決算シーズン後は手掛かり難の8月相場
<8月:米国の主要スケジュール>
(日本時間)
8/1:ISM製造業景気指数、購買担当者景気指数(製造業PMI)
8/3:ISM非製造業景気指数、購買担当者景気指数(非製造業PMI)
8/4:米国雇用統計
8/10:消費者物価指数(CPI)
8/11:生産者物価指数(PPI)
8/17:FOMC議事要旨(7月25、26日開催分)
8/23:購買担当者景気指数(製造業および非製造業PMI)
7月のNYダウはインフレ圧力緩和の継続や利上げ長期化懸念の後退を受けて、おおむね堅調に推移しました。7月開催のFOMC(連邦公開市場委員会)を無事通過し、次回のFOMCは9月19日、20日の日程となっているため8月は開催されません。
8月の米国株市場は、4日の米国雇用統計、10日の消費者物価指数(CPI)など主要経済指標の発表に敏感な展開となることが予想されます。
こうした中、米国主要企業の4-6月期決算発表は、アップルが発表する8月3日でほぼ一巡します。米国企業の業績は相対的に堅調であることが想定されており、8月相場の下支え要因として働くことが期待されます。
一方、8月は米国議会が休会で、機関投資家など市場参加者も長期の夏休み(サマーバケーション)入りとなることから市場エネルギーが低下し、投資のきっかけとなる材料難(手掛かり難)となる傾向があります。
イベント的には下旬に開催が予定される金融シンポジウムの「ジャクソンホール会議」(開催日未定)での要人発言が注目されそうです。
8月は日経平均の調整月、物色は夏枯れ相場となる傾向
<8月:日本の主要スケジュール>
8/2:日銀金融政策決定会合議事要旨(6月15、16日開催分)
8/7:日銀金融政策決定会合の「主な意見」(7月27、28日開催分)
8/8:貿易収支
8/10:決算発表ピーク(14日でほぼ一巡)
8/11:東京市場休場(山の日)・8/15:実質GDP速報値
8/18:全国消費者物価指数(CPI)
8/29:8月末権利付き最終売買日
8/30:8月末権利落ち日
1月から6月にかけて日経平均は7,000円強の上昇を演じたことから、7月はいったん調整の展開となりました。8月の日経平均は直近3年間では上昇しましたが、過去15年間で見ると上昇7回、下落8回の「7勝8敗」と、8月は年間では最も上昇確率が低い月です。
上旬に企業の決算発表が一巡すると海外投資家がバカンス入りすることで市場参加者が減少し、「夏枯れ相場」といわれる薄商い(売買が活発に行われない)の状態となりやすくなります。ただ、9月は「9勝6敗」と過去15年間で日経平均は上昇しやすいようです。
このほか、需給面での注目イベントとしては、日経平均とともに機関投資家のベンチマーク指数として活用されている「JPX日経インデックス400」の指数構成銘柄の入れ替え発表が予定されています。今回は8月7日に入れ替え銘柄が発表される見込みです。
同時に「JPX日経中小型株指数」の構成銘柄の定期入れ替えも実施されます。新規採用となれば、機関投資家のインデックス運用の対象となることから買い先行の思惑が働きます。
また、8月は小売業を中心とした上場企業の決算期が多いという特徴があります。8月期本決算と2月期第2四半期(3-8月)決算企業は配当権利の確定の月に当たります。
8月期本決算企業では、ファーストリテイリング(9983)や良品計画(7453)など、2月期第2四半期決算企業では、セブン&アイホールディングス(3382)、安川電機(6506)、高島屋(8233)、イオン(8267)などが予定しています。
記事作成日:2023年7月19日