💡この記事のポイント
✅バフェット氏は割安な5大商社株を買い増し
✅割安性を測る代表的な指標はPBRとPER
✅指標面から割安な商社株やその他の銘柄6選をご紹介
✅PER、PBR、配当利回りで割安な23銘柄をピックアップ
🔎登場する主な銘柄
✅商社:丸紅、住友商事、三井物産
✅その他:武田薬品工業、パナソニック、オリックス
✅バフェット氏は割安な5大商社株を買い増し
✅割安性を測る代表的な指標はPBRとPER
✅指標面から割安な商社株やその他の銘柄6選をご紹介
✅PER、PBR、配当利回りで割安な23銘柄をピックアップ
✅商社:丸紅、住友商事、三井物産
✅その他:武田薬品工業、パナソニック、オリックス
バフェットが5大商社株を買い増し
日本でも注目の割安株
丸紅<8002>
住友商事<8053>
三井物産<8031>
武田薬品工業<4502>
パナソニックホールディングス<6752>
オリックス<8591>
その他の割安参考銘柄
日本の個人投資家にも絶大な人気を得ている米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏。同氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイ<BRK.B>の株価は今年に入ってからも上昇し、同氏の純資産は1,535億ドルで、今年に入り115億ドル増えたとの報道がありました。
そんなバフェット氏が、今年2月、毎年恒例の「株主への手紙」を公表し、日本の5大商社株(伊藤忠商事<8001>、丸紅<8002>、三井物産<8031>、住友商事<8053>、三菱商事<8058>)の追加投資について言及、これまでの9.9%の持ち株比率上限を「適度に緩和することで合意した」ことを明らかにしました。
この報道をきっかけに日本の商社株がそろって上昇。その後、関東財務局に提出された変更報告書により、実際に持ち株比率を引き上がたことが明らかになり、さらに商社株の上昇に拍車がかかりました。
バークシャー・ハサウェイは、2019年に日本の5大商社株の取得を開始、2020年8月には各社の発行済み株式数の5%超を長期保有目的で取得したことを発表しています。このときは、世界中の投資家から日本株が注目され、日本株市場全体の急上昇のきっかけとなりました。
一般的に、バフェット氏の投資手法は「バリュー株(割安株)投資」とされています。これは、企業の実態や将来性などを考慮し、現在の株価が割安と判断された会社に投資し、長期間に渡って、その株価の水準訂正を待つという手法です。
株価の割安度を測る指標は数多くありますが、ポピュラーなものでは、PBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)などがあります。特に、PBRに関しては、2023年以降、東証(東京証券取引所)がPBR1倍割れ企業に対して改善に向けた取り組みを要請しており、PBR1倍割れ企業の株価が軒並み上昇したという過去もあります。ちなみに、PBRが1倍を割り込んでいるということは、株価が企業の持つ純資産価値以下に評価されているということです。
そこで、今回はバフェット氏が買い増しを進めている5大商社の中から、PBRやPERで割安な3銘柄と、バフェット的視点に立ち、今後注目されそうな割安株を考えてみました。
芙蓉グループの総合商社大手。穀物や重電、プラントに強み。
2024年4-12月期(3四半期累計)決算では、航空や船舶、エネルギー事業が好調で四半期利益は前年同期比14.5%増と好調。
売上高は、5大商社の中で4位だが、配当利回りは4.67%台とトップ。2月には、増配に加えて自社株買いを発表するなど、株主還元にも積極的。中期経営計画では、2030年度までに時価総額10兆円超を目指すとしています。
PBR | PER | 予想配当利回り |
---|---|---|
0.9倍 | 6.7倍 | 4.67% |
※出所:QUICK(2025年4月9日時点)
株価は、バフェット氏の買い増し報道を受けて3月19日年初来高値2,616.5円まで上昇。その後は、全体相場の下落に巻き込まれるかたちで4月9日年初来安値2,007.5円まで下落。
住友系の総合商社。幅広い範囲で事業を展開、なかでも金属取引や自動車などに強み。
2024年4-12月期(3四半期累計)決算では、自動車流通販売事業や海外発電事業が好調。加えて、円安による利益の押し上げも。
売上高は、5大商社の中で5位だが、PBRやPERといった株価指標では割安度が目立つ。配当利回りも4.39%と魅力的。2025年1-3月期で業績上振れなら最高益更新も。
PBR | PER | 予想配当利回り |
---|---|---|
0.76倍 | 6.3倍 | 4.39% |
※出所:QUICK(2025年4月9日時点)
株価は、ほかの商社株と同様にバフェット氏の買い増し報道を受けて3月19日年初来高値3,696円まで急伸し、その後は4月7日年初来安値2,786.5円まで下落。9日の全体安の中でも7日安値を割り込まず、下値抵抗力の強さを見せた。
三井グループ中核の総合商社。金属資源に強み。
2024年4-12月期(3四半期累計)決算では、最終利益が前年同期比10.2%減で着地。鉄鉱石や原料炭などの価格下落や、退職給付制度の改正に伴う費用増などが業績への重荷となりました。
売上高は、5大商社の中で3位。足元では自社株買いを実施するなど株主還元策を打ち出している。PBRも0.95倍と割安度が顕著。2026年3月期来期の業績に期待。
PBR | PER | 予想配当利回り |
---|---|---|
0.95倍 | 7.8倍 | 3.97% |
※出所:QUICK(2025年4月9日時点)
株価は2024年12月高値3,354円から今年2月19日安値2,667.5円へ下落。その後ほかの商社株と同様に上昇し、3月27日高値3,028円から4月7日年初来安値2,365.5円まで下落。こちらも9日の全体安の中でも7日安値を割り込まず、下値抵抗力の強さを見せた。
国内製薬のトップ企業で、がん領域の新薬開発にも注力。
2025年3月期今期は、血漿分画製剤、消化器系疾患、オンコロジー(がん)、希少疾患およびワクチンにおいて事業が好調に推移。為替の円安推移もあり、営業利益は前年同期比60.7%増で着地見込み。
時価総額は7兆円超で、PBRは0.85倍とかなり割安な上に、配当利回りも4.88%。ディフェンシブ銘柄ということもあり、先行き不透明な相場でも下値抵抗力に期待できそう。
PBR | PER | 予想配当利回り |
---|---|---|
0.85倍 | 53.5倍 | 4.88% |
※出所:QUICK(2025年4月9日時点)
株価は2024年のおよそ4,000~4,400円でのボックス相場を、今年3月21日年初来高値4,573円まで上昇し抜けたものの、トランプ関税をきっかけに反落。4月9日年初来安値3,990円とボックスの下限まで下落したことで、値頃感が高い。懸念はトランプ大統領が医薬品輸入への関税を示唆していることから、米国での売上比率が全体の50%を超える同社には重荷の可能性も。
総合家電大手。白物家電のほか、電池などのデバイス事業も展開。
2024年4-12月期(3四半期累計)時点で、売上高に若干の下方修正があったものの、営業利益はエナジーやインダストリーの生成AI(人工知能)関連事業を中心に改善を見込んでいることから据え置き。
時価総額は約4兆円で、PBRは0.66倍。2期連続増配。同社の楠見雄規社長は、過去の株主総会で「PBR2~3倍を目標にして伸ばしていきたい」とコメント。
PBR | PER | 予想配当利回り |
---|---|---|
0.66倍 | 10.4倍 | 2.88% |
※出所:QUICK(2025年4月9日時点)
株価は2024年8月安値986.9円から今年2月18日年初来高値1,919円へ上昇。その後およそ1,700~1,900円のもみ合いでしたが、トランプ関税で下落に転じ、4月7日年初来安値1,363.5円まで下落。海外売上高比率が約60%を占めるため円高進行はマイナス。
リース事業のほか、保険や不動産、環境エネルギー事業も展開。
オペレーティング・リース収益やサービス収入等の増加など、足元の業績も良好。2025年3月期今期は、純利益で前年同期比12.7%増を見込んでいる。
時価総額は約3.5兆円で、PBRは0.73倍、PERは7.7倍と超割安。配当利回りも3.72%と魅力的。大阪・関西万博では、「空飛ぶクルマ」の離着陸施設の運営を実施するなど万博関連の側面も。
PBR | PER | 予想配当利回り |
---|---|---|
0.73倍 | 7.7倍 | 3.72% |
※出所:QUICK(2025年4月9日時点)
株価は2024年7月高値3,788円から下落傾向も、3,300円前後でもみ合いが続き、トランプ関税で今年4月7日年初来安値2,559円まで下落。
他の5大商社株+主な割安株(予想PER15倍以下、PBR1倍以下、配当利回り4%以上、2025/4/8終値ベース)
伊藤忠商事
三菱商事
INPEX
双日
東ソー
小野薬品工業
出光興産
いすゞ自動車
三菱自動車工業
アイシン
マツダ
本田技研工業
SUBARU
ヤマハ発動機
豊田通商
SBIホールディングス
三菱HCキャピタル
大和証券グループ本社
野村ホールディングス
日本郵船
商船三井
川崎汽船
九州電力
記事作成日:2025年4月9日
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