【今夜のマーケット展望】
◎NYダウ:2025/12/12終値48,458.05ドル-245.96ドル
◎日経平均:2025/12/15終値50,168.11円-668.44円
◎NY見通し-今週は来年の利下げを巡り11月雇用統計などの経済指標に注目
◎オラクル<ORCL>の社債価格が急落し、利回りが一時ジャンク債並みの水準へ上昇。オープンAI向けデータセンターの完成遅延報道でAI投資への懸念が強まった。会社側は計画は順調と反論するが、CDS(Credit Default Swap:信用リスクに対する保険)スプレッドは2009年以来の高水準を記録し、投資家の警戒感が浮き彫りとなっている状況
◎エヌビディア<NVDA>が、中国からの旺盛な需要を受けAI半導体「H200」の増産を検討。米政府の輸出容認方針でアリババなどが発注を急ぐ一方、中国当局は国産品の購入義務付けを検討しており、台湾セミコンダクター(TSMC)の生産余力も含め先行きには不透明感も残る状況
◎アルファベット<GOOGL>が、出資先であるスペースXの評価額が約8,000億ドルへ倍増したことを受け、新たに巨額の含み益を計上する公算が大きくなったとの報道。内部者株式売却価格の急騰によるもので、市場は次期決算における会計上の利益押し上げ効果を注視している
◎アルファベット傘下グーグルが、オーストラリア政府の1.2億ドル支援を受けパプアニューギニアに海底ケーブル3本を敷設すると発表。中国の太平洋進出を牽制する狙いがあり、デジタル基盤強化を通じて米豪が同国との連携を深め、安全保障上の要衝における影響力確保を図る形
◎コカ・コーラ<KO>による英コスタコーヒーの売却交渉が難航し、破談の危機にあるとの報道。優先交渉相手のTDRキャピタルと価格面で折り合わず、週末に救済に向けた最終協議が行われている模様。コカ・コーラが少数株を保持する形での決着も模索されている状況
◎インテル<INTC>が、AI半導体新興サンバノバを約16億ドルで買収する交渉を進めており、来年1月にも合意の可能性との報道。2021年の評価額50億ドルから大幅なディスカウントとなり、割安に技術を取り込むことでエヌビディアに対抗するAI事業の強化を急ぐ構え
◎ウォルト・ディズニー<DIS>の『ズートピア2』が週末首位を維持し、中国での大ヒットにより全世界興収11.4億ドルに到達。新作『エラ・マッケイ』が歴史的不入りとなるなど市場全体は低迷気味だが、業界は公開直後の『アバター』最新作などホリデー商戦での挽回に期待を寄せている
◎保険会社のチャブ<CB>によるAIGへの買収打診報道を受け、両社が否定するも株価は上昇。投資家は統合によるコスト削減や、チャブの最高経営責任者(CEO)が元AIGトップの息子という背景も好感。規制緩和も追い風に、チャブ株の8%を保有するウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ<BRK.B>の動向を含めた業界再編への期待が高まっている模様
◎サービスナウ<NOW>が、サイバー安保新興企業アルミスの買収に向け最終協議に入ったとの報道。買収額は最大70億ドルで同社過去最大規模となる見通し。数日以内の発表も予想され、自社プラットフォームのセキュリティ機能を強化する狙い
◎注目の経済指標:12月NY連銀製造業業況指数、11月NAHB住宅市場指数など
◎主な決算発表:なし
(2025年12月15日15時35分執筆)
