米国株:11月は年末高を意識した堅調な展開か
<11月:米国の主要スケジュール>
(米国時間)
・11/2:FOMC(連邦公開市場委員会)政策金利、パウエルFRB(連邦準備理事会)議長会見
・11/3:米国雇用統計
・11/5:米国が冬時間に移行(米東部との時差は14時間に)
・11/14:消費者物価指数(CPI)
・11/21:FOMC議事要旨(10月31、11月1日開催分)
・11/23:米国市場休場(感謝祭)
・11/24:購買担当者景気指数(製造業PMI)
・11/30:個人消費支出(PCE)
<11月:米国株の展望>
10月のNYダウは、高インフレ懸念から長期金利の高止まりが意識されて、前半は失速、中盤にかけて戻りを試す展開となり、2カ月続いた下落にブレーキが掛りました。
11月も金利政策を意識しながら重要経済指標の発表に一喜一憂する展開が想定されます。まず、日本時間2日に予定されている政策金利発表やパウエルFRB議長の会見の動向が焦点となります。このほか、14日の消費者物価指数(CPI)、21日のFOMC議事要旨が相場動向を左右することになりそうです。
一方、米国企業の決算発表は11月上旬で一巡します。中旬以降は業績内容を見直す形で物色の方向性が見えてくる可能性が高まります。また、下旬ともなるとクリスマス・年末年始商戦に向けた話題がニュースとなりやすく、市場環境が明るくなりやすい時期ともなります。昨年、2年前も11月のNYダウは堅調だったことから、年末高を意識した堅調な展開となることが期待されます。
ただ、ウクライナとロシアの戦闘長期化、イスラエルとイスラム武装組織ハマスの大規模戦闘による中東の地政学リスクのほか、中国経済の動向、つなぎ予算で11月17日が期限となっている米新会計年度の予算問題などが不透明要因として横たわっていることには留意が必要となるでしょう。
日本株:決算シーズン通過し、日経平均は上値を伺う可能性も
<11月:日本の主要スケジュール>
・11/3:東京市場休場(文化の日)
・11/6:金融政策決定会合議事要旨(9月21日、22日開催分)
・11/9:金融政策決定会合(10月30日、31日開催分)の「主な意見」
・11/10:決算発表ピーク(600社超)
・11/23:東京市場休場(勤労感謝の日)
・11/24:全国消費者物価指数(CPI)
<11月:日本株の展望>
10月の日経平均は日銀の大規模金融緩和政策の変更思惑や地政学リスクの台頭などから、一時3万1,000円割れに沈むなど、弱い相場展開でした。
11月は、3月決算企業の第2四半期決算発表が14日で一巡し、年末にかけて海外ファンドや国内外機関投資家などが積極的に運用する傾向にあるため、好業績銘柄を中心に上昇トレンドとなりやすい時期となります。実際、日経平均は年間で、11月と12月が上昇する確率が高い月ともなっています。
ただ、ヘッジファンドは顧客が解約意向にある場合、決算期日の45日前までに通知するルールとなっているケースが多いことから、12月末の45日前にあたる11月中旬はヘッジファンドの換金売りが出やすく、一時的に波乱となりやすい傾向もあります。
このほか、機関投資家がベンチマーク指標としているMSCI日本指数の銘柄入替が15日に発表予定となっています。その銘柄入替は、時価総額上位のアシックス<7936>が新規採用候補に、サイバーエージェント<4751>が除外候補として有力視されています。
<11月:日本株の決算予定日>
1日:トヨタ自動車(7203)
2日:コナミグループ(9766)、川崎汽船(9107)
7日:NTT(9432)、任天堂(7974)、LINEヤフー(4689)
8日:三井不動産(8801)
9日:INPEX(1605)、ソニーグループ(6758)、ソフトバンクグループ(9984)
13日:日本郵船(9101)、メルカリ(4385)
14日:三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、東芝(6502)
記事作成日:2023年10月19日