トランプ・トレード~次期大統領関連銘柄~米国株6選

トランプ・トレード~次期大統領関連銘柄~米国株6選

目次

トランプ関連の注目テーマは?

エクソンモービル<XOM>

シェブロン<CVX>

ロッキード・マーチン<LMT>

アールティーエックス <RTX>

ウォルマート<WMT>

コインベース・グローバル<COIN>

トランプ関連の注目テーマは?

世界中の投資家が注目した米国大統領選挙は、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領の勝利となりました。トランプ氏が掲げている政策は、インフレ対策として石油を中心に国内での化石燃料の生産を増加させ、石油価格を現状の半額にまで引き下げることや、繰り返し利上げ政策を批判し、低金利の維持を主張しています。

 

また、1期目の大統領在任時に実現した「トランプ減税」の恒久化や、法人税の引き下げなどによる企業や個人への減税、企業に対する規制緩和の促進などを打ち出しています。さらに、トランプ氏の「アメリカ・ファースト」の象徴として、中国からの輸入品には一律60%、その他の国からの輸入品には最大で20%超の追加関税を課すことも主張しています。

 

ただ、低金利の維持は消費を活性化させる半面、インフレ圧力を強めます。同様に、輸入品関税の強化も物品価格の上昇につながり、インフレ要因となります。また、大型の減税は財政赤字を加速させ、長期金利の上昇を招くことから、こちらもインフレ圧力を強めることになります。

 

ですので、トランプ氏の政策は「おおよそ実現が難しい」との指摘も少なくありません。それでも、トランプ氏が大統領に返り咲くことで、恩恵を受けるセクターはありそうです。

 

たとえば、国内生産への優遇を進めようとしている石油関連、力による平和を打ち出していることから防衛関連、最低賃金の引き上げに後ろ向きな姿勢を示していることから、多数の従業員を抱えるスーパーマーケットやファーストフードなどの小売り関連、さらに、暗号資産(仮想通貨)を支持する姿勢を示しています。そこで、これらの関連銘柄をピックアップしてみました。

 

エクソンモービル<XOM>

世界最大規模の石油会社です。石油と天然ガス事業で開発から精製・販売までを手がけ、「エクソン」、「エッソ」、「モービル」などのブランドでグローバル展開しています。

2024年第3四半期(7-9月期)決算は、売上高が前年同期比0.8%減の900.1億ドル、最終利益が同5.1%減の86.1億ドル、一株当たり利益は同14.7%減の1.92ドルでした。

四半期配当を0.95ドルから0.99ドルに増配しています。生産は順調で液体生産量は過去40年以上で最も多い日量320万バレルとなりました。

 

株価は11月1日の決算発表を受け、一時115ドル割れの水準まで下落しましたが、その後は回復基調を辿っています。トランプ氏の勝利を受けて、11月6日高値121.91ドルまで上昇しました。

 

シェブロン<CVX>

世界最大規模の石油会社です。石油と天然ガス事業で開発から精製・販売までを手がけています。

2024年第3四半期(7-9月期)決算は、売上高が前年同期比6.3%減の506.6億ドル、最終利益が同31.2%減の44.8億ドル、一株当たり利益は同28.7%減の2.48ドルでした。生産は好調で世界的な生産量は7%増加しました。

 

株価は9月11日年初来安値135.37ドルを底に順調に上昇しています。11月に入ってからはさらに上昇基調を強めて、11月7日時点では160ドルに迫っています。

 

ロッキード・マーチン<LMT>

軍需品の設計・製造のほか関連サービスなどを手がけています。

2024年第3四半期(7-9月期)決算は、売上高が前年同期比1.3%増の171億ドル、最終利益が同3.6%減の16.2億ドル、一株当たり利益は同1%増の6.8ドルでした。主力の航空では「F-35」の生産が減少しましたが、ミサイル・火器は生産量が増加しました。通期業績の見通しを上方修正し、売上高を712.5億ドルに引き上げています。

 

株価は10月21日上場来高値618.95ドルで頭打ちして、11月6日安値540ドルまで下げました。足元では、トランプ氏の勝利を受け、やや値を戻しましたが、ここからのリバウンドに期待したい銘柄です。

 

アールティーエックス <RTX>

地対空ミサイル「Patriot(パトリオット)」、巡航ミサイル「Tomahawk(トマホーク)」などを手掛けている航空宇宙・防衛企業です。

2024年第3四半期(7-9月期)決算は、売上高が前年同期比49.2%増の200.8億ドル、最終利益が前年同期の9億ドルの赤字から15億ドルの黒字に転換、一株当たり利益も前年同期の0.68ドルの赤字から1.09ドルの黒字に転換しました。民間機のアフターマーケットと防衛部門が順調でした。通期の売上高見通しを79.25~79.75億ドルの間に引き上げています。

 

株価は10月22日上場来高値128.7ドルを付けた後、11月5日安値117.7ドルまで調整しましたが、この銘柄もトランプ氏勝利を好感して再び上昇に転じています。11月6日には高値122.86ドルまで上昇しました。

 

ウォルマート<WMT>

小売店「ウォルマート」の運営などを手がけています。

2024年第2四半期(5-7月期)決算は、売上高が前年同期比4.8%増の1,693.3億ドル、営業利益が同8.5%増の79.4億ドル、最終利益は同43%減の45億ドル、一株当たり利益は同42.3%減の0.56ドルでした。消費財や食品に対する需要を背景に、オンライン注文が増加しています。2025年の売上高見通しを従来の3~4%増から3.75~4.75%増に、一株当たり利益を2.23~2.37ドルから2.35~2.43ドルに引き上げています。第3四半期(8-10月期)決算は11月19日に発表予定です。

 

株価は8月8日安値66.67ドルを底に右肩上がりの上昇トレンドが続いており、11月6日高値85.54ドルまで上昇しました。派手な値動きはないものの、今後も着実高に期待したい銘柄です。

 

コインベース・グローバル<COIN>

暗号資産取引プラットフォームを手がけています。

2024年第3四半期(7-9月期)決算は、売上高が前年同期比78.8%増の12億ドル、営業利益は前年同期の0.79億ドルの赤字から1.6億ドルの黒字に転換、最終利益も0.02億ドルの赤字から0.75億ドルの黒字に転換、一株当たり利益も0.01ドルの赤字から0.28ドルの黒字に転換しました。取引高が大幅に増加したことで、手数料収入が増加しました。

 

トランプ銘柄としての思惑から、トランプ氏が大統領選に勝利すると、11月5日終値193.96ドルから11月6日高値257.68ドルまで急上昇しました。翌日11月7日は高値259.69ドルまでさらに上昇しました。値動きの激しい銘柄ですので、買い時がポイントとなりそうです。

 

記事作成日:2024年11月8日

公開日:2024.11.8

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