今晩は米7月小売売上高などの経済指標に注目。昨日は米7月消費者物価指数(CPI)が前年比で+2.9%と2021年3月以来の3%割れとなったことで利下げ期待が継続。ダウ平均が242.75ドル高(+0.61%)と2日続伸し、S&P500も0.38%高と5営業日続伸した。ハイテク株主体のナスダック総合はアルファベットの下落が重しとなったものの、0.03%高とプラス圏で終了した。7月雇用統計の悪化や円キャリートレードの巻き戻しで先週月曜日に急落した米国株は、13日の7月生産者物価指数(PPI)が予想以上に鈍化したことで下落幅をすべて取り戻した。14日は史上最高値までダウ平均が3.31%、S&P500が3.78%に迫り、一時高値から10%以上下落し「調整相場入り」となったナスダック総合も下落率を7.92%に縮小した。
今晩は引き続き経済指標に注目する展開か。7月PPIと7月CPIが鈍化したことで市場では年内4回の利下げ期待が一段と高まった。投資家の不安心理を示すVIX指数が7月23日以来の低水準となり16.19ポイントに低下するなどセンチメントも大きく改善した。一方、8月2日に発表された7月雇用統計の悪化を受けて景気減速懸念が強まっており、今晩発表される7月小売売上高や新規失業保険申請件数などの経済指標が焦点となりそうだ。7月小売売上高は前月比+0.3%と6月分の0.0%から改善が見込まれ、新規失業保険申請件数も強い結果となった前週分から微増が予想されている。経済指標が予想通りおおむね強い結果となれば、景気減速懸念の後退も株価の支援となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは7月小売売上高、新規失業保険申請件数のほか、8月NY連銀製造業業況指数、7月鉱工業生産など。企業決算は寄り前にディア、ウォルマート、引け後にアプライド・マテリアルズなどが発表予定。(執筆:8月15日、14:00)