決算発表が出揃ったGAFAM。決算は総じて好調
世界的なIT企業であるGAFAM(Google[Alphabet]、Amazon、Facebook[Meta]、Apple、Microsoft)の2023年7〜9月期決算が出そろいました。総じて好調な決算となりましたが、各社の業績内容にはバラつきもあります。
アルファベット(旧Google)| GOOGL
米グーグルの持ち株会社であるアルファベットの2023年7〜9月期決算は、売上高が前年同期比11%増の766億9,300万ドル、純利益は同42%増の196億8,900万ドルとなり、2四半期連続で最終増益を確保しました。
広告収入は同9.4%増の596億5,000万ドルと好調でしたが、クラウド事業の売上高は同22.5%増の84億1,000万ドルで、過去11四半期で最も低い伸びにとどまりました。同事業の営業利益は2億6,600万ドルと前年同期の4億4,000万ドルの営業赤字から黒字に転じたものの、売上高が市場予想を下回ったことで、クラウド事業の減速を嫌気して株価は引け後の時間外取引で5.7%も下落しました。
アマゾン・ドット・コム| AMZN
アマゾン・ドット・コムの2023年7〜9月期の売上高は、前年同期比13%増の1,430億8,300万ドル、営業利益は四半期ベースで過去最高の同4.4倍の111億8,800万ドルとなり、純利益は99億ドルと同3.4倍に増加しました。
7月に開催した有料会員向け特売「プライムデー」の売上高が過去最高を記録し、業績押し上げに寄与しました。さらに、クラウドサービス部門「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」の売上高は231億ドルとなり、増収を確保しました。
10~12月期の売上高見通しは、1,600億~1,670億ドルと増収を予想しています。好決算と10~12月期の増収予想から、株価は引け後の時間外取引で一時5%上昇しました。
メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)| META
米メタ・プラットフォームズの2023年7〜9月期の売上高は、前年同期比23%増の341億5,000万ドル、純利益は同2.6倍の115億8,300万ドルとなりました。売上高と純利益がともに四半期として過去最高を更新しました。
7~9月期の広告閲覧数が同31%増加するなど、インターネット広告事業が年末商戦期を前に増加したことや、人員削減を含めたコスト削減が寄与しました。なお、2023年の経費見通しを870億~890億ドルに引き下げています。メタの株価は引け後の時間外取引で3%上昇しました。
アップル| AAPL
アップルの2023年7〜9月期決算は、売上高がドル高の逆風もあり、前年同期比1%減の894億9,800万ドルと4四半期連続の減収でしたが、純利益は11%増の229億5,600万ドルと増益となりました。
iPhoneとサービス部門の売上高が増加、特に、中国でのiPhone売上高は四半期ベースで過去最高となりました。一方でMacとiPadの売上高が不振でした。なお、9月22日に発売された新モデルiPhone15の売上高は、この決算にはほとんど含まれていません。
同社は10~12月期の売上高予想を発表しませんでしたが、ルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)が「前年並みになる」との予想を示しました。ただ、これが市場予想を下回ったことから株価は引け後の時間外取引で3.4%下落しました。
マイクロソフト| MSFT
マイクロソフトの2023年7~9月期の売上高は、前年同期比13%増の565億1,700万ドル、純利益は同27%増の222億9,100万ドルでした。生成AI機能を搭載したクラウドサービスとパソコン向けソフトの好調により、3四半期連続で増収増益を確保しました。
クラウドサービスの売上高は同29%増の243億ドルに増加しました。また、パソコンの基本ソフト(OS)を含む部門の売上高は137億ドルとなりました。AI向けを含めた投資にも積極的で、7~9月期の設備投資は112億ドルと2016年度以降の最高を更新しています。好決算を受けて、時間外取引で株価は4.2%上昇しました。
記事作成日:2023年11月14日