インフレや中東情勢の悪化で注目度が高まるゴールド
今年に入り、金(ゴールド)価格が幾度となく史上最高値を更新しています。金の代表的な指標は、ニューヨーク金先物価格(NY金)ですが、年初の1トロイオンス=2,000ドル台から4月中旬には一時2,400ドル台へと急伸、その後はやや調整局面にあるものの、直近では再び上昇に転じています。
預貯金や債券、株式の配当などとは異なり、金そのものには利息等はつきませんが、それ自体に価値がある「実物資産」として、インフレや有事(テロや戦争)の際に、安全資産として買われる傾向があります。
最近では、世界的なインフレ高止まりや中東情勢の悪化などを背景に金市場に投資資金が流入しているようです。また、中国やインドに加え、新興国の中央銀行も金の保有を増やしているとの報道もあり、今後も金価格の上昇を後押ししそうです。ちなみに、米国の大手金融機関のアナリストの中には、3,000ドルをターゲットとして挙げているところもあります。
実は金融商品の中には、金価格に連動するETF(上場投資信託)や通常の投資信託はもちろん、探せば金価格上昇の恩恵を受ける個別銘柄もあります。そこで今回は、ゴールド関連の金融商品をピックアップしてみました。
金(ゴールド)コース:SPDRゴールド・シェア<GLD>
SPDRゴールド・シェアは、米国市場に上場する金ETFで、金の現物価格に連動する金融商品です。株式市場に上場しているため、通常の米国株と同様、マーケットが開いている時間であれば、いつでも売買が可能。中長期の運用はもちろん、一時的な持ち株のリスクヘッジなどにも活用することができます。
株価は2022年10月安値約151ドルから今年4月12日高値約225ドルまで上昇しています。その後は210ドル~220ドル程度でのもみ合いとなっていますが、直近は220ドルを超えてきました。
三菱UFJ 純金ファンド 愛称:ファインゴールド
三菱UFJアセットマネジメントが運用する投資信託で、NISAの成長投資枠での購入もOKです。日本国内の取引所における金価格に連動する投資成果を目指します。
2024年4月30日の月次レポートによると、「中東情勢の緊迫化などを背景に安全資産とされる金は買われる展開が続き、4月上旬から中旬にかけて金価格は最高値更新基調で推移しました。」とのことです。
| 1ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | 3年 | 設定来 |
騰落率 | 5.6% | 21.4% | 34.7% | 84.2% | 185.4% |
※出所:2024年4月月次レポート
住友金属鉱山<5713>
東証プライム市場に上場する銘柄で、金や銅、ニッケルなどの非鉄金属と電子材料が主力。株式市場では、古くから「金関連銘柄」として認知されています。2025年3月期は、売上高3.2%増を見込んでいます。各種指標は以下のとおりです。
・PER(株価収益率):25.0倍
・PBR(株価純資産倍率):0.78倍
・ROE(自己資本利益率):3.43%
・予想配当利回り:1.94%
※出所:QUICK(2024年5月16日)
株価は、今年2月安値3,873円を底に上昇に転じ、4月15日には5,479円の年初来高値をつけました。その後は5月10日安値4,760円まで下落し、直近は5,000円台に戻しています。
※各銘柄の詳細は目論見書やホームページ等をご覧ください
記事作成日:2024年5月16日