<2024年3月>日米株マーケットの注目ポイント
米国株:FOMCに向け強弱材料が交錯する月に
<3月:米国の主要スケジュール>
・3/1:ISM製造業景気指数
・3/5:スーパーチューズデー
・3/5:ISM非製造業景気指数
・3/8:米国雇用統計
・3/10:米国が夏時間(サマータイム)入り
・3/12:消費者物価指数(CPI)
・3/14:生産者物価指数(PPI)
・3/19:FOMC(連邦公開市場委員会)20日まで
・3/21:政策金利発表、パウエルFRB議長会見、購買担当者景気指数(製造業および非製造業PMI)速報値
・3/29:米国株市場休場(グッドフライデー)、個人消費支出(PCE)
2月のNYダウは良好な企業決算の発表を受けて史上最高値の更新が続き、ナスダック総合指数も上昇、多くの機関投資家がベンチマークとするS&P500は史上初の5,000ポイント台に乗せてきました。
3月のNYダウはインフレ鈍化に伴い、FRB(連邦準備理事会)がリセッション(景気後退)を回避するために政策金利の引き下げを、どのタイミングで実施してくるかが注目点となりそうです。重要経済指標や労働需給統計は予想を上回る底堅さを見せており、早期利下げ観測の後退も意識され、1月以来の開催となるFOMC(連邦公開市場委員会)のスタンスが注目されます。
昨年11月からNYダウは上昇を継続しているだけに、FOMCや重要経済指標の発表で波乱となる可能性も残されています。早期利下げ期待の後退と米国経済のソフトランディング(好景気が最終段階を迎え調整に入ったとき、成長の速度を少しずつ低下させること)期待の強弱材料が交錯する中、好調な米企業決算が相場を下支えすることにもなるでしょう。
また、米国では5日に大統領予備選挙が集中する「スーパーチューズデー」が開催され、17日にはロシア大統領選挙の開票が予定されており、政治情勢が不確定要素としてマーケットに心理的な影響を与える可能性があります。同様に、中国の経済状況や中東など地政学リスクにも留意が必要です。
日本株:日銀金融政策決定会合が相場の分岐点となりそう
<3月:日本の主要スケジュール>
・3/18:日銀金融政策決定会合(19日まで)
・3/19:植田日銀総裁会見
・3/20:日本株市場休場(春分の日)
・3/22:全国消費者物価指数(CPI)
・3/25:日銀金融政策決定会合議事要旨(1月開催分)
・3/27:3月末権利付最終日
・3/28:3月末権利落ち日、日銀金融政策決定会合の「主な意見」(3月開催分)
2月の日経平均は2カ月連続の大幅高となり、2月27日の取引時間中には3万9,426.29円まで上昇して、史上最高値を更新しました。日経平均への寄与度が高い半導体関連株やソフトバンクグループなどが買い進まれました。
3月の日経平均は高値警戒感と短期的な相場の過熱感が意識されそうです。米国のFOMCとほぼ同時期に開催される日銀の金融政策決定会合での政策変更の可能性は低いとも見られていますが、4月以降の日銀の政策転換の可能性は残されています。そのため、19日の植田日銀総裁の記者会見の内容に関心が高まるでしょう。仮に、マイナス金利解除に向かうようなコメントが出た場合には、株式市場にとっては一時的な逆風となりそうです。
一方、3月末の配当、株式分割、株主優待などの権利取りへの買いが相場を下支えしそうです。日銀の金融政策決定会合の結果を通過すると、相場の方向性が見え始めて、3月下旬は4月の新年度入り相場を期待するムードを高めることに繋がりそうです。また、例年この時期は3月末の配当権利取り確保の動きが強まることから高配当銘柄に関心が向く可能性があります。
記事作成日:2024年2月27日