今晩はインフレ指標と大手金融機関の決算発表に注目。昨日はダウ平均が32.39ドル高(+0.08%)と小幅に2日続伸した一方、S&P500が0.88%安、ナスダック総合が1.95%安とともに8営業日ぶりに反落した。米6月消費者物価指数(CPI)が予想以上に鈍化したことで利下げ期待が高まったことや米10年債利回りが低下したことで、金利低下の恩恵を受ける住宅関連株や不動産株、小型株などが上昇した一方、年初からの相場上昇をけん引した一握りのハイテク・ジャイアントに利益確定売りが強まった。時価総額加重指数のS&P500は4月以来の大幅安となったが、S&P500のイコール・ウエート指数は前日比1.17%高と上昇し、S&P500の採用銘柄は396銘柄が上昇し、下落は107銘柄にとどまった。
今晩は週末の取引となるが、利下げの見通しを巡り米6月生産者物価指数(PPI)や7月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先期待インフレ率速報値などの経済指標に引き続き注目が集まるほか、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、シティグループなどの大手金融機関の4-6月期決算発表が焦点となりそうだ。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が今週の議会証言で高金利政策の長期化による景気悪化リスクに言及したことや、昨日の6月CPIの伸びが鈍化したことで9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げがほぼ確実視される中、今晩のPPIやミシガン大期待インフレ率でもインフレ鈍化傾向が確認できれば、FRBによる利下げ期待が年後半の米国株の支援となりそうだ。
今晩の企業決算は寄り前にJPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、バンクオブニューヨークメロン、ファスナルが第2四半期決算を発表する。(執筆:7月12日、14:00)