NY見通し-地政学リスクと5月CPI発表で軟調か

NY見通し-地政学リスクと5月CPI発表で軟調か

 今晩は軟調な展開か。9日のNY株式市場は高安まちまちの展開となった。ダウ平均は一時大幅に下落する場面もあったが、景気循環株やバリュー株への資金ローテーションが支えとなり、86.10ドル高(+0.17%)と3日ぶりに小幅反発して取引を終えた。一方、ハイテク株主体のナスダック総合指数は250.84ポイント安(-0.97%)と反落した。前日に急反発していた半導体や人工知能(AI)関連株の勢いが失速し、高値警戒感から利益確定売りに押されたことが響いた。原油先物の急落でエネルギー株が売られた一方、良好な住宅データを背景に不動産など幅広いセクターが上昇し、市場の下支えとなった。

 

 今晩は中東の地政学リスク激化とインフレ指標が最大の焦点となる。米軍がイランに対し「自衛のための空爆」を実施したと伝わり、停戦合意への懸念から株価先物が下落し、原油価格が上昇している。さらに、寄り前に発表される5月消費者物価指数(CPI)は前年比+4.2%と、4月の+3.8%から上昇が予想されており、実現すれば約3年ぶりに4%の大台を超える高水準となる。変動の大きい食品・エネルギーを除くコアCPIも前年比+2.9%と4月の+2.8%から上昇が見込まれている。地政学リスクの再燃に伴う原油高や、インフレの高止まりが確認されれば、年内利上げ見通しの強まりが米株の逆風となる可能性が高い。地政学とマクロ経済の両面における警戒感から、軟調な展開となりそうだ。

 

 今晩の米経済指標・イベントは5月消費者物価指数(CPI)のほか、MBA住宅ローン申請指数、 EIA週間原油在庫など。企業決算は引け後にオラクルが発表予定。(執筆:6月10日、14:00)