株価下落はテンバガー候補の仕込みのチャンスに
株価が10倍になった銘柄を「テンバガー」と呼びます。テンバガーを発掘するのは簡単ではありませんが、いくつかのヒントはあります。業績の伸びは当然ですが、それ以外にもテーマ性や会社の規模(時価総額)なども注目材料です。
今では、米国の巨大IT企業となっているアマゾン・ドット・コム<AMZN>やエヌビディア<NVDA>といった有名企業も、過去には時価総額が低い規模の小さな会社でした。
一方、最近では、著名投資家のウォーレン・バフェットが率いるバークシャー・ハサウェイ<BRKB>の時価総額が1兆ドル台に達したことも話題になりました。時価総額1兆ドル企業と言えば、IT企業の独壇場でしたが、バークシャー・ハサウェイは投資会社です。
今夏以降、日米の株式市場で株価が乱高下しており、過去に高い株価をつけていた会社が急落しているケースもあります。株価下落の理由は様々ですが、業績が上向いているのであれば、再び株価が上昇に転じても不思議ではありません。
今回は、株価が一時より下げている銘柄の中から、テンバガー候補となりそうな日米の銘柄をピックアップしてみました。
米国株3選
リフト<LYFT>
米国やカナダでライドシェアサービスを展開。ライドシェアとは、スマホアプリなどを通じて一般のドライバーと顧客をマッチングさせるサービスのこと。
米国の配車アプリでは、ウーバー・テクノロジーズ<UBER>に次いで2位。8月に発表した2024年第2四半期(4-6月)の決算では、チップを除いた乗車の取引額を表すグロスブッキングがアナリスト予想を下回ったことで株価は下落。
四半期ベースでは初の黒字を計上したものの、年間ベースでの黒字化は今後何年も見込んでいないとしている。ただ、6月には向こう3年間のクロスブッキング成長率が年平均15%になるとの見通しを示している。今後の業績次第ではあるが、株価は底値圏で推移していることからリバウンドに期待。
2019年の上場直後につけた88.6ドルが上場来高値。約5年半が経過した現在では、12ドル近辺での推移となっています。今後の業績次第では大きなリバウンドが期待できそうです。時価総額も比較的小さく、波に乗れば大幅上昇も。
ジロー・グループ<ZG>
不動産の購入や販売、賃貸に関するウェブサイトを運営。
8月に発表した2024年第2四半期(4-6月)の決算では、売上高や一株当たり利益がアナリスト予想を上回ったことで株価が急上昇。ただ、2021年には212ドル台をつけていたこともあり、リバウンドを考えるなら上値余地は十分。
また、住宅関連は、11月の大統領選挙でハリス氏、トランプ氏のどちらが勝っても追い風と考えられている。
株価は、2020年1月の40ドル台から2021年2月にかけて大きく上昇し、ピーク時には212ドル台をつけました。その後は調整に入り、2022年10月安値26.21ドル以降は30~60ドル程度で推移しており、今年9月19日には年初来高値65.75ドルをつけました。米国大統領選や米国金利の低下が株価上昇の材料になる可能性もありそうです。
シースリー・エーアイ<AI>
AI(人工知能)のソフトウェアを展開。様々な分野と密接な関りを持つAIは、将来的にも大きな需要拡大が期待されている。また、株式市場の大きなテーマとして認知されており、昨今の米国株上昇のけん引役にもなっている。
赤字が継続しているが、売上高は確実に伸びている。将来的に業績がついてくれば、大きな株価上昇の可能性も。
2020年12月に上場し、上場直後に183ドル台をつけました。その後は下落が続き、2022年末には一時10ドル近辺まで下がりましたが、2023年6月高値48.87ドルまで上昇。その後、今年9月5日年初来安値18.85ドルまで下落しましたが、10月9日時点では26ドル台まで戻しています。テーマ性がある銘柄だけに、業績改善などで注目が集まれば急上昇の可能性も期待される銘柄です。
日本株3選
ジェイドグループ<3558>
靴やファッションの通販サイト「ロコンド」を運営。2022年に買収したリーボックブランドが好調。
2025年2月期の業績は大幅な増収を見込んでおり、続く2026年2月期に期待がかかる。株価にプラス要因となる自社株買いにも積極的。
2020年には、約6カ月間で株価が7倍になった実績もある。時価総額は230億円程度で株価の値動きも軽そう。
2020年3月上場来安値575円から同年9月上場来高値4,180円まで約6カ月間で7倍に上昇。その後、2022年3月安値890円まで下落しましたが、今年3月22日高値2,828円へ上昇。それ以降は乱高下がありつつも足元は2,000円近辺で推移しています。
過去の値動きを見ると、上昇も下落もある程度続くことが多く、今春以降は乱高下がありつつも上昇傾向で、さらなる上昇も期待される銘柄です。
弁護士ドットコム<6027>
月間1,000万人超が利用する国内最大級の弁護士検索サイトを運営。
業績推移も良好で、2025年3月期は、売上高で前年比30.2%増、営業利益で同37.5%増を見込んでいる。
業績は過去最高益を更新しているにもかかわらず、株価は2020年10月上場来高値の15,880円から大きく調整中。業績の裏付けがある銘柄だけに、下値不安も少なそう。
株価は、2020年10月高値15,880円から2023年3月安値2,222円へ下落。その後2023年9月高値5,800円まで上昇しましたが、今年5月30日安値2,466円へ下落。そこから7月17日高値4,065円まで上昇しましたが、夏以降はおよそ2,800~3,600円程度で推移しています。
ブイキューブ<3681>
目的に合わせたイベント開催支援、防音個室ブース「テレキューブ」、遠隔医療やネットセミナーの開催支援などを展開。
2023年12月期は、特別損失を計上したこともあり、一時的に赤字に落ち込んだ。ただ、2024年12月期には、黒字転換の予定。
注目は株価の下落率で、2020年12月上場来高値3,785円をつけた株価が、足元では210円台と、15分の1以下の水準となっている。
2020年1月の500円台から同年12月上場来高値3,785円へ上昇。それ以降は長期下落傾向で今年8月5日安値181円へ下落。足元はおよそ210~230円程度で推移しています。
業績が落ち込んだとはいえ、下落率も大きいだけにリバウンドがあれば大きく動く可能性もありそうです。
記事作成日:2024年10月10日