2024年の日米マーケット展望

2024年の日米マーケット展望

目次

米国の利下げと日本のマイナス金利解除が焦点

物色テーマは、半導体、生成AI、レジャー関連に注目

<2024年:米国の主要スケジュール>

<2024年:日本の主要スケジュール>

大統領選挙にオリンピック イベント目白押しの2024年

2024年の米国は、大統領選挙の年です。11月の投票に向けて1月からアイオワ州で予備選がスタート。年齢の問題を抱えつつも民主党は現職のジョー・バイデン大統領が出馬の意向を表明しています。一般的に、大統領選挙の前年と実施年は総じてNYダウは上昇しやすいと言われています。特に、11月の大統領選挙が終了すると先行きに対する不透明感が後退し、NYダウは年末にかけて上昇しやすい傾向があるようです。

 

7月からはフランスのパリで夏季オリンピックが開催されます。オリンピック開催年は心理面での高揚感が働いて景況感も上向き、株式市場にとってもプラスムードとなることが期待できそうです。

 

国内では、9月の自民党総裁任期満了を控えて政局動向が波乱の芽となる可能性があります。一方、年明けからの新しいNISA(少額投資非課税制度)のスタートで、日本株市場には新規資金の流入も期待できます。押し目買いニーズは強く、ネガティブな外部環境の変化がなければ、日経平均株価は2023年11月のバブル後の戻り高値3万3,853円を更新し、上値にトライすることが期待されます。

 

米国の利下げと日本のマイナス金利解除が焦点

米国株市場の最大の焦点は利下げのタイミングです。2023年12月のFOMC(連邦公開市場委員会)でFRB(連邦準備理事会)は、現行の政策金利を3会合連続で据え置くとともに、2024年の政策金利見通し(中央値)について3回の利下げ(各0.25%)を示唆しました。今のところ6月のFOMCでの利下げ開始が有力視されていますが、早ければ3月のFOMCでの利下げ開始を期待する声もあります。

 

重要経済指標の発表を注視する必要はありますが、利下げは株式市場にとって追い風となります。足元で史上最高値圏を推移しているNYダウナスダック総合指数ですが、2024年も堅調な推移が期待できるのではないでしょうか。

 

米国の金融政策が利下げに向く一方、日本では大規模金融緩和策の変更、マイナス金利の解除のタイミングが焦点となってきます。日銀が2023年12月19日に開いた金融政策決定会合では大規模な金融緩和策の維持を決定し、マイナス金利政策の解除は見送られました。ただ、2024年という時間軸で見ると、金融政策の変更は十分に考えられます。目先は、4月の日銀金融政策決定会合が一つのポイントとも見られています。マイナス金利が解除となれば、為替は円高に動き、日本株市場にとってはネガティブとなりますので注意が必要です。

 

物色テーマは、半導体、生成AI、レジャー関連に注目

2023年相場において、日米株式市場で物色テーマの中心的存在だった「半導体」は、引き続き2024年も有力なテーマとなりそうです。特に、米国のエヌビディアの決算発表は、日本の半導体関連や日米の生成AI(人工知能)関連銘柄にも大きな影響を与えますので要注目です。また、日本で建設が進む半導体工場「TSMC熊本工場」の稼働開始が2024年末までの予定となっていることも相場テーマとして意識されやすいでしょう。

 

また、国内レジャー関連にとって2024年は当たり年となりそうです。2024年は、ゴールデンウィークで最長10連休お盆休みでの最長9連休、年末年始にかけても長い連休を取る人が増えそうです。世界的に新型コロナの影響が小さくなっていますので、米国でもレジャー関連には追い風が吹きそうです。

 

さらに国内では、3月には京都に「ニンテンドーミュージアム」、愛知県長久手市の「ジブリパーク」全エリア、6月には東京ディズニーシーに8番目の新テーマアトラクション、秋にソニーグループがアニメ「鬼滅の刃」などのコンテンツ施設がそれぞれ開業予定となっています。旅行関連やホテル・宿泊関連の銘柄に物色の矛先が向かう可能性があります。

 

このほか、4月のトラックドライバー不足による「物流の2024年問題」、7月の新紙幣流通開始による貨幣処理機の改造需要も有力なテーマとなりそうです。

  

<2024年:米国の主要スケジュール>

・1月:FOMC(30日~31日)

・3月:FOMC(19日~20日)、米大統領選挙スーパーチューズデー(5日)

・4月:FOMC(30日~1日)

・6月:FOMC(11日~12日)、G7イタリアサミット(13日~15日)

・7月:FOMC(30日~31日)、パリ夏季オリンピック(7月26日~8月12日)

・8月:ジャクソンホール金融シンポジウム (月内)

・9月:FOMC(17日~18日)

・11月:米国大統領選挙(5日)、FOMC(6日~7日)、G20ブラジルサミット(18日~19日)

・12月:FOMC(17日~18日)

  

<2024年:日本の主要スケジュール>

・1月:新しいNISA(少額投資非課税制度)スタート、日銀金融政策決定会合(22日~23日)

・3月:日銀金融政策決定会合(18日~19日)、ニンテンドーミュージアム開業

・4月:日銀金融政策決定会合(25日~26日)、労働時間の残業上限規制猶予期間終了 (物流の2024年問題)

・6月:日銀金融政策決定会合(13日~14日)、東京ディズニーシー新エリア開業 (6日)

・7月:日銀金融政策決定会合(30日~31日)、新紙幣流通開始

・9月:日銀金融政策決定会合(19日~20日)、自民党総裁任期が満了 

・10月:日銀金融政策決定会合(30日~31日)

・12月:日銀金融政策決定会合(18日~19日)、TSMC熊本工場稼働

 

記事作成日:2023年12月25日

公開日:2024.1.5

マーケット情報

シェアする
FacebookXnote

金融商品取引法に基づく表示事項

●本資料をお客様にご提供する金融商品取引業者名等
商号等:PayPay証券株式会社 https://www.paypay-sec.co.jp
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 2883号
加入協会:日本証券業協会
指定紛争解決機関:特定非営利活動法人 証券・金融商品あっせん相談センター
●リスク・手数料相当額等について
証券取引は、株価(価格)の変動等、為替相場の変動等、または発行者等の信用状況の悪化や、その国の政治的・経済的・社会的な環境の変化のために元本損失が生じることがあります。
お取引にあたっては、「契約締結前交付書面」等を必ずご覧いただき、
「リスク・手数料相当額等(https://www.paypay-sec.co.jp/service/cost/cost.html)」について内容を十分ご理解のうえ、ご自身の判断と責任によりお取引ください。

免責事項等
●本資料は、投資判断の参考となる情報の提供を目的とし、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はお客様ご自身の判断で行ってください。
●本資料は、信頼できると考えられる情報源に基づいて作成されたものですが、基にした情報や見解の正確性、完全性、適時性などを保証するものではありません。本資料に記載された内容は、資料作成日におけるものであり、予告なく変更する場合があります。
●本資料に基づき行った投資の結果、何らかの損害が発生した場合でも、理由の如何を問わず、PayPay証券株式会社は一切の責任を負いません。
●電子的または機械的な方法、目的の如何を問わず、無断で本資料の一部または全部の複製、転載、転送等は行わないでください。