さまざまな記事で取り上げられているので何番煎じになるか分かりませんが「強気相場は悲観の中に生まれ、 懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、 幸福感の中で消えてゆく」といった格言があります。米国の著名投資家であるジョン・テンプルトン氏の言葉ですが、要するに大勢が下がると思っていたら底、まだ上がると思っていたら天井ということです。
必ずしも当てはまるというわけではないものの、買っている人はどこかで売らないと利益は実現しません。反対に、売りから始めている人も反転する前にポジションを解消しないと損失は無限大という怖いリスクがあります。
売り・買いのどちらにしてもタイミングよく行いたいですが、実際はなかなかうまくいきませんよね。今回はそのような、相場あるあるを表現した先人たちの相場格言について、特にあるあると思うものを3つ取り上げていきます。
相場格言1:人の行く裏に道あり花の山
他の人とは違うことをやった方がうまくいきやすい・・・といった意味があります。例えば、皆が注目しているA株ではなく、今は人気がなくても将来化けそうなB株に行く。といったイメージですね。あなたはどっち派でしょうか。
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似たようなものには「友なき方へ行くべし」「相場師は孤独を愛す」などがあり、ウォール街にも「Buy when others sell; Sell when others buy(人が売るときに買い、人が買うときには売れ)」といった格言があります。人の裏をかいたとしても、相場では勝てば官軍です。これで負けたらかなり悔しい思いをしますが、それも投資家の醍醐味なのかもしれません。
この格言の反対として「当たり屋につけ」というものがあります。勝ち続けている人と同じ売買をすればうまくいくかもしれないという意味ですが、妄信するのは禁物ですね。
相場格言2:売り買いは腹八分
言い換えれば「頭と尻尾はくれてやれ」といったように「最安値、最高値を狙おうとするな」ということです。運よくそうなることはあるかもしれませんが、狙ってできるものではないですよね。欲を出した結果、タイミングを逃してしまっては元も子もないといった戒めになります。「もうはまだなり まだはもうなり」と似ていますね。
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もうひとつ「資金はある程度残し、全部つぎ込むことはしないように」といった意味もあります。投資は余裕資金でやるものです。何を当たり前のことを・・・と思われるかもしれませんが、冷静さを欠くと思ってもいない行動をしがち。今がチャンスと生活費にまで手を出すと、大抵はなぜかうまくいきません。信用取引だとなおのこと、万が一の追証が発生しても支払えるお金がない・・・なんてことはあってはなりませんよね。
相場格言3:押目待ちの押目なし
気になっていた銘柄が上がり始めてしまい、少し下げたところで買おうと待っていたら止まらず上がり続けた・・・なんてことありませんか?
そんなモヤモヤは、昔からあったようです。反対に、持っている銘柄が下がったとき、少し戻ったら売ろうと思っていたら下げ止まらなかった・・・なんてこともあるあるです。これを「戻り待ちに戻りなし」といいます。
少し押したら、戻ったらというのは誰もが考えるでしょうし、様子を見ていると置いて行かれることも多いです。チャンスを逃さないよう、思い切って行動することも重要ですね。
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ほかにも色々
ここで取り上げた格言以外にもいろいろあります。見てみると「確かに」と思うことも多いので、取引で悩んだら参考にしてみるといいアイデアが浮かぶかもしれません。なお、格言の一覧は日本証券業協会のホームページでも見ることができるので、ぜひ一度覗いてみてください。
記事作成日:2023年6月29日
(DZHフィナンシャルリサーチ)