今週のNY市場は物価指標に注目。先週はダウ平均が4.61%高、S&P500が4.66%高とともに3週ぶりに反発し、ナスダック総合も5.74%高と大幅反発した。ダウ平均とS&P500は週間でともに2023年11月以来の大幅高を記録。ダウ平均は週末金曜日に初めて44,000ドルを上回り、S&P500も初めて6,000ポイント台を上回った。ナスダック総合も6日から週末8日まで3日連続で取引時間中と終値の最高値を更新した。米大統領選でトランプ前大統領が勝利し、減税や規制緩和期待が高まり、センチメントは大きく改善。投資家の不安心理を示すVIX指数は前週末の21.88ポイントから14.94ポイントに大幅低下。不安心理が高まったとされる20ポイントを大きく割り込み、8月19日以来の低水準となった。7日に結果が公表された連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利が市場予想通り0.25%引き下げられたことや、堅調な企業業績も支えとなった。10月中旬からスタートした第3四半期決算発表はこれまでS&P500採用の約450銘柄が発表を終え、そのうち74%で調整後一株当たり利益が市場予想を上回った。
今週はトランプ次期政権による景気回復期待や米国経済のソフトランディング期待、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ継続見通しを背景に堅調な展開が期待されるが、利下げ見通しを巡って水曜日に発表される10月消費者物価指数(CPI)や木曜日発表の10月生産者物価指数(PPI)が焦点となりそうだ。12月17-18日のFOMCでは65%の確率で0.25%の追加利下げが予想されているが、CPIやPPIが強い結果となれば、追加利下げ期待の後退が相場の重しとなることが懸念される。このほかの経済指標は10月NFIB中小企業楽観度指数、新規失業保険申請件数、10月小売売上高など。また、ウォラーFRB理事をはじめ、FRB高官の講演なども多数予定され、利下げを巡る要人発言にも要注目となる。
今晩はベテランズデーで債券市場が休場。主要な米経済指標や企業決算の発表はなし。(執筆:11月11日、14:00)
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