株の買い時はいつがいい?
「株はいつ買うのがいいのか?」
これは、株の上級者にとっても難しいテーマです。ただ、株は「安いところで買って、高いところで売る」ことで利益が出ますので、できるだけ安いところで購入するに越したことはありません。
では、なぜ株の買い時が難しいのか?
それは、マーケットというものが常に変動しているからです。中長期のスタンスであれば、できるだけ安い時に仕込み、上昇を待つというのが基本です。
一方、短期投資であれば、株式市場が上昇しているときに購入し、その勢いに乗ることが大切になってきます。
また、長期スタンスのつみたて投資であれば、株を始めようと思った時が買い時と言ってもいいでしょう。
このように、株の買い時は投資家のスタンスによっても異なります。ただ、「昨日より株価が安いから」とか「急落しているので、そろそろ反発するはず」という「値ごろ感」だけで投資することはとても危険です。
株を買うときには、さまざまなテクニックや考え方がありますので、ここでは一般的な株の買い時の考え方をご紹介していきましょう。
買い方のキホン「順張り」「逆張り」とは?
まず、株の買い方としては、「順張り」と「逆張り」という2つの考え方があります。
順張りは、株価が上昇しているときに買うという手法です。チャートで言えば、右肩上がりになっている銘柄が対象になります。日々の上下はあるものの、株価は時間を掛けてトレンドを形成していきます。株価が上昇トレンドにあるということは、投資家の期待が大きく、買いの勢いが続いていることを示します。
たとえば、米国株で言えば、半導体大手のエヌビディア<NVDA>がいい例でしょう。同社の株価は、2023年1月には15ドル程度で推移していました。これが企業業績の拡大と、半導体や生成AI(人工知能)の将来性に期待した投資家の買いにより、右肩上がりのトレンドが形成され、2024年6月には一時140ドル台まで駆け上がりました。わずか1年半で9倍超の上昇です。この間、投資家はどこで買っても利益が出ている計算になります。
一方、逆張りは、株価が下がっているときに購入し、リバウンドを狙う投資手法です。大きな値幅を狙えることもあり、とても魅力的な手法です。
ただ、株価が下がっているには、それなりの理由が存在します。株式市場には「落ちてくるナイフをつかむな」という相場格言もあるほどで、下落途中の株を購入するのは危険だということを伝えています。
では、逆張りはどこで買うべきか。一般的には、株価の下落が止まり、そこから反転が確認できたところが買い場とされています。株価が下げ止まる理由はさまざまですが、下落理由となった問題の解決や悪化した業績の改善など、状況の変化で反転することがあります。
大切なことは、順張りも逆張りも、「なぜ株価が上がっているのか」や「なぜ売られているのか」の理由を投資家自身が考えることです。株価が上がっている理由が一時的なものではなく、将来的にも有望であれば、そこが順張りでの買い場と考えられます。
逆に、株価が下がっている場合には、その理由が一時的なものなのか、それとも時間を要するものなのかを考えましょう。仮に一時的なもので、株価も底打ちが確認できれば、そこが逆張りの買い時と考えられます。
ちなみに、「欧米の投資家は順張りを好み、日本人は逆張りを好む」と言われています。
売買のタイミングはどう判断する?
株価を動かす要因はさまざまですが、最大の要因は「業績」です。それも過去の数値よりも将来的な数値が重要視されます。上場企業には年4回の決算発表が義務付けられていますが、最低でも期末の決算(決算短信)は確認したいものです。
というのも、期末の決算短信には、前期の実績に加え、今期の会社予想が記載されているからです。決算短信には、業界を取り巻く環境なども説明されていますので、ここで将来的にも有望なのかをある程度、見極めることができます。
順張りで買っていた企業の成長スピードが鈍化するような場合には、売り場と考えることもできます。逆に、業績が悪化して株価が下がっていた企業に業績回復の兆しが見えてきた場合などは、逆張りの絶好のタイミングとも考えられます。
個別株もつみたて投資なら難しくない
ただ、株に限らず経済もマーケットも、すべてが教科書通りには動かないものです。株の上級者でも買い時を誤ることは珍しくありません。そこで、「つみたて投資」の出番です。
つみたて投資は、毎月など定期的にムリのない範囲で一定額を投資するのがキホンです。時間と金額を分散することで、買い値が平均化されリスクを抑えた投資が可能になるからです。
PayPay証券では100円からつみたて投資ができますが、投資信託だけでなく、個別株も好きな金額で買うことができます。一度に買うのは勇気がいる個別株も毎月少しずつ買う方法なら、タイミングで悩むことなく株式投資を続けていけるはずです。冒頭で述べた通り、つみたて投資は始めようと思った時が買い時。できるだけ長期間での投資を心掛けましょう。
記事作成日:2024年7月10日