この記事でわかること
・大阪IRはカジノを含む巨大統合型リゾート
・経済効果は年間1兆1,400億円
・注目の銘柄
政府は2023年4月14日、統合型リゾート(IR)推進本部の会合を開き、大阪府と大阪市が策定した計画を日本初のIRとして認定しました。
これにより、日本初のカジノを含む統合型リゾートが実現に向けて動き出しました。開業は、2029年秋ごろを目指しています。
今回は、大阪IRを紹介し、どのような銘柄が注目されるのか見ていきます。
大阪IRはカジノ中心のIR事業
大阪IRはカジノ中心のIR事業
IRとは、統合型リゾート、Integrated Resortの略で、展示場や会議場、ホテル、レストラン、ショッピングモール、エンターテイメント施設などを備えた大規模施設を指します。
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイIRのように、カジノを併設しないIRもありますが、大阪IRはカジノを中心とした大規模施設を目指しています。
大阪IRは人工島の夢洲(ゆめしま)に作られます。IRの総延床面積は約85万㎡、これは東京ドーム約18倍にあたる巨大施設です。
具体的な施設ですが、大阪府のホームページによると、総収容人数約12,000人以上の国際会議場や展示場、バスターミナルやフェリーターミナルなどの送客施設、3つのホテル(総客室数2500室)、夢洲シアター(約3500席)や飲食・物販・サービス施設など、そしてカジノ施設は延床面積約6.5万㎡で、カジノとして計画している区画はその内の3%以内となるそうです。
経済効果は年間1兆1,400億円
経済効果は年間1兆1,400億円
大阪府の試算によると、施設の建設時における経済波及効果は約1兆5,800億円、約11.6万人の雇用創出効果を見込んでいます。
施設開業後は、年間の来場者数は約2,000万人(国内約1,400万人、国外約600万人)、売上は5,200億円(カジノ事業:約4,200億円、非カジノ事業:約1,000億円)、経済波及効果は年間1兆1,400億円を見込んでいます。
なお、大阪IRが作られる夢洲は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の目と鼻の先に位置しており、シナジー効果も期待できそうです。
注目される銘柄は
注目される銘柄は
この巨大施設を設置・運営するのが、大阪IR株式会社です。
大阪IR株式会社は、米IR運営会社のMGM リゾーツ・インターナショナルとオリックス(8591)が40%ずつ出資し、残りの20%をダイキン工業(6367)、三菱電機(6503)、パナソニックホールディングス(6752)、日本電信電話(9432)の子会社NTT西日本、関西電力、近鉄GHD、JR西日本などの関西の主要企業が出資しています。運営の中核企業となるオリックスは、大阪IRの恩恵を受けそうです。
また、大阪IRが日本観光の拠点の一つになると考えると、東京-新大阪間の新幹線を運行する東海旅客鉄道(9022)、日本航空(9201)、ANAホールディングス(9202)、エイチ・アイ・エス(9603)なども注目されそうです。
また、カジノという面では、スロットマシンやカジノマネジメントシステムなどを提供しているコナミグループ(9766)などの遊戯機器メーカーも投資家の関心を集めそうです。
記事作成日:2023年4月24日