第17回 つみたて投資の増額/減額はいつすべき?

第17回 つみたて投資の増額/減額はいつすべき?

目次

つみたて投資でリスクを抑える

つみたて金額の変更タイミングは?

株価の下落局面では減額すべき?

つみたて投資でリスクを抑える

世界中の景気が良好で株価が右肩上がりに推移している時は、投資初心者でも資産を増やすことはさほど難しくありません。でも、昨今のように株価が激しく乱高下しているような時は、一時的にマイナスとなってしまうこともあります。

 

そんなときこそ活用したいのが、「つみたて投資」です。毎月一定の金額で同一ファンドを購入する場合、基準価額が安い時にはたくさんの口数を、基準価額が高い時には少ない口数を購入することによって、買付単価が平均化される(ドルコスト平均法)というメリットがあります。

 

つみたて金額の変更タイミングは?

一般的につみたて投資は、できるだけ早く、そして長期にわたって行うほど効果が高いと言われています。ただし、無理は禁物。はじめての資産運用であれば、あくまでも余裕資金の中から少額でスタートしてみるべきでしょう。そして、ライフステージの変化投資知識の蓄積に応じて、毎月のつみたて金額を変更してみてはいかがでしょうか。

 

たとえば、会社で役職が上がった場合や転職して給料が上がった場合、また、子供が学校を卒業して独り立ちしたようなケースでは、生活にある程度の余裕が出るかもしれません。そんな時は、つみたて金額を増やす絶好のタイミングです。

 

一方、投資を勉強することで知識がついてきた場合には、世界経済や株式市場の状況によってつみたて金額を増減してみるのもひとつの戦略です。たとえば、将来的に株式市場が上昇していくと考えれば、つみたて金額を増やすチャンス。相場の先行きが不透明でも、いずれ株価が持ち直すと期待する場合なども増額を考えてもいいでしょう。

減額については、収入が下がったなど家計状況に変化があった場合に検討してもいいかもしれません。つみたて投資は続けることで資産を増やしていく方法ですので、つみたてが厳しくなったときは、一時的に減額して少額でも続けていくことが大切です。

 

株価の下落局面では減額すべき?

ただ、注意したいのは、株価が大きく下落している局面で精神的に耐えきれず、つみたてをやめてしまったり、減額したりすることです。前述したように、株価が下がっている時は、つみたて投資ではたくさんの口数を購入することができます。これが将来的な資産形成に大きく反映されることになるからです。

 

実際、2024年8月上旬には、日経平均株価が歴代ワーストワンの下落幅を記録しました。この時は、投資初心者だけではなく、投資の上級者たちも持ち株を慌てて処分したことで、さらなる株価の下落につながりました。でも、この時につみたて金額を一時的に増やしていたらどうでしょうか。

 

一時は31,000円割れ目前だった日経平均は、10月中旬現在では4万円台を回復しています。株は安い時に買うのがセオリーです。特に、長期スタンスでつみたて投資を行っている場合には、株価下落で投資をやめるのではなく、「チャンスが来た」と考えてみてはいかがでしょうか。

 

また、異なる種類の投資信託で新たにつみたてを始めてみるのも効果的です。有名な相場格言に「卵はひとつのカゴに盛るな」というものがあります。これはひとつの投資対象に資金を集中させるのではなく、複数の対象に分散して投資することの重要性を説いています。

 

たとえば、日本株だけを対象にした投資信託を購入している場合には、そこに米国株や世界中の株式市場に分散投資する投資信託を組み入れることでリスクが分散されます。よりリスクを小さくしたい人は、株式や債券、リート(不動産投資信託)など種類の違う資産に分散して投資するバランス型の投資信託を活用するのも効果的でしょう。

 

いずれにしてもつみたて投資だからといって、ずっと放置するのではなく、1年に数回は自身の資産運用をあらためて見つめ直してみましょう。

 

記事作成日:2024年10月28日

公開日:2024.10.28

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