この記事でわかること
・バンクローンファンドはリスクもあるが高い収益性(高利回り)が期待できる
・金利上昇局面で強いバンクローンファンド
・担保が付いている高い弁済順位
この10年くらい、銀行等の金融機関が企業向けに行う融資であるバンクローンに投資するバンクローンファンドが増えています。バンクローンは、もともと機関投資家などプロが中心の市場でしたが、ファンドの設定により個人投資家にも門戸が開かれました。バンクローンファンドは、高水準の利息(インカムゲイン)が狙える商品です。
今回はバンクローンファンドの魅力について見ていきたいと思います。
バンクローンとは?
バンクローンとは?
そもそも「バンクローン」という言葉に馴染みの薄い方も多いと思います。
バンクローンとは、銀行等の金融機関が企業向けに行う融資のことです。
バンクローンは、一般的に一つの金融機関と一つの企業の間で行なわれますが、複数の金融機関が協調して、一つの契約書で同一条件で一つの企業に対して融資を行うことがあります。これをシンジケート・ローン(協調融資)といいます。シンジケート・ローンの中でも、信用度の低い企業向けのものをレバレッジド・ローンといい、バンクローンの流通市場で取引されているのは、このレバレッジド・ローンです。バンクローンファンドは、主にレバレッジド・ローンを投資対象とする投資信託(ファンド)です。
バンクローンの魅力3つ
①高い収益性(高利回り)
バンクローンファンドには大きく3つの特徴があります。1つ目は高い収益性です。
バンクローンファンドが投資するバンクローンは、レバレッジド・ローンが中心になります。このため、企業の信用度は低く、一般的な債券と比較して信用リスクは高くなりますが、その分、金利が高く設定されています。
②金利上昇局面に強い
2つ目の特徴は、金利上昇局面に強いことです。
バンクローンは、変動金利商品です。市場金利の上昇・低下に合わせて通常30~90日ごとに金利が見直されます。このため国債や社債等の固定金利の債券と比較として、市場金利の上昇に伴う値下がりは小さい傾向があります。
よって金利動向に関わらず安定的に収益を得やすい傾向がある投資対象であるため、今のような利上げ局面に強い商品と言えそうです。
③高い弁済順位
3つ目の特徴は、高い弁済順位です。弁済順位とは、お金を借りた企業(債務者)が経営破綻した場合、債権者等に対して残っている財産で弁済する時の順位です。
バンクローンは、金融機関からの貸付なので、お金を借りた企業(債務者)は、株式、機械設備、商標権などの担保を提供します。このため、担保の付いていない社債や株式に比べて、万が一の時に優先的に弁済を受ける権利があります。
為替ヘッジの「あり・なし」が選べる
為替ヘッジの「あり・なし」が選べる
バンクローンの流通市場は、主に欧米です。バンクローンファンドに投資する際は、欧米のファンドに投資をすることになります。このため為替変動の影響を受けます。
「為替ヘッジなし」のファンドに投資した場合、円高は基準価額の下落要因、円安は基準価額の上昇要因となります。
一方、為替変動のリスクを軽減したい場合や、円高局面などでは「為替ヘッジあり」のバンクローンファンドが適しています。
記事作成日:2022年11月24日