今週のNY市場は決算発表に注目。先週はダウ平均が0.96%高、S&P500が0.85%高、ナスダック総合が0.80%高とそろって6週続伸。ダウ平均とS&P500は今年最長の連騰を記録した。オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングの業績警告発表が嫌気され半導体株が軒並み安となる場面もあったが、9月小売売上高や新規失業保険申請件数が強い結果となり米国経済のソフトランディング期待が一段と高まったことや、発表が本格化した第3四半期決算発表が総じて良好な結果だったことが相場の支えとなった。ダウ平均は前週末11日から週末18日まで、16日を除く5日間で取引時間中の史上最高値を更新し、終値でも15日を除く5日間で最高値を更新した。S&P500も14日、17日に取引時間中の史上最高値を更新し、終値では14日と16日に最高値を更新した。ナスダック総合は15日に7月付けた史上最高値まで一時0.57%に迫った。センチメントも改善。投資家の不安心理を示すVIX指数は日経平均株価が1987年のブラックマンデー以来の急落となった8月上旬に一時65ポイント台(終値では38ポイント台)まで上昇したが、先週末は18.03ポイントで終了し、不安心理が高まったとされる20ポイントを下回った。
今週は発表が一段と本格化する第3四半期決算が焦点となりそうだ。10月中旬からスタートした第3四半期決算発表は、これまでにS&P500採用の49銘柄が発表を終え、そのうち84%の41銘柄で調整後一株当たり利益が市場予想を上回った。今週はS&P500採用110銘柄以上が発表予定で、決算やガイダンスに注目が集まる。主要なものはベライゾン・コミュニケーションズ、フリーポート・マクモラン、ゼネラルモーターズ、スリーエム(以上22日)、ボーイング、エーティー・アンド・ティー、コカ・コーラ、インターナショナル・ビジネス・マシーンズ(IBM)、ラム・リサーチ、テスラ(以上23日)、ユニオン・パシフィック、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)、サウスウェスト航空(以上24日)など。景気動向を巡って経済指標にも要注目。9月中古住宅販売件数、9月新築住宅販売件数などの住宅関連指標が発表されるほか、10月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値、9月耐久財受注などが発表される。
今晩の米経済指標・イベントは9月景気先行指数やローガン米ダラス連銀総裁、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁の講演など。企業決算は引け後にアレクサンドリア・リアル・エステート、ニューコア、W.R.バークレーなどが発表予定。(執筆:10月21日、14:00)
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