投資信託の良し悪しを見る上で必ずチェックしたいのが「運用実績」です。これまでそのファンドはどれだけの結果を残してきたのか?いくら運用方針は素晴らしくても結果が伴わなければ良いファンドとは言えません。
今回は、その運用実績を見る上で重要な3つの指標を解説します。
PayPay資産運用に掲載されている3つの指標
PayPayアプリの「資産運用/NISA」のアイコンをタップすると、PayPay証券の「PayPay資産運用」で投資信託などをお取引していただけます。ここで気になる投資信託を選んで見てみましょう。
覚えておきたい3つの指標
投資信託のページでは、はじめに基準価額と純資産額のグラフが表示されています。これを見ると、その期間どういう値動きをしてきたのかが分かります。
今回はその下にある「運用実績」の見方をご説明します。ここには、過去6カ月、1年、3年、5年の運用実績が「リターン」「リスク」「シャープレシオ」という3つの項目で示されています。この数字の見方を覚えれば簡単にそのファンドの過去の実績の良し悪しが理解出来るようになります。
「リターン」で一定期間の成績をチェック
「リターン」は、分配金や運用管理費用(信託報酬)などを含め、一定期間にファンドがどれだけ値上がりまたは値下がりしたかを示すものです。トータルリターンともいい、複数年のリターンについては、1年あたりのリターンに年率換算して表示するのが一般的です。
チェックするときは、短期間のリターンは様々な要因でブレが大きくなりやすいので、複数年のリターンで長期の実績を確認した方が良いでしょう。ただし、基本的には、リスクとリターンは表裏一体ですので、リターンの大きさだけで投資信託を選ぶのは避けたいものです。
「リスク」で値動きの大きさがわかる
「リスク」は、値動きの大きさを表します。計算式は複雑ですが、覚える必要はありません。この値が大きいほど、収益率の振れが大きくなる(リスクが大きくなる)ということを理解しておいてください。「標準偏差」とも呼ばれます。
一般的には、リスクが小さいにもかかわらず大きなリターンが出ている投資信託が、「良い投資信託」とされています。複数の投資信託の「リスク」と「リターン」を見比べることで有望な銘柄が見つかるかもしれません。
「シャープレシオ」で優秀なファンドか確認
「シャープレシオ」は、投資信託がリスクに見合った収益をあげられているかどうかを評価するために用いられる指標で「効率係数」とも呼ばれます。この値が大きいほど、効率よく収益が得られたことを表します。
例えば、10%のリターンに対し、Aファンドはリスク5%、Bファンドはリスク10%の場合、より低いリスクで収益を出したAファンドの方が優秀と言えます。シャープレシオの一般的な目安は、下の表の通りです。他の同種のファンドと相対的に比べてみるのもオススメです。
シャープレシオの目安 | |
0.5~0.9 | 普通 |
1.0~1.9 | 良い |
2.0以上 | 非常に優秀 |
運用実績は定期的に確認しよう
投資信託は自分で運用する手間が省ける便利な金融商品ですが、選ぶ際にはそのファンドはどういう内容でどれだけの実績を残してきたのか?をしっかりチェックしたいものです。
また、買った後も月次レポートや今回ご紹介した運用実績をチェックして、自分が持っているファンドの状態を点検するようにしましょう。思ったような結果が長期間出ないようであれば、他のファンドに乗り換えたり、別のファンドをつみたてたりと対応も検討しましょう。その際にも、今回覚えた「運用実績」は役立つはずです。
記事作成日:2024年4月11日