米国株:新年相場は利下げを見込んだ株高期待
<1月:米国の主要スケジュール>
・1/1:株式市場休場
・1/2:購買担当者景気指数(製造業PMI)
・1/4:ISM製造業景気指数、FOMC議事要旨(12月開催分)、購買担当者景気指数(非製造業PMI)
・1/5:雇用統計、ISM非製造業景気指数
・1/11:消費者物価指数(CPI)
・1/12:生産者物価指数(PPI)
・1/15:株式市場休場(キング牧師の日)
・1/26:個人消費支出(PCE)
・1/30:FOMC(31日まで)
・1/31:パウエルFRB議長会見
2023年12月のFOMC(連邦公開市場委員会)でFRB(連邦準備理事会)は、3会合連続で政策金利を据え置きました。また、発表された政策金利見通しでは、2024年の金利水準見通しの中央値を現水準よりも低い4.6%とし、1回の利下げ幅を0.25%と仮定すると3回の利下げが想定される内容となりました。これを受けて米国の長期金利が急速に低下し、NYダウ、ナスダック総合指数ともに史上最高値を更新しました。
1月は30日、31日に開催されるFOMCの結果発表とパウエルFRB議長の会見を控えて、利下げの回数と開始時期を見定める展開となりそうです。そのため、5日の雇用統計、11日の消費者物価指数(CPI)、12日の生産者物価指数(PPI)などが注目されて、その前後でNYダウは大きく変動しそうです。また、講演会や取材を通じての要人発言にも相場は左右されそうですが、基本的には、利下げ期待を下支えにNYダウ、ナスダック総合指数ともに堅調な展開が見込まれます。このほか、中旬から始まる企業決算にも要注目です。
日本株:1月の金融政策決定会合の無風通過に期待
<1月:日本の主要スケジュール>
・1/1:休場(3日まで)、新しいNISAスタート
・1/8:株式市場休場(成人の日)
・1/19:消費者物価指数(CPI)
・1/22:日銀金融政策決定会合(23日まで)
・1/23:植田日銀総裁記者会見
・1/30:失業率・有効求人倍率
米国株市場とは対照的に、日本株市場は日銀の大規模金融緩和の解除による金融政策の変更が焦点となっています。従来は日米の金利差から日本株の割安感が意識されてきましたが、この魅力がやや後退し始めています。また、為替の円高傾向にも注意が必要でしょう。
2023年12月の日銀金融政策決定会合では金融政策が現状維持されました。1月は22日から23日に日銀金融政策決定会合が開催されます。大方の見方では、現状維持となる見込みです。ここを無風で通過すると次回の会合は3月18日、19日で、1月下旬は金融イベント通過によるアク抜け感から、日経平均はバブル後の高値更新を目指すことが期待されます。
1月は海外ファンド勢などの運用開始月でもあるほか、2024年は新しいNISAがスタートし新規資金の流入も期待され、相場の下支え要因として働く可能性があります。一方、為替とともに懸念されるのは、政局動向です。ここまで相場に対する影響は限定的となっていますが、政局が流動化すると一時的なショックが生じる可能性もあります。物色的には、1月中旬から本格化する決算発表が手掛かりとなってきます。消費関連を中心とする発表が中旬からスタートし、下旬には3月期決算企業の第3四半期決算発表が始まります。
記事作成日:2023年12月20日