新しいNISAなら非課税投資がずっと継続
2024年1月、「NISA」(少額投資非課税制度)が改正されることをきっかけに、資産運用に対する関心が高まっています。通常の投資では、得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISAの口座で取引をするとそれが一切かかりません。売却して得た譲渡益はもちろん、保有期間中に得られる配当や分配金などもすべて非課税になります。
もともとお得な制度でしたが、2024年1月から抜本的に改正され、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の二本立てで併用が可能になり、非課税期間も無期限となります。年間の投資限度枠額もつみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円と、大幅にアップします。
2023年10月現在、日本では超低金利が続いており、預貯金に預けているだけではお金はほとんど増えません。さらに、この先インフレになれば預貯金は実質的に目減りする可能性もあります。そのため、ある程度のリスクをとってでもリターンが狙える投資にチャレンジすることも重要な選択肢のひとつになるでしょう。
投資信託なら手軽に分散投資が可能
新しいNISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の2つの枠の併用が可能になるので、たとえば毎月一定額ずつつみたてながら、ボーナスで一括投資するといったことも可能になります。
NISAの対象となるのは株式や投資信託ですが、「投資は初めて」という人にとって始めやすいのは投資信託でしょう。投資信託とは、多くの投資家から集めた個別の資金を一つにまとめ、専門家が投資先を選んで運用する金融商品です。国内外の債券、株式、商品(コモディティ)など幅広い投資対象の中から、運用のプロであるファンドマネージャーが投資先を選んで配分を決めて運用し、運用の成果は投資家に分配されます。
投資信託のメリットは、本来多額の資金がなければ買えなかったり、個人で直接投資するのが難しかったりする幅広い投資先に、少額から分散投資できる点です。長期での資産形成を目指す場合は投資対象を分散することでリスクを抑えることができるとされていますが、投資信託はそれ自体が分散投資を行っているため、購入するだけでその効果が期待できます。
加えて、投資信託を一定周期で自動的に買い付けるつみたて方式を活用した場合、手間のかからない「ほったらかし投資」が可能になります。
米国株や全世界株式で運用するインデックスファンドが人気
投資信託には、主に市場全体の動きを示す指数などに連動する「インデックスファンド」と、積極的に選別投資することでより大きな利益を狙う「アクティブファンド」があります。
一般的にアクティブファンドのほうがハイリスク・ハイリターンで、ファンドマネージャーの手腕が問われるため、支払うコストも高い傾向にあります。市場環境によってファンドの運用成績は増減しますが、中長期的にアクティブファンドはインデックスファンドに勝てないともいわれています。
数ある投資信託の中でも人気があるのは、「S&P500」などの米国株指数に連動するインデックスファンドです。数年来の米国株市場の大幅上昇を背景に、これらのインデックスファンドの価格(基準価額)も順調に推移し、高い運用成績を出し続けています。S&P500は米国株の中でも厳しい基準をクリアした優良銘柄によって構成されており、こうした銘柄群に手軽に投資できるのは、投資信託ならではのメリットといえます。
また、通称「オルカン」と呼ばれる人気ファンド「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」も、これ一本で国内、先進国、新興国すべてを含む全世界の株式に低コストで投資することができ、運用成績も良好なため、人気を集めています。
投資初心者が一から投資先を選ぶのは簡単ではありません。「何から始めればいいのかわからない」という人は、ずっと非課税で運用できる新しいNISAのつみたて投資枠を利用して、インデックスファンドを選んでみてはいかがでしょうか。
記事作成日:2023年10月12日