マイナス金利政策解除!金利上昇時代に注目の金融関連3銘柄【はじめての個別株】

マイナス金利政策解除!金利上昇時代に注目の金融関連3銘柄【はじめての個別株】

目次

利上げで好影響を期待できる銘柄

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>

オリックス<8591>

イオン<8267>

利上げで好影響を期待できる銘柄

日銀が3月にマイナス金利政策を解除し、17年ぶりの利上げに踏み切りました。多くの銀行ではこうした状況を受けて早速、普通預金金利を0.001%から0.02%に引き上げたため、「預金金利が20倍!」といった報道も聞かれました。さらに金利が上昇することになれば、これまで常識だった「銀行に預けてもお金は増えない」という状況も少しは変化するかもしれません。

金利の引き上げは預金金利だけでなく、住宅ローンをはじめとした貸出金利にも影響を及ぼしていくことになるでしょう。貸出金利が上昇した場合には、資金を貸し出す側の金融機関の業績に好影響を与えることになるはずです。

そこで今回は、マイナス金利政策から金利上昇へと金融政策が変更された今、企業業績に好影響になりそうな金融関連の注目3銘柄をみていきましょう。

 

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>

企業紹介

国内最大の金融グループ。傘下には銀行や証券、カード、リース等を展開。

注目ポイント

諸外国での金利上昇等の影響もあって、最近は好調な業績が続いています。超低金利が長く続いたことから、株価は万年割安の水準で推移していましたが、東京証券取引所がPBR(株価純資産倍率)で低迷する企業へ改善策の開示、実行を要請したことから、配当金を増配する等の対策を行い、見直し買いが入る動きにもなりました。

金利の上昇がしばらく継続する場合には、貸出金利も上昇することになりますから、さらに業績に好影響を与える可能性が考えられます。

株価動向

マイナス金利政策解除への期待もあって、株価は2024年1月以降、上昇傾向が続きました。2024年3月8日には1,645.5円まで上昇して、年初来高値を更新しました。ただ、マイナス金利政策の解除は織り込み済みだったことから、株価はその後1,500円を挟んでもみ合う動きが継続しています。

中長期的にはマイナス金利政策の解除を織り込んで上昇してきたことから、ものすごく割安というわけではありませんが、長期的には上場来高値である1,950円に向けた上昇に期待したいところです。

 

オリックス<8591>

企業紹介

総合リース最大手。保険や信託、不動産等をはじめ幅広く金融事業を展開している。

注目ポイント

同社は多くの金融事業を展開しており、リースや銀行、保険といった金融サービスが金利上昇の恩恵を受け、業績は順調に推移しているようです。ただ、足元では業績の伸びが落ち着いてきており、今後の業績動向を注視したいところです。

株主還元策として、株主優待を廃止して配当金を重視する姿勢をとっていることもあって、増配傾向にあります。

株価動向

マイナス金利政策解除への期待もあって、株価は2024年1月以降、上昇傾向が続きました。2024年3月21日には3,429円まで上昇して、年初来高値を更新しました。マイナス金利政策の解除は織り込み済みだったことや、株式市場の調整もあって、株価は4月に3,066円まで調整しましたが、その後は反発傾向にあります。

 

イオン<8267>

企業紹介

総合スーパー「イオン」を中心とした総合小売り大手。各業態サービスをM&Aすることで成長を続けていて、傘下には小売りだけでなく、金融サービス等の上場企業もある。

注目ポイント

イオンで専門店を展開するイオンモール<8905>や、イオン銀行等の金融サービスを擁するイオンフィナンシャルサービス等の上場企業が傘下にあります。

イオン銀行ではマイナス金利の解除を受けて、変動金利型の住宅ローン金利を0.1%引き上げることを決めました。金利上昇の恩恵を受けて、好調な業績となるのか注目でしょう。

イオンは株主優待も実施しています。2月末と8月末の株主を対象に、イオンでの買い物に対する返金や割引等の株主優待を受けられます。保有株数や長期保有に応じて、受け取れる株主優待の内容がグレードアップします。

株価動向

株価は2022年6月を底に上昇傾向にあります。株主優待が人気なこともあり、2024年2月27日には3,697円まで上昇して上場来高値をつけました。ただ、株価はその後、株式市場の低迷に伴って利益確定売りに押される動きとなっています。

個人投資家に株主優待が人気を集めていますが、PER(株価収益率)約61倍の水準まで買われており、株価は業績に対して若干割高だと考えることもできそうです。株主優待の取得に向けた買いが入りやすいので、権利付き最終売買日あたりは株価が高くなりやすいと考えられるでしょう。

 
記事作成日:2024年5月8日

ファイナンシャルプランナー
横山利香
短大卒業後、金融専門出版社やビジネス書出版社で雑誌の記者、書籍の編集者を経て、ファイナンシャルプランナー、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)として独立。株式や不動産、外貨、投資信託など、資産運用をテーマとした執筆や講演活動、投資塾などを行う。株式や不動産への投資を中心に、為替などさまざまな金融商品への投資を行う。大学生の子どもがいる。

公開日:2024.5.8

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