NY見通し-今週は金融政策の見通しを巡り、10月コアPCE価格指数に注目
今週のNY市場はインフレ指標に注目。先週はダウ平均が1.27%高、S&P500が1.00%高、ナスダック総合が0.89%高とそろって4週続伸。S&P500とナスダック総合が6月以来、ダウ平均は4月以来の長期続伸となった。感謝祭ウィークで23日が休場、24日が午後1時までの短縮取引となり、薄商いとなったが、米10年債利回りがおおむね安定的に推移したことや、米連邦準備理事会(FRB)による利上げサイクルの終了期待、年末ラリーへの期待などが支援となった。
注目されたエヌビディアの決算は売上高と利益が予想を上回り、強いガイダンスも示されたものの、利益確定売りが優勢で、株価は週間で3.09%安と4週ぶりに反落した。ただ、センチメントは引き続き良好で、投資家の不安心理を示すVIX指数は24日まで6営業日連続で低下し、週間では-1.35ポイントの12.46ポイントと2020年1月以来の低水準となった。
今週は金融政策の見通しを巡り、物価指標が焦点となりそうだ。FRBがインフレ指標として注目する30日発表の10月個人消費支出(PCE)価格指数は変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPCE価格指数の市場予想が前年比+3.5%と、前月分の+3.7%から伸びの鈍化が見込まれており、予想通りの鈍化となれば、利上げ終了期待や来年の利下げ転換期待が一段と高まりそうだ。
このほかの経済指標は10月新築住宅販売件数(27日)、11月消費者信頼感指数(28日)、7-9月期GDP改定値(29日)、新規失業保険申請件数(30日)、11月ISM製造業PMI(12月1日)など。決算発表はダラー・ツリー、クローガーなどの小売株決算やガイダンスが注目されるほか、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ、セールスフォースが発表となる。
今晩の米経済指標・イベントは10月建設許可件数改定値、10月新築住宅販売件数など。主要な企業の決算発表はなし。(執筆:11月27日、14:00)