が難しかった建物の壁や曲面、耐荷重の低い屋根など、様々な場所に設置できると期待されています。さらに、曇りの日や室内のわずかな光でも発電できる効率の高さも大きな特徴です。


この革新的な技術の実用化に向けて、多くの企業が開発を進めており、今後の普及加速が期待される分野です。今回は、このペロブスカイト太陽電池に関連する日本株をご紹介します。


積水化学工業<4204>

住宅カンパニーを主軸とする大手樹脂加工メーカー。


ペロブスカイト太陽電池の開発において、世界をリードする企業の一つです。独自の「封止技術」により、課題であった耐久性を大きく向上させました。大阪・関西万博会場の西ゲート前バスターミナルで大規模実装が進み、実装案件が表彰対象になるなど社会実装が加速しています。東京都の施設(東京国際クルーズターミナル)でも実証が行われました。


パナソニックホールディングス<6752>

日本を代表する総合電機メーカー。


長年培ってきた太陽電池の開発技術を活かし、ペロブスカイト太陽電池の研究開発にも注力しています。インクジェット塗布技術などで“発電するガラス”の実装を進め、ガラス一体型(BIPV)の展示・実証を発表し、BtoB(企業向け)ソリューションとしての展開を目指しています。


レゾナック・ホールディングス<4004>

半導体材料や化学品などを手掛ける化学メーカー。


名古屋大学との共同研究により、ペロブスカイト太陽電池の課題であった寿命を、主流のシリコン型に匹敵する約20年へと大幅に延ばす技術を開発しました。軽量で曲げられるという特長と長寿命を両立させることで、2020年代後半の実用化を目指しています。


マクニカホールディングス<3132>

半導体や電子部品などを扱う専門商社。


自社で製造は行いませんが、海外の有望な技術や製品を発掘し、国内市場へ展開する役割を担います。ペロブスカイト太陽電池の分野では、環境省採択の実証事業として横浜港大さん橋など重耐塩の苛烈環境での実証を主導するなど、次世代技術の国内普及をリードする存在です。


INPEX<1605>

石油・天然ガスの開発・生産・販売を手掛ける日本最大級のエネルギー開発企業。


次世代エネルギー分野への投資も積極的に行っており、ペロブスカイト太陽電池の原料となる「ヨウ素」を国内で生産するメーカーでもあります。また、スタートアップ企業への出資を通じて、原料供給から技術開発まで、サプライチェーン全体での関与を深めています。


ENEOSホールディングス<5020>

石油元売りで国内最大級の企業グループ。


サービスステーション網を活用した次世代エネルギーの供給拠点化を進めています。ペロブスカイト太陽電池については、原料となるヨウ素を生産しており、2024年にはグループのJX石油開発が100億円以上を追加投資し、生産能力を5年以内に2倍の年間440トンにすると発表しています。


日産化学<4021>

化学品や医薬品、農業化学品などを製造する化学メーカー。


材料・コーティング技術を背景に、ペロブスカイト太陽電池向けにプラスの電荷だけを通す「正孔輸送材料」を開発しています。この材料は、発電効率や耐久性の向上に貢献する重要な部材であり、素材メーカーとして市場の成長を支える役割が期待されます。


AGC<5201>

世界トップクラスのガラスメーカー。


日本電気<6701>と共同で、建物の窓ガラスに建材一体型の太陽光発電ガラスと透明な5Gアンテナを組み合わせた基地局の実証に成功しています。景観を損なわずに通信エリアを拡大できる技術として注目されています。今後は、ペロブスカイト太陽電池の活用も視野に入れ、さらなる技術開発を進めていく方針です。


富士フイルムホールディングス<4901>

写真フィルムで培った高い技術力を、医療・ヘルスケアや高機能材料の分野で展開する化学メーカー。


ペロブスカイト太陽電池の開発者である宮坂力氏がかつて在籍していた企業でもあります。現在は、子会社の富士フイルム和光純薬が発電層の材料となる高品質な試薬を提供しています。


アイシン<7259>

トヨタグループの大手自動車部品メーカー。


1999年から次世代太陽電池の研究に着手し、東京大学との産学連携で開発を推進しています。酸素や水を通しにくい薄板ガラスを素材に採用することで耐久性を高め、20年以上の長寿命化を目標に掲げています。現在はペロブスカイト太陽電池の社会実装に向け、自社工場での実証実験を行っています。


キヤノン<7751>

カメラやプリンター、医療機器などを手掛ける大手電機メーカー。


複合機・プリンターの基幹部品である「感光ドラム」の技術を応用し、発電効率を維持したまま「耐久性」と「安定した量産」を両立する高機能材料を開発しました。この新材料により、ペロブスカイト太陽電池の量産への貢献が期待されています。


リコー<7752>

事務機器や光学機器を手掛けるメーカー。


複合機の開発で培った有機半導体やインクジェット技術を応用し、ペロブスカイト太陽電池を開発しています。全ての機能層をインクジェットで塗布する独自の製造プロセスにより、高価な真空装置やレーザー加工が不要となり、低コストでの大量生産やデザインの自由度を向上させています。東京都の施設に開発品を設置し、実証実験を開始するなど実用化に向けた動きを進めています。


トヨタ自動車<7203>

世界トップクラスの自動車メーカー。


カーボンニュートラルの実現に向け、走行中に充電できるEV(電気自動車)を目指し、車載用のペロブスカイト太陽電池の開発に力を入れています。京都大学発スタートアップのエネコートテクノロジーズと共同開発を進めており、軽量で曲げられるという特性を活かして、デザイン性を損なわずに車体へ搭載する技術の確立を目指しています。


三菱HCキャピタル<8593>

三菱グループの総合リース会社。


京都大学発スタートアップのエネコートテクノロジーズと資本業務提携を結び、ペロブスカイト太陽電池を活用した新しいビジネスモデルの構築に取り組んでいます。また、エネコートテクノロジーズ、北海道電力<9509>と共同で、低温・積雪環境下での実証実験を開始するなど、ペロブスカイト太陽電池の社会実装を後押ししています。



記事作成日:2025年10月28日


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