物価高の今だからこそ注目したい衣料品株
気温も暖かくなり、お出掛けするにはよい季節となってきました。お出掛けするなら「新しい洋服を買いたい!」と思っている人も多いかもしれません。
しかし、円安の進行や原材料費の高騰といった影響から、多くの物で値上げの動きが広がっています。買い物のたびに支払い金額が増えたことを実感して、節約に励まないと、と考えている人も多いのではないでしょうか?
そんな物価高の今だからこそ注目したいのが、コストパフォーマンスに優れたアイテムです。そこで今回は、物価が上昇している今だから、多くの消費者に支持されるコスパに優れた衣料品を展開している注目3銘柄をご紹介します。
ファーストリテイリング<9983>
企業紹介
「ユニクロ」を世界展開する衣料品メーカー。若者向けの低価格帯ブランド「ジーユー」等も展開するSPA(=製造小売業)で世界3位。
注目ポイント
低価格帯で比較的高品質の商品を展開していることもあって、一度は「ユニクロ」の洋服等を身に付けたことがあるという人も多くいるのではないかと思います。
同社は日本国内のみならず世界中で店舗を展開している、日本を代表するグローバル企業の一つです。国内売上は物価上昇の影響もあってか足踏み状態となっている一方で、海外での販売が好調を維持しています。全体に占める海外の売上比率は50%超と年々高まっていて、海外での販売が同社の業績を支えていると言っても過言ではありません。
海外での業績が好調な上に、足元では円安が進行していることから為替差益も発生していて、業績を押し上げています。
株価動向
日経平均の採用銘柄の一つで、日経平均の値動きへの寄与度がトップと高いのが特徴です。そのため、日経平均の値動きに連動しやすい一面があり、日経平均の調整とともに株価は2024年4月に入って、1日の高値48,040円から19日の安値40,120円まで約16%値下がりしました。
中長期的には上昇トレンドが継続していますが、短期的には2月中旬頃の水準あたりまで株価が下落しています。PER(株価収益率)が約39倍と若干割高ですので、まずは株価の下げ止まりを見極めたいところです。
ワークマン<7564>
企業紹介
作業服や作業関連商品を販売するチェーン店で、低価格帯の商品が多い。最近は女性や若者向けの店舗等も展開。
注目ポイント
元々は作業服や関連商品の販売を「ワークマン」で行っていましたが、近年のアウトドアブームの波に乗って、集客力の高いショッピングセンターを中心に若者や女性向けの「ワークマンプラス」や「ワークマンプラス女子」等の店舗を展開しています。
店舗数は急拡大していますが、物価高や円安進行による影響から減益という厳しい業績を強いられており、2024年3月期決算予想は下方修正を行いました。今後は円安などに伴うコスト増を価格転嫁できるかに注目したいところです。
株価動向
足元の業績を見ると伸びが鈍化している点が嫌気されているようで、株価は2023年春以降は下落傾向が続いています。2023年10月からは安値を切り上げ、高値を切り下げながら4,000円を挟んでの弱いもみ合いとなっています。業績が再び成長する状況になれば、株価も上昇に転じる可能性も考えられるでしょう。
しまむら<8227>
企業紹介
低価格帯のファッション衣料品店を全国にチェーン展開しており、近年はベビー向けも展開。
注目ポイント
低価格帯の商品を取り揃えていることから気兼ねなく流行の洋服等を購入できるところが老若男女問わず多くの人に支持されているようです。
業績は大きな浮き沈みなく順調に推移していることから、配当金は毎年増加傾向にあります。2月の権利確定日には、1株から2株の株式分割も行いました。店舗で利用できる買い物券の株主優待を行っていますが、分割後も株主優待の内容を据え置いたため、優待獲得に必要な資金は半分となり、実質拡充となりました。ただ、権利確定日は変則的な日程となっていて、2月20日ですから注意しましょう。
株価動向
業績が順調に拡大していることもあって、株価は長期的に上昇傾向が続いています。ただ、足元では3月21日の上場来高値9,235円から4月17日安値7,138円まで約23%も下落しました。その後はやや反発していますので、今後の業績と株価動向に注目です。
記事作成日:2024年5月1日
ファイナンシャルプランナー
横山利香
短大卒業後、金融専門出版社やビジネス書出版社で雑誌の記者、書籍の編集者を経て、ファイナンシャルプランナー、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)として独立。株式や不動産、外貨、投資信託など、資産運用をテーマとした執筆や講演活動、投資塾などを行う。株式や不動産への投資を中心に、為替などさまざまな金融商品への投資を行う。大学生の子どもがいる。